北海道Tour22#6
2022/8/15(月) かなやま湖→大村-1

かなやま湖→北落合 (以上#6-1)
(以下#6-2) →幾寅 (以上#6-2)
(以下#6-3) →麓郷 (以上#6-3)
(以下#6-4) →上富良野 (以上#6-4)
(以下#6-5) →大村
km

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 南富良野町の天気予報は6時まで曇り、7時から13時まで晴れ。美瑛は12時以降晴れ。南富良野町から美瑛町へ向かう今日の行程を考えると、大変申し分無い。天気予報としては。
 4時、部屋の灯りを点けて2階から下階へ降り、出発準備開始。バルコニーの外、夜明けの森は霧の中だ。明るくなり始めた景色の色合いは青っぽく暗めで、晴天という感じではない。しかし雨が降ることは無いだろう。 昨日に続きカップ麺を部屋の電気ヒーターでお湯を沸かし、飲むように身体に押し込んでゆく。部屋の入口近く、昨日輪行袋から組み立てた自転車に、もちろん荷物積載も室内で落ちついて行うことができる。2018年以来訪れていない北落合が、10kmぐらいのところにあるのだ。行かねば、天気予報を信じて。

 5:25、かなやま湖ログホテルラーチ発。
 道道465でまずは幾寅へ。湖岸の森はまだ山影の中だ。茂みと森の中の道は広く、空気はひんやりしている。出発後の軽い起伏は、1986年に初めてこの湖岸の道を走ったときから恨めしく印象的だ。ちらちら見えるかなやま湖と木漏れ日の道にテンションを上げ、湖岸は平坦だと思って調子を上げていたところに起伏が現れ、息切れしたのだった。あの頃からおれはてきめんに坂に弱いな、と思う。登ったところで森が開け、道端で湖面を眺めることができるものの、その後森の中に平坦な道が続くようになって湖面は見えなくなった。

 湖岸の森が畑に変わってもうすぐ幾寅な筈なのに、畑沿いが結構長い。静かな道をとぼとぼ流す内、早朝だから森でも畑でもとにかく熊が出るかもしれない、という気になってしまう。

 6:00、幾寅着。山間の町、幾寅に朝日が当たり始めていはいるものの、まだ陽は高くない。交差点で何の気無しに道の駅の方向を眺め、とりあえず道の駅で缶コーヒーを飲むとする。隣の敷地に、昨日幾寅ハイヤー社長さんのお話で伺ったモンベルアウトレットストアの、木造っぽい店舗を確認できた。この時間なので当然の如く、お客さんがいるはずも無く、ひっそりと静かだ。振り返ると、交差点の向こうに3階建ての建物にMarriottの文字が見えた。あれが昨日幾寅ハイヤーの社長さんに伺った素泊まりのマリオットか。場所、雰囲気は悪くない。食事さえ何とかなれば、今後頼りにできるかもしれない。以前幾寅で泊まった坂井旅館やかなやま湖のログホテルラーチとともに。通常北海道Tourで使っているオホーツク内陸経由パターンの旅程だと幾寅に泊まる機会が無いので、またその必要ができたときにでも。

 引き続き北落合へ向かう。町外れからGPSトラックに従い、畑の中の農道から、根室本線を区間廃止に追い込みつつある水害がすっかり眺めを変えてしまった空知川を渡り、幾寅川の谷間へ入り込む。道の周囲が畑から、谷間の茂みに変わり、次第にじりじりっと高度を上げ始めるものの、本格的に登り始めるのはもう少し先だ。まだ6時台、朝の森に何か潜んでいそうな先入観がある。しかし、車が時々通ってくれているのが大変心強い。中にはトラックもいる。この早朝から北落合の農作業が始まっているのだろう。尚、こちらの道は北落合から幾寅に下って行く道だが、北落合から下ってゆくもう一つの道、落合方面には、この春熊が出たという話を昨日聞いている。
 東幾寅への分岐を過ぎ、狭い谷と幾間が道寅川だけになって道は登りが続く。斜度は決して急ではないものの、例によってゆっくりのんびり焦らず進むと、やがて前方に北落合の外周森が登場。憶えている風景の順番通りだ。そしてここまで、フロントバッグに地形図をセットしてはいても、あまり地形図を見ていない。我ながら驚きだ。今回、こういうことが多いように思う。北海道に2年振りに訪れて、景色に見入って新鮮な気分が感じられているように思う。自分のことなのだが。


