北海道Tour20#4-1
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北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道川上郡弟子屈町札友内 鱒やにてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
天気予報は行程上で1日中曇りだが、降水確率0%なので雨が降りそうな心配は無い。荷物を積みに外へ出ると、雲の中に何だか薄明るいような青い色が見えるような気もする。でも気のせいかもしれない。今年も津別峠は雲の中かもしれない。
毎年津別峠に訪れることができる、今日も可能性を信じて出発できる。そのこと自体がとても素晴らしいしとても有り難いことは確かなことだ。
5:20、札友内鱒や発。走り始めると自転車が砂利道をごとごと動き始め、走っているうちにいつの間にか夕方になり、生田原に着いてしまう。自分で走ってはいても、朝と夜全然違う場所にいるということが何とも不思議だ。そして夕食を食べたらすぐ寝て、また明日の朝出発するのである。1日、一杯走ったつもりでも宿にいる方が行動時間より長いというのも不思議なことである。素晴らしく有り難く不思議な、今日もそんな1日の始まりだ。
札友内の牧草地から釧路川沿いの森へ、国道243は続いてゆく。道の表情は間違いなく国道の表情なのに、青々とした牧草地、適度な拡がりがのんびりとした佇まいで、居心地は悪くない。
釧路川沿い、山肌の森と釧路川の茂みみたいな森に挟まれた区間へ。狭い空間には取り付く島が無いので、いつも淡々と通り過ぎてしまう。以前はここを通る時に妙にペースが上がる印象があった。今朝もペースがちょっと上がるものの、せいぜい20km/h台後半程度。もう気分ぐらいじゃ調子も上がらない。
屈斜路で湖岸の縁みたいな緩い登りを乗りこえ、屈斜路湖のお皿の中へ。宿泊施設や民家が多少続いた後の、屈斜路湖や外輪山に囲まれた畑の適度な拡がりがのんびりと印象的だ。車も毎度の如く少ない。この辺りもやはり国道にしちゃ居心地の良い道だ。国道243、思えば美幌側の里区間も大変魅力的な雰囲気の道である。美幌峠だけが有名すぎる気がして仕方無い。もっと美幌峠以外も有名になってほしい。
しかし、いつも弟子屈より天気が良い印象がある湖岸まで来ても、今日は雲が相変わらず低い。津別峠も近年毎度の如く霧の中かもしれない。と思いつつ、自販機を見つけて朝のコーヒーに。
和琴キャンプ場の前を通過し、まだしばらく国道243の湖岸区間は続く。山側にキガラシの畑を眺め、何年か経由していた山裾の農道を思い出す。あっちの道も楽しい道だった。一昨年放し飼いの犬の犬に追われ、犬と熊が怖いので、もうおとなしくこちらを通ることにしたのだ。
行く手の森に屈斜路湖プリンスホテルが見え始めた。近年津別峠で有名な雲海ツアーは屈斜路湖プリンスホテルがやっているらしい。森の先は山裾と繋がって、そのまま斜面を登ってゆく。森に入ると津別峠への道道588分岐がある。そして国道243もそのまま美幌峠への登り区間へ突入するのだ。
道道588の分岐手前には、以前、というか2000年の訪問時に自販機があった。次に通ったときにはもう自販機は無かったと思う。日没前に自販機で助かった、という記憶だけで、20年間毎回「自販機があったような気がしたけどもう無いんだよな」と思い出す場所だ。でも今日はもう関係無い。水も物資も全く問題無いはずだ。さっきコーヒーは飲んじゃったし。
■というわけで分岐で特に脚を停めることも無く、6:10、ウランコシ通過、道道588へ。津別峠展望台までしばらく登りである。
取付の7〜8%直登は視覚的に厳しい。しかし実態としては、この斜度が津別峠まで標高差600m以上、ほぼ途切れること無く続くのだ。先はまだまだ長い、センターローまでギヤを落として努めてゆっくり登ってゆく。落ちついて粛々と確実に、ゆっくりゆっくり行けばいつも通りの津別峠、問題無い。最近流行の持続可能というやつだな。
