中国地方Tour22#3
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12:50、千代田着。中国自動車道の千代田ICは、さっきの大朝IC3つ分ぐらいに、出てくる車が多い。車が多いICからなのか、道の駅はかなりゴージャスなガラス張りの大きな建物となっているのが仰々しく、慌ただしさを盛り上げる。広島という大都市が近づいてきたことを感じさせる。
少し先で道は再び国道261に合流した。実はこの時、合流した国道261が朝通ってきた交通量が多い道の続きだとは思っていなかった。事程左様に土地勘が無いのに、GPSトラックを辿ることで、道を間違えずにいられるのである。しかし地形図の絵面には記憶があり、いよいよ広島市まで最後の大きな登りに推移しつつあることはわかった。そしてこの先、国道沿いの旧道っぽい細道を積極的に選んでトラックを描いていることも思い出した。
GPSトラックに従い国道261から分岐し、白い壁の倉や見事な瓦の家並みへ進んでゆく。
里まっただ中なのに、道端のこぢんまりした休耕田っぽい草むらには、鹿が白昼堂々こちらを眺めていて驚いた。
行く手には時々やや急な短い登りが現れたり、行く末を疑うような変な曲がり方をしたりもするものの、そういうときはすぐ向こうの国道も、付かず離れずぐらいの距離でじりじり高度を上げているのだった。
そして国道から数10m離れただけで、国道を通り過ぎてゆく車はこちらからは単なる映像になってしまっている。こちらの落ちついた路上空間とは全く別世界である。
谷間の集落が終って国道261に合流、そのまま峠部分へ高度を上げてゆく。
車は増えたものの思ったほど悩ましくはなく、まあ何とか許容範囲である。もうあとは数10m順当にじわじわ登り峠を越え、向こうへ下ったら、広島までほぼ真っ平らということもわかっている。
それでも、本地で峠部分を越え広島市安佐北区の看板が出たときには嬉しかった。陽陰分水嶺の看板も出ている。
広島市側は、やや開けてはいるものの狭い山間の谷間である。全体的に緩く傾斜した台地だった北広島町側とは全く違う風景だ。たった400m代前半の峠ながら見事に雰囲気が変わってしまうのが面白い。
竹迫でつづら折れがある他は、谷間に沿った直滑降をどんどん下ってゆく。
途中、GPSトラックはまたもや旧道を経由したりもした。
あまりふらふらしないように気を付けながら国道261をどんどん下りつつ、ここまで慌ただしい国道を経由しすぎたかなと思っていた。
思えば今日の行程は、徹底的に獲得標高差を下げるため、国道経由を聖域無い適正化として選んでいた。しかしRideWithGPSでの計画値は1800m近かった登り標高差が、今のところ1100m台。14時台でこの後はもう広島までほぼ平地だけなんだから、もう少し無理をして細道を一杯通っても良かった。それでどんなコースになるのかは全くわかっていないのだが。
とにかく、もうこの後は広島だな、広島に近づくんだから車が増える一方なんだろうと思っていた。しかしその先太田川沿いでは、想像と全く違う展開となったのだった。土地勘が無いということは怖ろしい。
記 2022/5/26