宇津俣→(林道他)府殿→(市道他)山口→(国道405・市道)日和町
→(県道13)寺→(県道186他)直江津
(以上#3-1)
→(県道216)虫生岩戸→(久比岐自転車歩行車道
他)有間川→(県道269)横畑→(県道269)土口
(以上#3-2)
→(林道土口東線他)東蒲生田→(県道245)東飛山
(以上#3-3)
→(県道245)桂谷→(広域農道高倉線)高倉
(以下#3-5)
→(市道)下倉→(市道)能生
89km
東飛山からの下りは、往路の県道245を逆走することになるので、ところどころで集落の裏手や田んぼの脇道へ積極的に足を向けてみる。
一般的な国道や県道は、路盤をそれなり以上に強化するため、必然的に路面高さが周辺の地盤より少し高くなる傾向がある。しかし、細道はより路盤構造簡素なため、路面高さが田んぼの水面や農家の庭先により近い。つまり、景色や空間感覚が周りの景色に近い、いや、走っていて本当に景色と自分が一体化して、景色の中にいることができている実感が持てるのだ。
▼動画4分1秒 林道南葉山線入口から東飛山へ
瀬戸、さっき降りてきた東蒲生田と、下り基調の道を調子に乗ってどんどん通過。以前廃道撤退になってしまった花立峠から降りてきたはずの西蒲生田もあっけなくいつの間にか通り過ぎてしまい、記憶に残っていないのはちょっと残念だ。
▼動画1分32秒 瀬戸、西蒲生田
12:50、桂谷着。ここからまた隣の能生の谷間へ山越えである。
横山、東飛山と谷間ごとに景色良過ぎで立ち止まってばかりで、もうお昼過ぎ。できれば能生の次の谷間、一番奥の笹倉温泉に日帰りで入って見たかったが、この分だと糸魚川に着いたら真っ暗になってしまうだろう。それに次の山は既知ではあるものの、再訪してみたい場所がたくさんある。更にその向こうの谷間に向かう余裕は無いかもしれない。というより、能生に降りたらきっともういい時間になっているかもしれない。
まああまり先入観に囚われずに、その時点その時点で適切な判断をしないといけない。
ところでその山越えの道には問題があった。地図だとけっこう広めの道が山間をくねってはいるのだが、その道が稜線を渡る辺りで、いかにも建設途上っぽく途切れていたのだ、地図上では。麓から標高差約300mの稜線手前で途切れた道は、向こう側の山腹の少し先、経路を想像する余地があるぐらい先で再び復活、既知の道と離合していた。その既知の道には、そういえばそのときには消極的な通行止めっぽいバリケードが一つだけ立っていた気もする。果たしてこの、稜線からしばらく山腹を推移しそうな道はできているのか、できていたとしても雪は大丈夫なのか。途中撤退にならないか。
と悩みつつ、分岐の桂谷に着いたところでまた地元の人を発見。このチャンスを逃さず件の道を尋ねるが、「行けるんじゃないのー」とのこと。地元の方は、不便で不確実な道など最初から通らないし気にも掛けないのだろう。
まあしかし、確実に通れない訳じゃなければ行ってみよう。今日は残雪も少なそうだし。
下から眺めてちょっと引くぐらいの斜度の登り始めだった道は、すぐ緩急ある登りに移行。
▼動画10秒 広域農道高倉線
広目ながら閉鎖的で茂みやら杉やら単調だった道の周囲も、途中から谷間の景色が拡がって、意外にすぐ稜線を越える印象だ。
▼展望240° 広域農道高倉線 登り途上 だいぶ上の方 画像上でマウスをドラッグしてください
広域農道高倉線という看板も発見。高倉という地名は覚えている。過去2回訪れたことがある。これから向かいたい山越えの途中の、山肌に棚田が拡がった、能生の谷間に下りきるまでの区間で一番再訪が楽しみな集落だ。
鞍部では、もはや雪は茂みの影の中にちょっと残っていたぐらい。ここでも最後の桜が散りつつあって、山肌区間より空が拡がって明るい光の中、桜吹雪と新緑が鮮やかだ。なかなか気分がいい。
▼展望360° 広域農道高倉線 稜線近く 画像上でマウスをドラッグしてください
ちなみにこの段階で、とっくに地図未記載区間に入っている。未完成通行止めのおそれは完全に消えたと言っていい。もう安心だ。
▼展望360° 広域農道高倉線 稜線の向こう
だらっとした鞍部の登りが続いた後、稜線の向こうに一気に景色が拡がった。向こう側の山肌がかなり切り立っているのだ。
眼下には右手の日本海へ向かって下って行く谷が、新緑の里山となって続いていた。反対側には、こちらの稜線から下る山の塊が立ちはだかっている。その塊のこちらと水平な辺りに、山肌を巻いて越えて行く道を発見。行く手の道はここから開けた山肌を下っているようにしか見えないのだが、いや、しかしその先で見えなくなった辺りで山肌を登り返して、結局ここと同じぐらいまで登るみたいである。仕方ないのでだだっと下ってまたえっちらおっちら登り始める。
▼展望360° 広域農道高倉線 山腹のアップダウン
登り返しの途中では、さっき見えた海へ向かって下って行く斜面の棚田の端っこに、まっすぐにこちらへ登ってくる道が見え始めた。その景色には記憶があった。2005年、2006年に訪れた、仙納の集落を抜けて高倉林道と離合、更に高倉へ登って行く道である。田んぼの中にしちゃかなり凄まじい激坂だという記憶があったが、こんな高い場所で合流するのだ、なるほど登りが厳しいわけである。
記 2010/7/24