直登のてっぺんで曲がって山肌に取付き、もう少し頭上の開けた登りが続いてから森の中へ。これだけ朝早く雲が厚くて暑さの心配は無くても、森の中に入るといつもの通り気温がぐっと下がる。ポロシャツを着たままでも、あまり汗が吹き出るような感覚が無い。そして全体として登り斜度はあまり変わらないものの、つづら折れの折り返し部、もう少し登って現れる沢渡部の橋など、時々気分転換できる程度に斜度に緩急があるのが大変助かる。
薄暗い森の笹の中、黒い物体が動いた気がしてどきっと驚かされ、見直して朽ち木の切り株であることを確認したりする。しかし、津別峠にあまり熊は出ないらしい。山裾には出るようだが。
標高300mぐらいから、それまで森の奥に漂っていた濃霧が路上までやってきた。450m手前辺りから更に涼しい風が吹き始めたのもいつも通り。500m台で周囲の樹間が空き、頭上の空間が開け始めた。この辺から道の斜度が緩くなるような気がしていたが、それは単に斜度の緩急が時々ある、という状態の見間違いだったことが今回理解できた。ちなみにRIDE WITH GPSやルートラボやカシミール3Dのプロフィールマップでは、津別峠区間は終始一定の斜度で描かれている。
500m台後半からは峠へ続くトラバース区間となる。本来屈斜路湖がちらっと見えるはずのこの辺で、今日は濃霧が視界を遮り、辺りは薄暗い。しかし峠へ続く南側斜面へ回り込むと、雲は相変わらず厚かったものの、峠に続く正面の山の斜面がはっきりくっきり見え始め、その明瞭な迫力に驚かされた。のみならず青空まで見え始めたではないか。津別側は屈斜路湖側より天気が良好なのかもしれない。これも近年毎度の傾向である。このまま暑くならずにチミケップ湖で晴れてくれれば望むところなんだが、世の中そんなに甘くはないような気もする。
峠の手前まで、毎回の記憶と実態のずれの範囲内で、登りの実態は推移した。しかし峠手前数10mでぐっと厳しくなる斜度は、毎回の訪問の度、記憶されている厳しさが更新されるような気がする。少なくとも厳しいことだけは記憶通りだ。まあそれもわかっているので、ギヤを下げるだけの話だ。
7:45、津別峠着。出発が早かった分だけの早着であっても、その分だけ好調な津別峠訪問と言っていい。そしてゆっくり登っているだけあってまだまだ行ける。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道川上郡弟子屈町ウランコシ地内 道道588 津別峠にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町上里地内 道道588・ふるさと林道上里線分岐にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
そのまま引き続き分岐からふるさと林道上里線へ。谷を挟む上里方面の山肌がよく見え、森の生々しい迫力に息を呑む。ここまで登れて良かった。そしてやはり津別側は少しは霧が薄い。
斜度が厳しい分、ギヤをインナーセカンドローまで落とし、更にゆっくり登ってゆく。車が降りてきて道端に寄るときにも、むしろ停まって待てるのが有り難い。ゆっくりながら、いつものように津別峠展望台に向かえているのだ。そして展望台まであと少し。登るにつれ再び青空が見え始め、稜線部の向こうは完全に雲が切れているようにも見えた。いいぞ。
8:15、津別峠展望台着。近年は8時台の津別峠着がすっかりデフォルトになってしまった。今日もこの時間なら、去年と同じく特に焦ったりすること無く津別には10時前後に着けるはず。そしてそれならチミケップ湖も楽勝、湖畔で時間も取れるだろう。
到着時には展望台のバックに青空が見えていて、小躍りしそうになった。しかし、自転車を停めている間に辺りは薄暗くなってしまった。霧が出てきたようだった。
霧ではあってもまずは展望台に登るだけ登ってみると、屈斜路湖側はもはや完全に灰色のガスで視界が埋まっていた。反対の津別側は、津別市街らしき営みや上里の山々が眺められ、多少はましだった。少しの間は。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町上里地内 津別峠展望台にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町上里地内 津別峠展望台にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町上里地内 津別峠展望台にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
