開陽→(町道北19)武佐→(道道775)東武佐→(農道)俵橋
→(道道994)中春別→(農道)別海温泉
(以下#3-2)
→(新酪農道)奥行→(道道930)上風連
→(道道121・813)奥別寒辺牛
(以下#3-3)
→(道道813)東円朱別→(道道928)上風連
→(農道・町道)西春別
(以下#3-4)
→(道道957)上多和原野→(道道13)萩野
→(農道・町道)虹別→(道道885)養老牛
(以下#3-5)
→(道道150他)俣落→(町道北19他)開陽台
→(町道北19他)開陽
208km
RIDE WITH GPS
夜が明けた開陽は濃霧の中。今日一杯は晴れの予報、いくら何でも昨日よりは早めに霧が晴れてほしい。根釧台地202kmコース3年目にして、ようやく晴天のチャンス到来なのだ。そして昨夜から万全の9時間睡眠、町営温泉も効いたのか、目覚めの身体もすかっと爽やかだ。
昨日町営温泉帰りに買っておいたセイコーマート珠玉の食料品を喉の奥に押し込み、フロントバッグの荷物をカメラから4サイド選抜日帰りメンバーに交換。朝露がぽたぽたと雨かと思うようなミズナラの木陰で荷積みを完了し(といってもフロントバッグを着けてサドル袋に輪行袋を入れるだけ)、5:20、開陽「民宿地平線」発。
まずは町道北19を武佐へ。
昨日と違って霧は濃いものの路面は基本的に乾いている。そしてあまり寒くない。さすがに天気がまだ晴れの周期内、景色に漂う雰囲気というか、安心感が全然違う。
武佐の一番上手、北東へ向かっていた道が南東へ向きを変える場所は、中標津山裾ならではの根釧台地の地平線が眺められる場所だ。
しかし今は濃霧のせいで、楽しみにしていた地平線は全く見えない。まあまだ出発したばかり。この先少なくとも上風連辺りから先では晴れの風景を目一杯楽しめるだろう。今のところはいつ頃晴れるのか想像したり期待したりするしかないが、その時を信じて、晴れの場合と変わり無く着実に脚を進めておくべきだ。
道が南東向きに変わるとともに、開陽から少しづつ高度を上げていた道が下りに変わる。根釧台地の山裾から、武佐、そして標津の低地へと一気に100m以上下ってゆくのだ。今日のコースは小規模アップダウンが終始続くものの標高200m以上に登ることが希なのに、オプション扱いになっている開陽台からの下りを除けば、コース随一の下りが初っぱなにあるのがこのコースの奥深いところであり、根釧台地の面白いところでもある。とにかく武佐、中央武佐と、東武佐まで霧の中をどんどん下ってゆく。
無風時に脚を停めて下るときに、30km超ぐらいの定速で安心して効率良く下れる、ツーリングにはいい下りである。登るときにはこの坂がなかなか曲者で、あまり視覚的に坂っぽくないのに何だか脚が重くて動きがのろいという、訪問時のストレスも思い出す。大好きな中標津の道だからどっちでも有り難く通っているのだが。
などと、どっちでもいいようなことばかりが気楽に頭に浮かぶ。霧のせいだ。
東武佐の道道774クランク交差には、このコース中数10kmに1箇所づつしかない自販機がある。まだ出発したばかりだが、道の反対側にある「はるかなる山の呼び声」ロケ地の民家セットを眺めつつ、表敬訪問程度に自販機コーヒーとしておく。このコースで自販機がある場所なんて数える程しか無いのだ。
朝早い近所の方が、自転車ツーリストを見ると声を掛けてくれて嬉しい。私も20年以上前には「チャリダーですか」と聞かれて「自転車ツーリストです」などと突っ張っていた時期もあったが、最近はチャリダーもツーリストもどっちでもいいじゃん、人類皆兄弟と思えるようになった。
東武佐から俵橋を過ぎ、何度かのクランクと小さなアップダウンを経由し、短区間道道や町道、農道を乗り換えて更に標高を下げてゆく。
東武佐で40m台だった標高は、いつの間にか標高20m台後半まで下がり、拡がる台地上には牧草地、時々台地から降りて渡る川沿いの低地には茂み以上大森林未満ぐらいの広葉樹林が続いている。
10km足らずのオホーツク海岸まで低地に牧草地と森が拡がる標津の風景を、空から眺めるように想像してしまう。
川沿い低地の森はまだ早朝のため静かで、時々大型の熊の糞が落ちている。そういう場所はささっと通り過ぎてしまいたい。
霧に霞む行く手の先へ、急ぎすぎること無く淡々と経済運転で、脚を進めておこう。
牧草地と防風林、そして低地の茂みと、人の手は入っていても人気は無い場所がひたすら道端に続く。
標津へ向かう国道272を横断してからも、時々現れる標識はまだ標津だ。これが中春別、尾岱沼を過ぎ、別海、床丹になってからまだしばらく南下は続く筈だ。別海の文字が見え始めないと、202kmコースの次の段階には移らない。初っぱな早々、距離が長い区間なのである。
▼動画21秒 共生橋・茶志骨川間の丘
空はまだ曇っていたが、国道272を横断した辺りから霧が消え、明らかに遠景が澄み始めた。一気に青空が拡がる兆しかもしれない。北海道では晴れが何日か続いた後によく見られるパターンだ。そして、昨日よりそのタイミングが早そうだ。
早くも6:30頃、別海町との町界を越えてまもなく空が晴れ始めた。と思っている間に、一気に曇り空は青空に替わった。
早朝の静かな牧草地が眺められる場所を狙い定め、脚を停めてみる。さっきまでの薄暗い濃霧が嘘みたいに一面の青空に替わってしまっていた。
空が晴れると森の白樺の幹、葉っぱの緑が、急に爽やかに見える。低い気温も爽やかに感じられる。相変わらず森からは無数の生物の気配が迫ってくるが、空が晴れただけでそのニュアンスは圧迫されるようなものではなく、どちらかと言えば静かで爽やかな森の朝とでもいう雰囲気に感じられてしまっている。こちらの気分の問題か、とにかく全てががらっと変わってしまったのだった。これなら今回もいい気分で最後まで走り続けられるだろう。
別海町に入ってからは、道の周囲に牧場が増え始めていた。 ▼動画41秒 美原の牧場地帯
早朝だったせいかやや厳しい静けさが人里と一線を画すようだった標津の低地とは明らかに異なる人里の雰囲気が、コースに漂っていた。
▼動画51秒 別海を南下
交差する道の標識にやっと別海市街という文字が登場。ひたすら南下し続けていた道は、牧場の間を右往左往し始めた。
こうなると、長かった標津〜別海の低地区間もあと少し。
記 2017/1/2
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