北海道Tour11#2-2 2011/8/12 下居辺→塘路

下居辺→(町道・道道496)居辺大橋→(町道・道道134)勇足
→(国道242)本別→(国道392)釧勝峠
(以上#2-1)
釧勝峠→(国道392)白糠
(以下#2-3) →(国道38他)大楽毛→(国道240)新野
→(道道952・666)中仁々志別→(道道243他)中幌呂
→(道道829)鶴居
(以下#2-4) →(村道)下久著呂→(道道1060他)塘路

179km  RIDE WITH GPS

釧勝峠からようやく二股到着目前 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 釧勝峠から二股経由で縫別へ 赤は本日の経路

 釧勝峠はトンネル峠だった。前に通ったのは1999年。周りが針葉樹の深い森だったということの他、トンネルの記憶は全く無かったが、建設年を見ると、前回も確実にトンネルを抜けていると思われる。

 でもトンネルを抜けた向こう側、廃道の旧道が併走して上から下ってくる光景に、何となく「これは見たことがあるかもしれない」という気はしてきた。事程左様に12年振りの道。記憶は曖昧だし、記憶から変わっている状況もこの先登場するかも知れない。

 タクタクベオベツ川に沿い、道は人気の無い森の中や川の畔をどんどん下り続ける。

 その峠区間が終わって集落が復活する二股辺りから車が増え、二股から川の名が茶路川となり谷間もやや拡がった。

拡がる谷間には穏当な牧草地 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 二股というと記憶が無いが、北進という地名が道ばたに登場。「そうだったそうだった」と、白糠線の日本一の赤字線の悪名と共に、その終着駅の名が記憶に蘇ってきた。時々白糠線の痕跡のコンクリート橋も、二股から先には現れる。

 二股から先、国道392はそう広くない谷間を、海岸の白糠へ標高差たった200mを36kmもかけて、いつまでもいつまでもだらだらと下ってゆく。

 

 直線基調の道は、時々アップダウンがある僅かな下り基調。しかし下るにつれアップダウンも少なくなり、僅かな下りが長く続くようになると、やや退屈な行程になってきた。道の周囲には丘と人気の無い森が続き、時々周りが開けて集落と畑が登場。先に進むと共に路上の車が少しずつ次第に増えてきた。
 これなら、今まで抱いていた国道392のやや大味な印象そのものだ。12年振りだった釧勝峠はなかなかいい雰囲気だったものの、やはり白糠側はひたすら長く、そう有り難いような道でもないのである。しかしまあ、今日はこれしか道が無いのだから仕方無い。

 

 美恵橋には、道東スーパー林道の分岐がある。2004年に今は無き留真温泉を早朝出発し、14時過ぎにようやくここ美恵橋に到着したときの安心感を、今でも鮮明に思い出すことができる。
 美恵橋の向こう側をのぞき込むと、道を覆うように茂みが深く生い茂っていた。2004年の段階でけっこう荒れ気味だった道東スーパー林道、近況がやや心配ではある。

 南上茶路では、確か以前通ったはずのあまり意味の無い高台登り返し込みの道を、より低い位置で迂回する位置に道が通っていた。隣の丘の中腹の道は、そう荒れている雰囲気でもなさそうだが、あまり車が通っている気配が感じられない。

 一方、こちらの道ができたてほやほやかと言えばそうでもない。むしろ国道特有の埃っぽさが満載だ。以前丘の途中まで登らされたあちらの道が、何らかの迂回措置だったのかもしれないが、もう覚えていない。

 上茶路では、隣の低山の茂みに道東自動車道をばしばし工事中だった。事前に地図で工事中だと知ってはいた。願わくば、途中に部分完成区間なんかがあったりして、同じく併行して計画中の国道274の代替として、工事区間全通まで一般道路として供用していただけていると、大変有り難いと思っていた。阿寒の谷間まで山2つ、直線距離でたったの約10km。ここに舗装道路が無いために、わざわざ海岸沿いの白糠まですごく大回りする上、国道38を20kmぐらい走らないといけない。しかし、目の前で工事中の道東自動車道は、トンネル掘削前だったり路盤すら出来ていなかったり、全然そんな段階ではないようだった。まだしばらく十勝→道東の道のりは長いのだろう。

 10:00、縫別着。
 前述の通りこの辺りには阿寒の谷間まで舗装道路が無いが、未舗装の道東第2期林道約40kmなら、ここ縫別から入り込むことができる。しかし、2005年に通ったことはある道だし、気が付くと今日もだいぶ、いや、すっごく暑くなってきた。昨日35℃だった十勝は、今日も35℃予報だった。一気に涼しくなるはずの釧路湿原以東はいざ知らず、この辺りで暑いのはそう不思議なことではない。熊の登場にびくびくしつつ、汗水垂らしてゴマフアブにたかられ山越え2回。しかも景色は終始開けることは無い。なんだかねえ。

縫別から白糠経由で中仁々志別へ 赤は本日の経路

 などとうじうじ考えつつ、元縫別小学校のコミュニティセンターで休憩する。元校庭の広場は谷間の茂みの中でこぢんまり、しかし程良く開放的だ。元校舎の木造建物も、広場で地元中高年ゲートボール団体が賑やかなのも、のどかで親しげ、微笑ましい景色である。工事関係っぽい事務所前の自販機で冷たい飲み物を一気飲みし、更にゲートボール広場で水をいただき、落ち着いて朝「山の湯温泉」で女将さんにいただいたおにぎりなどを美味しく頂くとする。それにしても暑い。

 縫別から白糠まで、まだまだ25km。

 更に車、特に大型車がやや増えてきていて、もともと抑揚のない地形に畑主体の抑揚のない景色が続いてはいるが、まあ国道にしちゃそこそこ以上にのんびり、考え直せばそう毛嫌いするような道ではないような気もする。

 時々現れる青標識の、白糠までの距離が次第に少なくなるのを楽しみに、淡々と脚を進めてゆく。辺りの景色が牧草地や畑から、白糠市街に変わり始めたところで、急に向かい風が吹き始めて急に涼しくなってきた。夏でも涼しい釧路太平洋岸の空気の中に入ったのだ。

 

 11:10、白糠着。町外れのセイコーマートで休憩する。ここまで緑の中の道ではあったが、変化に乏しく拡がりも無い景色はある意味砂漠のようでもあった。HotChefの豚丼が売り切れだったのはやや残念だが、いやいや人の営みのありがたさよ。集中的に食料や飲料をがつがつ補給しておく。
 店先の国道38には、次から次へと車が途絶えることがない。やはり圧倒的に交通量が多いのだった。幸い風は僅かに追い風方向なので、早めにちゃちゃっと通過して静かな内陸へ戻らねば。

 ツーリングマップルを見ると、10kmぐらい先の恋問に道の駅があり、「豚丼が人気」などと書いてある。豚丼は基本的には十勝名物とされている。釧路に近いこの地域の豚丼は、ちょっと唐突な気もする。しかし、この辺りの豚が大変美味しいことも、ワタクシは以前の訪問で知っている。そうか、豚丼が人気なのか、等と感心する前に、既に頭の中が豚丼一色になってしまっていた。豚丼がこんなに気になるのは、明らかにセイコーマートで豚丼が売り切れだからなのだが、これを心の支えにしてこの先国道38を進もう。前に進まねば。

記 2011/11/6

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Last Update 2020/3/20
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