しかしそれも束の間、すぐ雲が押し寄せて隠されてしまった。まあ毎年のこと、チミケップ湖を目指すには却って好都合である。今年も津別峠展望台に来れて良かった、それは間違いない。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町上里地内 津別峠展望台にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
8:45、展望台発。濃霧の中へ飛び込むようにふるさと林道津別線を下ってゆく。展望台滞在中に津別側が霧に埋もれただけあり、登ってきたときより全体的に薄暗くなっているのがよくわかった。早めの撤退は正解だろう。
道道588合流点が近づくと、厚い霧は急にすっと消えて視界が開けたものの、やはり辺りはさっきより薄暗い。曇り空の下の山々が、やや険しい表情に見える。
合流点からくるっと折り返し、引き続き道道588を上里へ。下り途中、正面の山が霧に隠れて見えない。いつも霧っぽい最近の訪問の中でも、今日は霧が濃い方だ。来年以降、津別峠は更に霧が濃くなってゆくのかもしれない。
トラバース区間から谷に辿りつき、時々10%以上に斜度が増す下りをきりもみ急降下のように下ってゆくと、広葉樹林がびゅんびゅん過ぎてゆく。もう10年以上、津別峠の訪問はいつも屈斜路湖側からになってしまっている。津別側のこれだけの下りを下ってしまうと、もう津別側から登る気にはならない。まあ登り総量ではさっき登ってきた屈斜路湖側の方が多いのだが。
上里へ下ると、谷間には強めの追い風が吹き続けた。一昨日、昨日と吹いていた強風の風向きとほぼ同じ、北西の風だ。脚を余り回していないのに、かなりの快調ペースである。昨日悩まされた風が、今日の追い風となっている。風貯金などというものがあるなら、昨日と一昨日でたっぷり貯まっているはずだ。津別への下りぐらいでは貯金はびくともしないだろう。
また牧草地が現れ始める辺りから、天気は劇的に良くなっていった。元上里小学校辺りで空はすっかり晴れ、陽差しも徐々に現れた。美都ではいよいよという感じで直射日光が辺りを照らし始め、一気に気温が上がってかなり暑くなってきてしまった。
北見盆地はもっと暑くなるんだろうな。あの暑い北見盆地で。まあ悩んでも悩まなくてもこの後北見盆地は経由せざるを得ないのだ。
9:50、津別着。とりあえずいつものようにセイコーマートへ。町中を流している段階で、直射日光と照り返しが厳しく、ものすごく熱い。肌にちりちり感じる程の熱線である。まずはとにかく店内に避難だ。津別も暑いとこうなんだよな。
物を買ったら外に出なければならないのが辛い。暑い店先でコーヒーを飲んでアイスを食べつつ、しかしこれならチミケップ湖で雨が降る可能性は少ないとも思った。最低限薄陽は期待していいだろう。実際には移動している間に雲がやって来て、現地ではもう曇ってしまったなどということになるかもしれない。しかし津別でこの時間、この天気を前にして、チミケップ湖を諦める手も無い。去年もうちょっとだけ遅い時間に津別に着き、チミケップ湖には全く問題無く行けて、湖畔で1時間も滞在できたのだ。何たって今年は去年より早めペースなのだ。等と気分を上げて、熱気に突入だ。
10:05、津別発。
コースの向きが津別で120°以上折り返しになり、さっきまでの追い風は国道240では見事に向かい風になった。風の勢いは、脚を回してやっと何とか15km/hしか出ないほどに凄まじい。そして陽差しはますます絶好調に辺りを照射し、更に路面からの照り返しとなって、上下から路上の物体を加熱しているのであった。吹き荒れる風の温度自体は25〜27℃位なのか、けっこう冷やっと感じられるのに、風の強さと上下から照りつける高温で、10分も走っていると本当に頭がぼうっとしてきた。これが本来の夏の津別、いや、北見地方の暑さであることも、実際に暑さに直面してみて思い出した。まったく程々というものは無いのか。
しかし国道240区間は意外に短いのが救いだ。10:35、本岐着。