 6:45、北落合中央着。

 空に雲が増えてきている。空の高い部分にうっすら、しかししっかり拡がっている薄曇りだ。薄い雲ではあるものの陽差しは遮られていて、風景全体に期待したような明るさは無い。少なくともすかっと青空という感じではない。そしてこの状態が、北落合にいる間に劇的に改善するとも考えにくい。

 でも、どんより曇りでなければ上々とも言える。何しろ、4年振りにまた北落合に来れているのだ。北落合に来れていること、そのこと自体が文句無しに心から嬉しい。ならば今日の北落合を存分に眺め、そこに身を置こう。

 北落合の小中学校はもう大分前から集会所に変わっている。建物の前には屋外散水栓がある。もしかしたら水が飲めるのかもしれない。今のところはまだボトルに水がほぼ満タンなので必要無いものの、憶えておこう。

 何は無くともこのまま680m地点を目指し、畑の中淡々と脚を進めてゆく。最高地点の標高は狩勝峠より高いし、それだけに開けた畑の農道は実は結構な登りである。

 ゆっくり進むのと共に、デスクトップの写真で見覚えがある風景が次々と現れ、通り過ぎてゆく。

 いつもの感覚がとても嬉しい、またここに来れた。

 7:20、680m地点着。

 いつもはお昼のこの場所、今日はまだ7時台だ。空に薄い雲が拡がり、陽差しは出そうで出ないものの、時々薄日が出てくれている。薄曇りではあるものの、過去に朝訪れた中では一番晴れているようにも思う。上々の北落合ではないか。

 今日は美瑛まで行けばいい。美瑛発北落合経由美瑛着だと、13時過ぎに幾寅に戻りなんぷカレーを食べて輪行作業を終え、15時に東幾寅から根室本線に乗っていた。今日はこの幾寅パートが丸まる無いので、行程全体として時間の余裕がかなりある。
 又来れた北落合の風景を前に、しばらく写真を撮ったり補給食をぱくついたり。自転車は汚れているし身なりは汗だくでも、大変贅沢な時間をのんびり存分に過ごすことができた。この後も、久しぶりの南富良野・美瑛コースを焦らずじっくり楽しもう。

 8:35、北落合680m地点発。往路ではえっちらおっちら、景色を眺めて楽しみつつゆっくりと登ってきた農免農道北落合線を、下りで一気に、というより一瞬で通過してしまう。毎度の事ながら登り斜度が改めてよくわかるというものだ。
 北落合中央を通り過ぎて幾寅へ下ってしまう前に、これも毎度の立寄り場所へ寄っておかなければならない。9:25、北落合共和着。1998年以来訪れている私的定点撮影地がある。最初来たときには20年以上も撮り続けようなんて思っていなかったが、丘にすっくと立つポプラの佇まいに魅かれて又来たくなって訪れていただけで、こんなことになってしまった。
 丘の上のポプラは今回も立っていてくれた。毎回その姿、そして周囲の木々が少しずつ成長していたり、畑の作物ががらっと変わっていたりした。また、以前道の行く手に建っていた小屋はいつの間にか無くなり、そもそもこの道にフェンスが設けられて入ることができない年もあった。今回はフェンスの扉が開いていて、普通に入ることができ、写真を撮ることができたのは有り難いことである。

 北落合中央に戻って幾寅へ。折角なので集会所で水を汲んでいこうかとは思ったものの、まだ水はある。
 下る途中、東幾寅分岐を過ぎた辺りで気が付くと、明らかに空が少しづつ晴れ始めている。もう少し待ったら青空が晴れ渡るのかもしれない。でもまあ、帰りかけて晴れ始めるのは毎度のパターンだし、これが今回の北落合だと捉えるのが適切だろう。また来れれば来よう。来れるチャンスを自分で逃さないようにするだけのことなのだ。

