仁宇布→上幌内
(以下#10-2)
→下川
(以下#10-3)
→十和里
(以下#10-4)
→愛別
(以下#10-5)
→当麻→大村
155km
RIDE WITH GPS
天気予報は終日曇り。降水確率は最大30%、全体的には10%ぐらいで低めではあるものの、旭川盆地までは山間が続く。曇り予報というだけなら、山間で雨でも全然不思議じゃない。ここ仁宇布の現実としては、夜明けの空は重く低めの雲に覆われていた。雨は降っていない。
雨っぽくなるなら、今日は幌加内経由で行こう。と思いつつ1階に荷物を降ろすと、空の中に明るい青い色が浮かび始めた。更に朝食中、それまで厚かった雲が次第に薄くなり、空が何だか明るくなってきた。
今日は晴れ基調の曇りなのかもしれない。そんなもの仁宇布から5kmも走れば、ころっと変わって雨が降り始めてもおかしくない。何たってまだ早朝である。それでも、見た途端こりゃダメだという感じじゃない。
ならばとりあえず山間コースを下川まで脚を進めるつもりで仁宇布の交差点へ下ってみて、その時またそっち方面の様子を伺って決めればいい。何事も思い込みは良くない。今年の北海道もあと2日。残り少ない時間、現実に柔軟に対応して行動せねば。
6:25、仁宇布ファームイントント発。
上空に未だ雲は多いものの、青空の中に雲があると思える位に、確実に晴れ始めている。緩斜面に拡がるソバ畑、盆地を囲む山々。もうお別れの、緑明るい北国の風景が心に染みる。
下川への道道60分岐の交差点でも、道道60方面の空の表情に特に問題があるようには見えない。ならば予定通り道道60で下川へ向かおう。下川までは45km、無人の森が続く。いや、今のところサンルダム工事中なので、下川手前で多少ましにはなっている。でも、一度脚を向けてしまえば下川までエスケープが利かないことに変わりは無い。そして、下川での予定変更は、事実上輪行含みとなる可能性が高い。しかし今の天気なら、実態がどうであっても自分の選択に後悔することは無いだろうと思われた。
仁宇布周辺で特徴的な道端の白樺の森は、すぐに鬱蒼と静かな広葉樹林と笹の茂みに替わった。毎度のことながら、なんとなく野生動物が一杯潜んでいそうな不気味さを感じつつも、緩く淡々とした登りを落ちついて進んでゆく。
美深松山湿原への分岐を過ぎると、谷間は一気に狭くなって周囲の山肌が迫り、道は美深松山峠へ向かって高度を上げ始める。とはいえまだこの段階では5%未満程度。まだ道北の峠らしい緩い坂だ。空にはやや雲が増えているものの、空全体は眩しいぐらいに明るい。一方、茂みの雰囲気は次第にワイルドさを増している。もう仁宇布から数km山間に入り込んでいる。辺りの稜線はそう高くないように見えても、空が明るくても、何だか薄気味悪さで居心地はあまり良くない。未だ6時台、たとえ舗装路面上と言えども、この山中では野生動物が主役なのかもしれない。
美深松山峠への最終段階は、峠手前2〜300mで斜度が突然上がって8.5%に。道北道道の峠としては異例の急勾配だ。こちらもぐっとギヤを下げてを乗り切って、7:10美深松山峠通過。
峠の向こうは、オホーツク海側の雄武町となる。
イキタライロンニエ川沿い、狭い谷間の深い密林を上幌内の道道49分岐へ下りきるまで、仁宇布側より更に濃厚な野生動物の雰囲気と、路上にまでぷんぷん漂う熊の臭いが怖い。
そのため、上空が明らかに空が雲で一杯になっていることに気付かなかった。南に下るにつれ、内陸の天気は冴えないのかもしれない。或いは一昨日からの例に漏れず、オホーツク海側はあまり天気が宜しくないということなのかもしれない。雄武町は、自治体的にはオホーツク海沿岸である。辺りが山深いので、オホーツク海沿岸の雄武を思い出すことができないだけだ。
年によって、道北の天気はオホーツク海側、日本海側で、それぞれ独立して絶好調だったり絶不調だったりする。今年は日本海側が好調だったが、オホーツク海側は不調で低温気味だ。オホーツク海高気圧が活発だと、内地の秋の訪れも早い傾向があるようなので、そういう意味でも早くオホーツク海高気圧になっていただき、東京で糞暑い夏が少しは涼しくなって欲しい。東京の鬱陶しい夏は、子供の頃にはもう少しましだったと思う。私は夏が大好きだったからだ。
等と思いながら、道道49に乗り換えて次の幌内越峠へ。
記 2018/1/28
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