中国地方Tour22#2
2022/4/30(土) 東城→三瓶温泉-3

東城→小奴可 (以上#2-1)
→小峠
(以上#2-2)
→上阿井町
(以下#2-4) →吉田
(以下#2-5) →志津見
(以下#2-6) →三瓶温泉

118km   RideWithGPS

小峠から杭元経由で上阿井へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 ゆるっと乗りこえた峠の向こうは、再び明るい新緑の広葉樹林だ。雑木林というより原生林かもしれない、深い森である。

 谷間は地形図通りに直線基調で、山の傾斜が緩いためか狭いながらも開けた雰囲気だ。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 渓谷沿いに下ってゆく道端が少し開けると田圃が現れ、谷間は別のもう少し広い谷と合流した。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 合流点の大畝は、高く切り立った山に囲まれた谷間に田圃が拡がり、農家が点在している。真っ青な空の下新緑の山肌に囲まれた田圃は田植え2〜3日目ぐらい。水がなみなみと張られ空と山々を映し、そのいくつかでは農家の方がいそいそと田植え作業中だ。多分家族総出なんだろうな。向こうの谷の奥には、壁か背景のように大きな山が二つ(吾妻山と烏帽子山というようだ)立ちはだかっている。そして景色の中で、カエルの声がこだまするように響いている。1日観ていたくなる、絵のように素晴らしい農村風景だ。しかし、本日の現実としてはそういう訳にもいかない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 裏道を少し経由してから県道25へ。谷間が広がって農村が続いているせいか、さすがに小峠からの道からは車は増えるものの、それでもまだまだ全然許容範囲だ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 杭木まで8km、ひたすら標高差100mをここまで行程とは打って変わって快調に下る、下る。田圃を囲む山々、農家の庭先は、染まってしまいそうな明るい緑で一杯だ。空はもはやさっきまでの薄曇りが嘘のように真っ青で、陽差しが強くぽかぽかだ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 汗は風にすぐ飛んで消えてしまうし、それなのに寒いという感覚は全く無い。年間これだけ快適なサイクリングも珍しい。緑の明るさと光の明るさ、風景の雰囲気全体が4月中旬、いや上旬のように見える。いつも連休中に夏日になる日があることを思い出す。今年の連休は、少し気温が低いのかもしれない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 11:20、馬木着。
 やや開けた谷の真ん中、県道25と出雲横田へ向かってゆく県道49が交差し、周囲には郵便局や警察署、小学校など公共施設が建つ交差点だ。食料品店は無いのでそのまま信号を通過してから、地域集会場に自販機を見つけたので、地図交換を兼ねて少し休憩してゆくことにした。気付けば腹が少し減っているし、もうお昼前に差し掛かろうという時間なので、この際腹が減る前に松本荘のおにぎりを食べておくことにした。コンパクトな包みにおにぎりがたっぷり3つ。梅干し、肉、鮭のトリオで美味しい。ウインナーとお漬物も効いている。なかなか頼りになる。松本荘には感謝せねば。
 ここまで来れば、小峠を含む本日最大の登り3箇所が終わって標高差を2/3弱こなし、確か距離は全体の2/5に相当していたはず。到着時刻はまあ想定通りというか、想定範囲のなかなかいい方だ。この先まだ登り下りは多いものの、今日はまともな時間には三瓶温泉に着けるという気になってきた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
  杭元から上阿井経由で福原へ 赤は本日の経路

 5kmほど下った馬木の少し先で谷間は再び狭くなり、杭元で高尾方面への分岐が現れた。しばらく、というより今日の宿がある三瓶山高原道路まで、山間に数10mから100m以内ぐらいのアップダウンが延々と続くことになる。いよいよ、というよりやっとここまで来れた、という気がする。とにかくこの区間を落ちついてこなすために早めに取付きたかったので、ここまでやや気が急いていたのだ。

 杭元までより谷間はぐっと狭くなったが、相変わらず谷には田圃が拡がり、農家が点在する。谷間を囲む山々はここまでと同じく新緑真っ盛り。谷間の田圃は一面に水が張られ、田植え間近か真っ最中だ。空は真っ青、日差しは眩しく、水は青空と山々を映し、青と緑に染まってしまいそうな気分が一杯だ。これがあと5日間、今回のツーリングの風景になるのだろう。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 下高尾で、棚田の上にそう高くないながらすっきりとそびえる山が迫ってきた。そちら側の山裾へは登りになるものの、魅力的な風景だ。地形図によると目の前に聳える山は伊賀平山という名前であり、すぐ先の生活道然とした細道の分岐が、10kmほど先の上阿井町で合流する道の始まりである。事前に何度もコースを選んで距離と標高差を検討した、2つの経路の分岐だと気が付いた。実際の風景と空間感覚だけは訪れてみないとわからないものである。
 今、興味津々で眺めている山裾へ向かう道は、今日の位置づけとしては第2案だ。第1案より多少アップダウンはあるが距離は多少短いはずだった。そのくらいの差なら、面白い方へ行ってみよう。
 と思える余裕があることが、行程中盤まっただ中に差し掛かった今大変心強い。

 上手の丘を乗り越えてから、道は棚田と集落の一番上手の山腹に続いた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 アップダウンはややしつこく、しかししんどくない程度に繰り返された。地図読みである程度想像していた範囲で、良好に推移していると言えた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 そして田圃の展望がとても楽しいことは、期待していたが具体的に想像はできていなかった。何か得した気分だ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 想定区間の最後近くまでアップダウンは意外にしつこく続き、そろそろ下らないと辻褄が合わない、と思い始める辺りから唐突に急下りで一気に高度を下げ、12:15、上阿井町着。さっき下高尾で分岐した別コースとの合流地点だ。

 2択で選ばなかった別コースが終盤で通る国道432を横断し、粛々と脚を進めてゆく。国道432はかなり交通量が多く、やはり山裾経由で良かった、と思えた。

記 2022/5/19

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Last Update 2022/8/29
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