北海道Tour12#9-5 2012/8/17 仁宇布→大村

仁宇布→(道道49)上幌内 (以上#9-1)
→(道道60)下川 (以上#9-2)
→(道道101)登和里→(道道61)朝日 (以上#9-3)
→(市道)茂子利→(道道101)愛別
(以上#9-4)
→(町道・農道・道道140・295)倉沼
→(町道・農道・道道37)東神楽→(町道)千代ヶ岡
→(町道)大村  167km  RIDE WITH GPS

ついに美瑛にやってきた RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9 愛別から東桜岡経由で日の出へ 赤は本日の経路

 愛別からは旭川盆地縦断だ。
 2009年には朝に歌登を出発、やはり於鬼登峠を越え、愛別から旭川手間の永山で終着とした。1日の行程としては量はぴったりで、永山は永山で旭川近郊らしい開発途上の雰囲気と、1時間に列車が1本ののんびりした駅の雰囲気が微妙なバランスで両立されていて、旅の終着地点として悪くなかった。しかし、最初はなんとなく旭川まで行こうというイメージがあったことは確かで、コースの最後にちょっと捉え所の無い旭川という大都市、どの道を行けばいいのかわからない平地に行く手を阻まれ、「ここでいいじゃんここで」と思ってしまったという気もしていた。何とかこの平地部分を、ある程度筋の通ったコースでクリアできれば、この平地部分を超えられると思っていたのだ。
 その昔1986年にも、美瑛の北の西神楽から愛別へ、旭川盆地をショートカットしている。経路は確か道道主体。車が多くてつらいことと、道の青看板に旭川空港の表示が出ていたこと、そして西神楽から愛別へ平地だと思っているとけっこう距離があってやきもきしたこと以外の印象が薄い。その印象から、旭川盆地縦断は退屈でなかなか手強いという気がしていた。

 そこで今回は、静かそうな山裾の道をつないで盆地を南下するコースをGPSに入れ、旭川盆地に臨む。

 まず2009年にとても印象の良かった伊香牛辺りの田んぼの丘から、農道をつないで将軍山へ。

山裾手前の田んぼをゆく なんだか内地っぽい風景が意外 RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9
山裾から旭川盆地に出てきた RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 そして東桜岡からは旭山へ、盆地の平野部と丘陵裾野の境辺り、田んぼや森、農村の断続する中を、静かそうな道をつないで南下してゆく。
▼動画1分1秒 伊香牛1 田んぼから山裾アップダウンを横断
▼動画23秒 伊香牛2 田んぼから山裾アップダウンを横断

 そういうコースを組んだので当然なのだが、盆地に出ないように、しかし山間に入り込まないように、旨い具合に道がつながっているのが、走っていてとても面白い。

 カーブがややイレギュラーなので、地図だけでは辿るにはかなり複雑な道なのだが、今回GPSのお陰でこのコースを通れていると言っていい。つまり、過去には通れなかったコースの、過去感じたことが無い感覚なのである。
▼動画41秒 当麻 山裾の道 あまり北海道っぽくない(笑)

北海道らしからぬこぢんまりした山裾空間の畑が続く これも旭川盆地の味わい RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 「旭山動物園」の文字に、ここが有名な旭山動物園の入り口だと思いつつ小山を回り込むと、日の出から旭川盆地が一気に拡がった。ここで裾野迷走コースから一転、東神楽までほぼ一直線の田んぼの中の道だ。

日の出から東神楽経由で大村へ 赤は本日の経路

 地図の田んぼに一直線に描かれていても、実際には道が微妙にスライドしたり、周囲の田んぼや集落が入れ替わったり、裏道にはそれなりに景色の変化がある。また、旭川ほどの都市の郊外で道道ならそこそこ以上に車が通るはずだが、こちらは時々車は通るものの、少なくとも十分以上に気持ちが落ち着くぐらいの交通量だ。

北海道らしい平野に拡がるのは田んぼ 北海道の米どころ RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 相変わらず向かい風は強く身を削るようで、地形はやや単調だが、のんびりした道だし時間の余裕もあるので、こちらもあまり焦る気にもならない。向かい風をそのまま受け止め、次々現れる穏当な景色を楽しみ、負荷なりに進めるペースで進めばいいだけだ。

 

 最後に忠別川河岸部に突き当たって道道37に合流、東神楽橋を渡って、16:25、東神楽着。GPS画面の町中にセイコーマートのマークが登場したので、もう宿到着直前だが是非とも休憩しておくことにする。愛別からここまで全く休憩していなかったし、数少ないセイコーマートのチャンスである。宿到着前だが、もしHotChefの豚丼があればここで豚丼を食べられる。いや、美瑛ポテトの丘YHの夕食も確かとても美味しくボリュームたっぷりなはずだったが、北海道で1度もセイコーマートで豚丼を食べられなかったなどという事態だけは避けたい。

 しかし東神楽店に到着すると、今時なんとHotChefが無いセイコーマートなのだった。もう明日のコース上に、セイコーマートがあるという確信は無い。強いて言えば幾寅にあったような気がしないでもないが、無かったようにも思う。なんだか雲行きがあやしい。

 旭川空港の脇から千代ヶ岡へ台地を登り、千代ヶ岡から更に国道237の向こうへ登ると、そこはもう美瑛の丘。

 愛別からいろいろと細道をつないできたが、日の出、東神楽、そして美瑛と、距離的にも効率は悪くないコースだったと思う。それに、今回も含めてここ数年の旭川盆地訪問では、道を選んで旭川盆地ならではの景色を楽しめている。手強い旭川盆地を攻略できたような気分がちょっと嬉しい。
▼動画1分4秒 西神楽から美瑛に乗り上げる

いよいよ美瑛の丘が登場 RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9
やはり程良い起伏が魅力的な美瑛 RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 アップダウンとイレギュラーなカーブで、居場所と方角の感覚が無くなってしまうのは、美瑛の丘では毎度のこと。曇りなので、去年のように鮮やかな夕焼けは無く、全体的に彩度もコントラストも低い穏やかな色調の景色に、眺め入るという気分にもならない。

低い雲が丘の隆起と呼応する RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 でも、これで十分だ。今年もここに来ることができたのである。
▼動画1分15秒 美瑛の丘

愛別から日の出経由で大村へ 赤は本日の経路
YHに到着 見渡す丘の眺め RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 17:45、大村「美瑛ポテトの丘YH」着。

 夕食は18時半。荷物を置いて、洗濯機に洗濯物をぶち込み、お風呂に入って汗を流してすっきりするぐらいの時間は十分にある。風呂に入ってから、もう自転車行程は明日1日だけ、洗濯してもしなくても変わらないことに気が付くが、何だかこの一連の行為が旅ならではの大切な時間のようにも思える。
 夕食は去年と同じく美味しくたっぷり、野菜も多くてバランスよく、食堂の雰囲気はちょっとしたレストランみたいに落ち着いていながら必要以上に上品すぎない。さすが人気の「美瑛ポテトの丘YH」、魅力的だ。
 しかしここまでの宿に無い違いは、お客さん、宿側とも同じような旅が好きだという何とない連帯感というか、YH独特の親しみやすい賑わいである。近年YHもお客さんが減ってきて、久しく味わっていなかったようなこの雰囲気。それはYHが強制ミーティングで面倒くさくなった頃以前の、とても懐かしく楽しい雰囲気であるようにも思う。何だか嬉しくなった。

記 2013/2/23

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Last Update 2020/3/20
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