 10:10、幾寅着。三の山峠へ向かう前に、もう一度道の駅に立ち寄り、自販機やら用足しやらを済ませておく。道の駅は既にかなり混雑していて、昨日幾寅ハイヤーの社長さんに伺った通り、モンベルアウトレットへもひっきりなしに車が出入りしている。盛況と言っていい。南富良野町、いろいろと勝負に出ているね。
 案の上、幾寅に寄っている間に空はかなり晴れてきた。もはや10時台、照り返しのものすごい熱さは、根釧台地辺りの暑さの比じゃない。山奥とは言え道央エリアにやって来たことを感じる。昨日もし十勝を走ったら、もっと暑かっただろうな。


 10:25、幾寅発、国道38を三の山峠へ。暑い。幾寅から三の山峠まで、登りは115m。いつもの西達布側からだと170mなので、だいぶ登り量が少なく感じられる。そもそも行程全体で、美瑛スタートに比べて南富良野スタートだと登り区間と登り総量が少ないのだ。しかしそれでも暑いものは暑い。汗をだらだらにかいて、峠近く2・3箇所のカーブがまだ峠じゃないのが大変じれったい。

 峠付近の樹海の眺めは、記憶にある状態よりだいぶ木が育って視界が狭くなってきたように思う。或いはこれが前回訪問からの4年のブランクというものかもしれない。

 などと思いつつだだっと一気に下って森の中から開けた谷間へ。

 谷間は開けているが、まだ道は西達布へ下り続ける。盆地の谷間は陽差しを遮るものが無い。もう路上の照り返し熱風が暑い暑い。

 11:05、西達布しらはぎ着。東山へ向かう農道に曲がったところ、かつて泊まったことがある宿の看板が掛かっていない。荒れているという雰囲気は無いものの、或いは宿を閉めているのかもしれない。

 などという感傷とは裏腹に、西達布は私的に絶景一歩手前ぐらいの風景が連続する里である。国道38から少し登ると、道の両側に緩やかに波打つ起伏のある丘が拡がり始める。畑が丘を彩り、立木と農家がその中で風景のアクセントになっている。更に周囲の山が、適度な大きさの背景になっているのだ。

 しかし今日は暑くてふらふらになりそうだ。いや、折角西達布まで来れているのだ。今日は道を急ぐ必要は無いのだ。のんびり行こう、ゆっくりでいいよゆっくり、と念仏のように唱えながら丘を登って下って、記憶通りの順番に現れる風景を眺めてゆく。

 いつも立ち寄る東山の自販機には、寄らずに進む。まだ水は十分にあるし、暑い代わりに風景に脚を停める言い訳には事欠かないのだ。

 一旦平沢の丘へ登ってから集落へ下り、その後は麓郷との間の丘越えへ。ここも平沢からだと麓郷からより登りがずいぶん少なく、道の角度によって路上の木陰に避難しつつ登れたりして、今日は大変助かる。

 多少雲は出てきているものの、盆地の麓郷もやはりかなり暑い。12:15、麓郷着。

 麓郷の交差点は「北の国から」に出てきたせいで、立ち寄る必要があるような気に毎回させられる。とはいえ北海道山間の鉄道に全く縁が無い場所にしては、農協があって飲食店や食料品店がいくつかある比較的大きい町であり、セイコーマートが無いこと以外の立ち寄りネタに不足は無いことも確かだ。

 などと思いつついつも立ち寄る交差点の藤崎商店へ。以前、ここで比較的安く旅先から送りやすいジャガイモやアスパラを母に送ったことがあった。今回は満を持してメロンを送ることにした。お店にその旨お願いすると、冷蔵庫から試食用タッパーが出てきて4種類から選んでくれとのこと。どれも濃厚な味で悩ましかったものの、一番メロンぽい(と思った)味のを選んだ。美味しかったのみならず、その後1時間以上メロンの香りのげっぷが出てきたのには驚いた。こんなに香りが濃いとは。さすが富良野メロンである。


 12:30、麓郷発。麓郷木材を眺めて通過し、GPS画面を眺めて気が付いた。今日は布礼別まで短いながらも裏道経由コースを組んでいるんだった。
 布礼別では、以前入ったB&B布礼別がもう営業していない様子である。麓郷には1990年泊まったことはあるものの、布礼別に泊まったことは無い。私の夏の行程だと、どうしても美瑛か幾寅辺りの宿じゃないとコース分割上使いにくいし、B&B(宿泊と朝食のみの宿)のため夕食をどうするかは問題ではあったものの、一度泊まってみたかった宿だった。