チミケップ湖へ向かう谷間の道道494に入り、谷間と道の向きが国道240と少し変わっても、期待するほど向かい風は弱くならない。谷間に風が入り込んで、谷に沿った気流になっているのかもしれない。もう3日間続いている風に、そろそろ嫌気が刺していてこらえ性が無くなってきているのを自分で感じられた。もしかしたら疲れ始めているのかもしれない。
相変わらず陽差しは強い。道道494の交通量が極端に少なく、時々路上を覆う木陰や川からの風が涼しいのだけが救いだが、そんなもん焼け石に水だ。過去にここで軽い熱中症になってしまった経験が活きていて(というより懲りていて)、水は心配無いぐらい準備しているのは安心だ。
のろのろ進んでいるうちに、本岐からチミケップ湖までの半分強を過ぎた沼沢分岐手前辺りから、空に雲が出始めた。やはりこの山間では雲が出てきたのだった。雲が出てやっと涼しくなったのは有り難いが、より山間のチミケップ湖では、更に雲が増えるのかもしれない。だとするとちょっと残念な気もする。いや、こうなってみると残念ではある。
舗装区間の終盤で、やっと時々向かい風が弱まってきた。谷間が狭くなって風を遮っているのかもしれない。風が止むと体が軽くなり、頭は急にはっきりした。疲れているんじゃなく、ここまでの路上が暑くて向かい風や横風が強すぎたことがわかった。チミケップ湖から北見盆地に降りるまでにまた暑くなり、生田原まで少なくともどこかで必ずまた向かい風が吹くのだろう。しかし、疲れが原因じゃないなら、今日も最後までは何とかなるだろう。
11:35、チミケップ湖着。
木立の向こう、空を映した鏡のような湖面が見える。やはり雲はやや多い。しかし薄日も出ていて、空の色を映した湖面は曇りの日の鉛色という訳でもなく、ぎりぎり青みがかっている、ように見える。晴れの日なら、湖面の色は真っ青になる。近年チミケップ湖へ来るとずっと曇りだったので、以前眺めた青い湖面はマボロシだったのか、とすら思うこともあった。ここで眺める湖の色が青っぽいことは大変喜ばしく、これだけでも来た甲斐があったと思える。
湖岸区間のダートをキャンプ場へ。砂利が少なく目立った凸凹も無く、突然盛大に登り返すなどということは皆無、やはりかなりの極上ダートである。
11:45、津別町営チミケップ湖キャンプ場着。道道494の訓子府方面に、昨年見覚えがある通行止めの看板がまだそのままに立っていた。まだ復旧していないのか、或いは別の場所で崩落か何かあったのか。去年通った最上方面の道道682分岐には、何も掲示されていない。こちらは問題無く通れると考えて良いだろう。去年チミケップ湖から先は道道682を経由したので、今年は道道494から訓子府へ向かう計画だったが、この状況だと今年も去年と同じく道道682で最上・北見経由決定だ。
ということは、近年の北海道Tourで一番厄介な区間、北見盆地の国道38の経由距離が2倍になってしまう。まあ、そのことは後でその時に悩もう。こんな自体に備えて、去年やや戸惑った北見市街を通過するためのGPSトラックも持ってきておいて良かった。
などというあれこれは些細なこと、まずはとにかくおもむろに湖岸へ。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町沼沢 チミケップ湖キャンプ場にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町沼沢 チミケップ湖キャンプ場にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
草地の木陰には、湖岸近くまでご家族らしきキャンプ客のテントがかなり多い。はるばるやって来た方々というより、地元の方が近場で楽しんでいるように見受けられる。私的定位置、水際の樹の下には誰も居ないので、今年も有り難く一等地に自転車を停めさせていただく。長くても1時間ぐらいなので、許してね。独身50おやじだし。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町沼沢 チミケップ湖キャンプ場にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町沼沢 チミケップ湖キャンプ場にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
