塘路→(道道221他)阿歴内→(道道1128他)太田
(以下#3-2)
→(道道813)西円
(以下#3-3)
→(道道813・農道)奥行→(国道243)厚床
(以下#3-4)
→(農道・道道988)恵茶人→(道道142)新川
(以下#3-5)
→(道道123)厚岸
165km
RIDE WITH GPS
4時に起きると、周りが静かで窓の外も真っ暗。「今ここで2度寝したって困るのは自分だけなんだ。誰も怒る人はいない」などとつい思ってしまうが、出発準備をしていると4時半頃から外が明るくなってきて、その空が真っ青だと、途端に出発する気になってくる。人間の毎日には朝が必要なのだ、とつくづく思う。
天気予報では道内の広範囲が晴れ。宿の食堂からは、裏手の釧路湿原にまだ霧が立ち上るように漂っているのがよく見える。しかし、客のおやじが一人、出発準備しているわけでもなく、朝っぱらから誰かと話し込みたそうな雰囲気をむんむん発散させて時々こちらを伺っていた。忙しいこちらとしては、その半径10m以内であまり湿原に見入る余裕は無い。
そんなことより、昨日補給食のパンを仕入れていなかったために、出発準備中にパンを食べてパンが1個も無くなってしまった。走行中、最低1個、いや、2個はパンを常備しておきたいところだが、一方で出発前に何も食べないとすぐに走れなくなってしまう。背に腹は代えられない。
これから多分30km先の太田まで、何か店があった記憶は無い。もっと言えば、太田にも都合良く商店があったかどうか、覚えていない。なんとなくそれっぽいシルエットの建物は、あったような気もしないでもない。太田に店がなければ、その次は西円の小さなAコープだが、ここも今日営業しているかどうかはビミョーなところだ。結局、お昼頃到着予定の厚床のセイコーマートまで確実な店は無い今日のコースなのだった。そんなに長く、無補給で腹が持つとはとても思えない。つくづく昨日の鶴居でセイコーマートに寄っておくんだった。でも後悔しても、後の祭りである。
5:40、塘路「釧路湿原とうろYH」発。まずは去年と同じく塘路湖畔の道道221へ。
集落が切れると、牧草地、畑、森の緑と、鋭い朝日と濃い青の空、鮮やかで強烈な色彩の世界になった。
空気はまだそれでも寒いぐらいにきりっと涼しく、塘路湖からは部分的に湯気のような霧が立ち上っている。
早起きして北海道の夏の朝に求めるもの通りの、良い朝である。
阿歴内からは去年開発した農道へ。
熊登場の看板は去年見た記憶が無い。湖畔の湿地帯や高い茂みの道は人気が無く、明るくはあるものの早朝でもあり、何となく不気味さを感じる。
びくびくしつつ、ようやく現れた数少ない牧場にほっとして台地へ登ると、緑の丘陵が拡がった。
▼動画41秒 阿歴内の農道 丘の上
濃密に生い茂る命と地表の隆起を360°、自分の周囲に見渡す感覚は、北海道、それも特に根釧台地ならではのものだ。明るい光の中、重なって遠くへ続いて行く丘、牧草地と森の緑の世界に見入り、時々現れる地平線に目を奪われる。
▼展望220° 阿歴内の農道
谷間の国道272を渡り、そのまま対岸の丘陵へ登って農道へ。
時々丘を移りながら丘の背中を進む道からは、周囲の丘が良く見渡せる。今日は雲一つ無い晴れ。阿寒や摩周、知床の山々まで見渡せるのが凄い。阿寒も知床も、まさかこんなに離れた場所で見えるとは知らなかった。
間違いなく私的過去最大級の晴れにうきうきする。牧草地で放牧馬も遊んでいる。
遠景の山々は青く、輝く緑の丘、青い空。最高の風景だ。
道道1128に合流、まもなく太田の外れに入った。そのまま最短距離で太田を横断せず、地区中心(っぽい場所)へ。もしここに何か店があるのなら、何としても見逃して先へ進んでしまうわけにはいかない。
8:00、太田着。果たして道道14沿いに、Aコープの比較的大きな店舗と、自販機主体の商店を発見。ちょうどその時Aコープで、店員さんが店舗のシャッターを開け始めた。順当に考えるとまだ8時。明らかに営業時間前である。しかし、ダメもとでお願いしてみると、親切な店員さんにパンを売っていただけたのは非常に幸運だった。Aコープ偉い、と心から思った。
更に、近くの農業公園だったか何だかの公園っぽい広場で水洗便所まで発見。ありがたく用を足させていただいた。太田で旅程の懸案事項が一気に解決したことになる。これで何の心残りもなく午前中のハイライト、別寒辺牛湿原〜茶内原野へ向かえる。
記 2011/11/15
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