 いよいよベベルイ基線へ。布礼別から前富良野岳の裾野をベベルイ基線まで75m程直登、その後ベベルイ基線が本幸まで緩い登りとなり、本幸までは100mの登りとなる。

 この暑いのに、布礼別を出ると広々とした畑に続く道に木陰は全く無い。自分で選んだコースだから仕方無い、と思っていたら、途中の畑で写真を撮っている間に、空に流れ続ける雲の量が次第に増え、強い陽差しが雲で翳り始めていることに気が付いた。陽差しが翳り始めたお陰もあり、直登区間はえっちらおっちらではあるものの比較的楽しく登ることができた。しかしこの雲、暑さ的には大変有り難いものの、風景的にはやや残念だ。ベベルイ基線を進んだ本幸では、曇ってしまうかもしれない。

 それはそうと、畑の中道に脚を停めていると、ベベルイ基線から降りてくる妙に車が多いことに気が付いた。この車の少なかった道で、2台連なってやって来るなんて、過去にはあり得なかったことだ。しかも1回や2回じゃなく、間隔を置きながらほぼ定常的に車がやって来るのである。おそらく途中のどこかかこの道自体が、どこかで紹介されたのかもしれない。

 以前、ベベルイ基線には高いカラマツに囲まれた道だという印象があった。しかし近年、区画毎にカラマツの伐採が進み、道の両側が高いカラマツに囲まれるような区間はむしろ短くなっている。伐採が済んだ区画には、幼木が植えられている所もある。この木が又森になる頃には、私は北海道に来ることはできなくなっているのかもしれない、等と思う。歳のせいか2年振りの北海道のせいか、やや長期的な視野に立ち感傷的な気分になることが多い、今回の北海道Tourである。
 最高地点を越えると、私的名所の本幸だ。動いていた雲が濃くなったり薄くなったりして次第に空全体を覆いつつあり、薄くなってゆく最後の陽差しに最後に間に合ったところだった。
 見たかった風景は、4年振り。木々が少しづつ大きくなって、多分それ以外にもまるっきり写真と同じじゃない。その少し違う風景にこの場所でまた会えることは、とても嬉しく有り難い。いつも自転車を立てかけて停める路端の赤白標識ポールは、今回は垂直な状態で出迎えてくれた。しかしやはりというか、根元にはばきっと曲がってまた真っ直ぐに直した痕跡が見られた。次曲がったら、また立て直すのかもしれない。
 4年振りの写真を一通り撮って、次はそろそろ何か食べたくなっている。お昼なので。携帯食のパンで済まそうと思えば、十分に可能な量のパンは持ってはいる。一方この場所にも、以前から十勝岳裾側の畑にジンギスカン店がある。というより以前から目を付けていたし、今日はここに行こうかとも思っていた。もっと言えば、到着見込み時刻やその後の行程も含め、行くしかないという位に都合の良いけるという気はする。
 しかし、ジンギスカン店には車が結構頻繁に出たり入ったりしている。かれこれ20年以上前だったか、帯広市郊外のジンギスカン白樺でお昼に1時間待たされたことを、私は未だに憶えている。今日もこのくっそ暑い中、店内であまり腹を減らして待ちたくない。それにくっそ暑くて、ジンギスカンの鉄鍋を想像するとげんなりしてきた。何もジンギスカンならここで焦って食べ急ぐことも無いのだ。明日ファームイントントで、最高のジンギスカンを食べることができる。
 上富良野に降りれば何か飲食店ぐらいあるだろう、と思ってぐぐってみると、果たしてラーメン・定食の食べられそうな何でも屋があった。今の気分としてはこちらである。

 というわけで、本幸を後に東中へ下り始める。しかし本幸にいる間に、空には更に雲が出てきていた。もはや陽差しはすっかり隠れてしまい辺りは薄暗く、風も吹き始めている。空気中に水滴が舞い始めてもおかしくなさそうな雰囲気すら漂っている。少しは気温が下がったのだけが有り難い。