陽差しと青空を待ったり写真を撮ったりしている間、周りのテントでは昼食が始まっていた。雲は低空をかなり早めに動き、山の向こうから次々押し寄せては去って行った。時々時々陽差しと青空が出て、真っ青ではないにしてもやはり空を映して青く明るい湖面を見ることができた。もっとすかっと晴れた日の写真をPCデスクトップ画面でよく眺めてはいるものの、携帯食のクロワッサンなど食べ、炊事場で汲んだチミケップ湖のおいしい水など飲めば、ワタクシはもう大変満足である。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町沼沢 チミケップ湖キャンプ場にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町沼沢 チミケップ湖キャンプ場にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
この間、湖面が終始波立つ程、風はますます強くなっていた。この強い風が今年最大の特徴だったかもしれない、と思った。何はどうあれ、雲の間ではあっても青空と陽差しが見え、何年も通い詰めた甲斐があったと思えた今年の訪問だったことは確かだ。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町沼沢 チミケップ湖キャンプ場にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
12:25、チミケップ湖発。生憎チミケップ湖を去る段階になって陽差しが出始め、もう構わず道道683を進んだ森の中は、ますます明るい陽射しで照らされていた。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道網走郡津別町最上 道道682にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
もう15分出発を待てばよかったかもしれないとは思ったものの、ここで戻っちゃいけない、という気もする。根拠は全く無いが、こういうときにはやはり戻らないのだ。陽が差すと森の中でも気温はぐんぐん上がって暑い。暑さがややつらい、道道683の2回の丘越えとなった。
13:10、最上着。合流した早々27はそのまま開成峠へだらだらっと登り始める。すぐに開成峠を越え、北見市街までは一目散の下りである。
チミケップ湖から離れるとともに雲はもう散り散りになり、青空から陽差しが照りつけ始めていた。その一方、開成峠から道の向きは北向きとなり、北見市街までずっとかなり強い追い風となった。緩い下りと相まって、脚を余り回さなくても楽々30km/h以上の追い風アシストに、転倒が怖くなるほどだった。しかし風向きは真北というより北東であり、北見市から先、西向きの国道38でこの風が向かい風に変わることが明らかである。
今はもうそのことは深く考えないことにした。
13:35開成橋着。
その先、北見市街を通過するために裏道GPSトラックをばっちり組んである。国道38まで実際にはせいぜい2〜3kmも無いものの、去年は地図を何回か確認して多少だれたような気がしていた。迷ってはいないにしても。
GPSトラックによるコースは概ね適切で狙い通りだった。しかし、途中無加川を渡るのにとんでもない橋(というか導水管の点検通路)を通る羽目になった。さすが航空写真だけ見て、直線モードで描いて繋いだ道だけのことはある。
北海道Tour20#4 2020/8/9(日)札友内→生田原 北海道北見市豊地 無加川河岸にてにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
事程左様に、北見市街の裏道通過は意外に難しいことなのかもしれない。
ある意味本日一番の難所、国道38へ。片側2車線の路上には、大型車を含め車が絶えない。今日は、気を緩めると煽られそうな程強力な、向かい風気味の横風が吹き荒れている。更に上からの直射日光、下から照りつける照り返しで、お昼前の津別に引き続き私は意識不明になりつつあった。1日で一番暑い時間帯の14時を過ぎるまであと30分弱。留辺蘂まで24kmの標識に、1989年の初訪問時、北見市街で日が暮れてしまい「留辺蘂YHまで30km/hで行けば40分じゃん」などと考えたことを思い出す。まああの時は若かったというよりかなり凄まじい追い風だったからな。
