北海道Tour12#9-1 2012/8/17 仁宇布→大村

仁宇布→(道道49)上幌内
(以下#9-2) →(道道60)下川
(以下#9-3) →(道道101)登和里→(道道61)朝日
(以下#9-4) →(市道)茂子利→(道道101)愛別
(以下#9-5) →(町道・農道・道道140・295)倉沼
→(町道・農道・道道37)東神楽→(町道)千代ヶ岡
→(町道)大村
 167km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 ファームイン・トントの食堂から眺める牧草地はまだ霧の中、景色が50mぐらい向こうで半分ぐらい霞んでいる。その辺りで早起きの羊たちが草を食べている。昨夜の美味しかったジンギスカンを思い出す。自分はいろいろな生き物たちの命を頂いて生きているのだから、一生懸命生きねば、と思う。
 今日はようやく晴れの予報だ。地面の霧は比較的濃いものの、空の中は何となく霧が薄いようにも見え、そして決定的に明るく眩しい。出発するまでに、または出発してからでも早い内にどこかで霧が晴れて、すかっとした青空の下を走れるのだろう。今日も含めて今回の旅程もあと2日。明日の朝は美瑛で迎えているはずだ。そのためには、今日も美瑛まで走りきらなければならない。夕食の時間にも余裕を持って間に合わせたい。

霧の牧草地 しかし上空には青空のニュアンスが伺える RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 天気は問題無さそうなので、今日はまず下川へ道道49と道道60へ足を向けることにする。3日前に不気味な程の山深さにびびりつつ通った区間である。しかも大きな熊の糞まで路上に落っこちていた。なるべく薄暗い日には通りたくない。一番熊が出そうな気がする美深松山峠から上幌内は、今日は下りで通過してしまえるのは助かる。しかし、路上を熊が横断しているのに出会ったら、事態はあまり変わらない。とにかく熊に出会わないように、と祈るだけ祈っておこう。
 出発前の止めどない妄想は、無責任で楽しい。しかし、そろそろ次の行動に入る必要がある。ウッドデッキのテラスから食堂に戻って朝食とする。こんなに早い時間に朝食を作って下さったお陰で、早朝の牧草地の景色をたっぷり楽しんで、お腹いっぱいで出発することができる。大変有り難い。

 食事中に霧が晴れ、青空が見え始めた。牧草地が朝の日差しに照らされ、草色が明るく眩しい程だ。

 6:10、ファームイン・トント発。まずは牧草地の中を、下りに任せてのんびり下る。

仁宇布から美深松山峠経由で上幌内へ 赤は本日の経路

 のんびりのつもりなのだが、脚を止めても意外な勢いで、そしてしばらく下り続けられる。

鋭い日差しが出てきて霧に虹が写る RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 ファームイン・トントまで、仁宇布の交差点からはけっこう登っていたのだ。
▼動画1分31秒 仁宇布 朝もやの牧草地を下る

 仁宇布からは道道49、標高差160mの美深松山峠へ。交差点近くの白樺林はすぐに茂みと森の中間ぐらいの荒れ地となり、その間を道が淡々と登ってゆく。霧が晴れた山々のシルエットの上に、ようやく朝日が姿を現していた。道は南東へ向かっていて、ほぼ正面から朝日がまぶしく、道にも反射してまるで照り焼きされているようだ。

 美深松山湿原への分岐を過ぎると、広くも狭くもなく森でも茂みでもない周囲の広がりは少しづつ狭くなり、谷間になって、道の斜度も次第に厳しくなっていく。

 

 最後のひと登りは北海道の峠にしては珍しく、斜度8%。淡々と登っているようでも、さすが美深松山峠だ。ちなみにこの峠、国土地理院地形図やルートラボの地図では、美深峠ということになっている。美深峠と言えば国道275の美深市と幌加内町茂志利の間の峠が思い浮かぶ。同じ名前の峠が2つも同じ美深市にあることになるが、あちらは国道だし、麓からの標高差だってあっちの方が上だ。でもまあしかし、天北峠だって別の国道に2箇所もあるのだ。美深市に美深峠が2つあっても構わないのかもしれない。

 などと考えつつ、峠の駐車場を横目に眺め、そのまま通過。さあ、上幌内への下りだ。

美深松山峠南側の展望 ほんの3日前に通ったばかりなのを思い出す RICOH GR DIGITAL 4 GR6.0mm1:1.9

 7時過ぎのイキタライロンニエ川沿い、谷底の森は薄暗く、その鬱蒼とした雰囲気はお昼前に通った3日前とは比較にならない。

美深松山峠から上幌内経由で幌内越峠へ 赤は本日の経路

 3日前は登り、今日は下りで一気に通過してしまうのが大変有り難いが、熊が路上にうろついていたらアウトだ。いや、うろついていそうな雰囲気が一杯なのだ。頼む、山の中に帰っていてくれ、熊達よ。茂みの中でも構わないぞ、と祈りつつ一気に下ってしまう。

 幸い半分ぐらい下って下手の深い森に入る前に、大型車が1台高速で通り過ぎていってくれた。これなら熊もきっと路上から引っ込んでしまうだろう。こんな時には大型車でも何でも、ほんとに有り難いものだ。

 

 何とか熊に出会わず、下りきって森から抜けたときにはほっとした。森から抜けたと言っても、谷間がやや拡がっただけで、辺りは相変わらず無人ではある。

記 2013/2/23

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Last Update 2020/3/20
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