 13:50、上富良野着。インターネットで食堂を捜して2軒目、町外れの何でも屋へ。
 店内に冷房は効いていなかったものの、大変有り難く醤油チャーシューメンを頂いた。腹が減っているという以上に大変美味しく、やはり上富良野に降りてきて良かったと思った。北海道の地方の町で、ラーメン屋が意外という以上に美味しいことはよくあるような気がする。美瑛に昔そういうお店があったし、最近(と言っても2016年)鶴居の奥の布伏内でとても美味しいラーメン屋に驚かされている。

 扇風機に当たってはいたものの、やはりラーメンを食べると汗だくになった。美味しくラーメンを食べ終えて店の外に出ると、雲はますます低く降りてきていて空はもはや暗くなっていた。天気予報はこの後も日中は曇りではあるものの、現実はいつ雨が降り始めても不思議は無い。明日は終日雨、それもかなりしっかりと本降りのようだ。もしかすると、明日の雨が早まっているのかもしれない。北海道の中でも暑い地方であるこの辺り、天気関係で何が起こっても不思議ではない。


 14:20、上富良野発。
 風雲急を告げるような気象条件の下、最短コースを意図し富良野線沿いのダート含みの道へ向かう。しかし最短コースを意図しても、終盤の美馬牛周辺では無駄な丘越え谷越えと屈曲が多めである。わかってはいることではあるし美瑛の丘陵では当たり前で毎度の事でもある。ただ、今にしてみれば西側谷間の地味な道に向かっても良かったかもしれないとは思う。そしてどうせ無駄に登って下ってが多いのなら、新栄の丘には立ち寄ってしまうのである。例え旭岳の裾野が丸ごと雲で隠れていても。

 憩から美瑛市街に降り、再び西側の丘に登り返して、15:50、大村「ポテトの丘」到着。
 前回2019年に泊まって以来のこの宿、ここ10年ほど美瑛での私の定宿だ。以前はYHとして営業していて、ここ3年ぐらいはYHではなくドミトリー形式のペンションということになっていたのだが、2020年以降は「コロナ禍のため」として宿として営業していなかった。今年からコテージでの宿泊が営業再開となったのを、インターネット発表前に大変運良くたまたま知ることができ、急いで予約させていただいたのだ。
 今回は今晩と5日後の夜に宿泊をお願いしている。近年の私にとって、北海道Tourの最後に便利で落ち着ける旭川空港から帰れること、その前の晩を美瑛の静かな畑で過ごせることは大変重要な要素になっている。このため、2年振りにやっと来れた北海道Tourで再びこの宿に泊まれることは大変有り難く嬉しいことである。
 本棟とオーナーさんが以前と全くお変わりないのも、大変嬉しいことだ。今回泊まる部屋は、というより建物は、コロナ渦中に滞在施設として使っていたコテージとのこと。見かけ上は完全に普通の2階建てプレハブ長屋であり、自転車ツーリストの宿としてかなり豪華である。1階は食堂とキッチンと風呂、2階が寝室。一昨日と昨日に引き続き自転車は部屋置きで、明日の移動に備えた自転車輪行解体は部屋内での作業となった。これはもう立派に今年の芸風である。各宿で事情は異なれど、2年間のコロナ禍を経た道内各宿の現状を反映した出来事、と言えるのかもしれない。少なくとも、ここ2年間宿として営業していなかったここポテトの丘は、コロナ禍の影響をもろに受けていたことは間違いない。
 夕食はポテトの丘敷地内のブランルージュへ。この店、2019年の訪問時に食事がとても美味しかった、再訪が楽しみだったお店だ。YH時代から美味しい夕食を楽しみにポテトの丘YHに泊まっていた私にとって、ポテトの丘YHのコックさんが開かれているお店で食事を頂けた、とても懐かしく美味しく嬉しい美瑛宿泊なのだった。

 天気予報で明日はかなりしっかりした雨だということはわかっていたので、美瑛ハイヤーに電話して明日9時と21日7時の予約をお願いしておいた。食後に再び天気予報を見ると、明日の天気予報が悪化していた。北海道全域で終日雨、しかも降水量は行程予定全域で終日4mm/h。朝の美瑛も2〜3mm/hの雨だ。これなら駅まで自転車に乗りたくない。タクシーを予約しておいて本当に良かった。

記 2023/1/29

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Last Update 2023/2/19
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