14:05、東相内セブンイレブンへ緊急避難する。留辺蘂まで24kmの辛い国道38、途中でエアコンが効いた室内に入れて大変助かった。アイスで冷気とカロリーを補給して、14:15、東相内発。
その後も国道38では、向かい風気味の横風に悩まされた。脚を回し続けても10km/h台しか出ない。そして暑い。私が走る路側帯空間のすぐ外を大型車やら乗用車がばんばん通過してゆくのが怖いし、車が巻き上げる埃が時々目に入って痛い。
しかし、相内から交通量は多少減った。空も薄い雲が拡がって、陽差しが大分弱まっていた。また、14時半を過ぎると気温そのものが下がり始めた。そして、薄雲の下に留辺蘂手前の山がシルエットで現れ、もう留辺蘂までは時間の問題だという気になってきた。まだ風は全然弱くならないが。
15:15、留辺蘂セイコーマート着。風は相変わらず吹き荒れているものの、この先国道338へ進むと谷間とコースが北向きに変わる。生田原まではずっと追い風に変わってくれるかもしれない、過大な期待は禁物だが。風向きとは別に、交通量ががくっと減る方が確度が高く、それはあてにできる。
生田原まで先が見えた気になって、スマホで去年の記録を読み返す余裕もでてきた。去年は留辺蘂着が15:35とのこと。去年と同じペース、つまり全く無理せず着実に進みさえすれば、金華峠は余裕を持って越えられるし、ホテルノースキングにも去年と同じかもう少し早い時間に着くことができる。安心感が裏付けられた気がした。
今日は津別峠、津別、チミケップ湖、留辺蘂と昨年比20分早着が続いていて、それがずっと安心感につながっている。しかし、よく考えると出発が20分早いというだけの話でもある。それだけで気分が全然違うのが我ながら可笑しい。
15:35、留辺蘂セイコーマート発。
国道338に入ると、ずっと悩まされてきた強い風は、目論見通りに追い風に変わってくれた。交通量も、国道38からの分岐で大分少なくなり、更に留辺蘂の平地内でほとんど脇道に消え去った。留辺蘂から谷間に入ると木陰が路上を覆い始め、毎度のんびりした国道338となった。そして、熱にやられそうだった身体が大分楽になった。
今日最後の登りとか金華峠とか言っても、せいぜい登りは130mぐらいのもの。毎回最後にちょろっと登って終わりの峠である。淡々と進むうちに何だかあっという間に元金華駅を通過。更に淡々と進んで谷間へ続く上金華林道の入口を見送り、金華峠への登りが緩っと始まった。まあそれでも登りは登り、こちらの速度はがくっと落ちてしまう。
峠を越えると生田原へひたすら下りである。短い峠区間の斜度が収まってからも、かなり緩い下りが続く。すっかり影が長くなって夕方っぽい清里の谷間を下り続け、次第に拡がる谷間を囲む近くの低山を眺めながら生田原市街へ。
16:40、生田原セイコーマート着。
物資を買い込む前に、まずは明日の予報を確認しておく。明日の予定次第で仕入れる物資が変わってくるのだ。
西興部、滝上で12時以降雨マーク降水量0mmだが、あの辺では何度か山の中で大雨に降られている。市街地で0mmなら、山間や農村部では1〜2mm、あるいはそれ以上の大雨でも全然おかしくない。更に幌加内と名寄と下川で15時以降雨、降水量も15時で3mm、18時1mm。もうこれで輪行決定には十分だ。
朱鞠内湖に輪行で向かうには、去年より1本早い生田原7:26の特急オホーツクで生田原を出発する必要がある。ホテルノースキングの朝食は7時からだ。輪行を完了した自転車を駅に置いておき、朝食を15分ぐらいで速攻で食べれば辻褄は合いそうだ。でも、そもそも朝食は頼んでいない。セイコーマートで朝食を仕入れておかねば。
16:50、ホテルノースキング着。
今年の夕食は過去毎度の宿泊セットメニュー「ノースキング御膳」ではなく、心魅かれていたアラカルトメニューのステーキと季節企画メニューのホタテアスパラクリーム生パスタ。かなり腹一杯になった。ノースキング御膳も悪くなかったものの、サイクリングにはこっちの方がいい。
記 2020/11/22
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