頸城の秋06 #2-3 2006/11/4 宇津俣→糸魚川

 

宇津俣→(県道301)柳島→(国道405)宮口
→(市道)川浦→(県道13他)高田 (以上#2-1)
→(県道199他)西矢内→(県道269)西横山
→(農道・林道)車路→(県道245)名立
(以上#2-2)
→(県道542 久比岐自転車歩行車道)浜徳合→(県道431)仙納
→(市道他)高倉→(市道他)谷内→(県道485)川詰
(以下#2-4) →(県道246他)西飛山→(県道246)能生
→(県道542 久比岐自転車歩行車道)梶屋敷→(国道8他)押上
   106km

名立から浜徳合経由で仙納・高倉へ 赤は本日の経路
激坂集落中村も秋の装い RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

 名立からはしばし久比岐自転車道で浜徳合へ。日本海からすぐに山が立ち上がるこの辺りだが、その一番海っぺりに国道8と、旧北陸本線であるこの久比岐自転車道が並んで張り付いている。久比岐自転車道は国道8沿いではあるが、二つの道の間には程良いレベル差があり、国道の慌ただしさとは無関係の落ち着いた道だ。

 広々と拡がる日本海。その色は、晴れの日本海らしい、ちょっとさらっとした明るい水色だ。太平洋の、いかにも熱くて粘度が高そうな暖色系の紺色ではない。思えばこの辺り、山も海も、東頸城辺りとは異なる、ちょっと独特の寂しく厳しい表情の景色が見られる。この雰囲気がが北陸っぽいと言うことなのかもしれない。

 13:00、浜徳合から再び内陸へ。去年来てとても印象的だった道の再訪だ。直江津からここまで久比岐自転車道なら、去年はのんびり走っても1時間だった。今日はようやくここまでたどり着いたという感がある。

 県道431は丘陵への取付から山肌の森、棚田の間をぐいぐい登り、徳合から江代、中村と、湾のような山肌に沿い、棚田や森の集落の間を抜けてゆく。

 集落の先で道は森に入り、森から抜けると再び谷間と山々の景色が拡がった。

 上下の棚田、前後の集落に包み込まれるような空間感覚は程良くこぢんまりとしていて、程良く里山の生活感を感じさせる。天気が薄曇りになり始めているのが少し残念だ。

 景色はのどかだが、登りは容赦無く続く。さっき高田から通ってきた山間の道でも思ったが、これだけ厳しい地形の地で、それでも集落は廃村となっていない。谷底から斜面を駆け上がる棚田も、意外にもまだ廃田とならずに人の手が入っている。

 ふと振り返ると、空の中、靄の向こうには日本海が感じられる。思えばこの辺り、意外に海が近く、昔から海岸に北陸本線が通っていたのだ。ひたすら山ばかりで、つい最近ほくほく線が開通した東頸城との、大きな違いだろう。

11 中村から高倉経由で川詰・溝尾へ 赤は本日の経路
21

 中村から仙納の集落へは、この手の細道県道にありがちな、前輪が浮くようなイレギュラーな坂道が続く。分岐も何だか間違いそうだが、こういうときには地図確認が足を付く口実になるので助かる。

 集落、真っ白な穂のススキ原、そして畑や田んぼと、見晴らしと景色の登場人物がくるくる変わる間に、いつの間にか近くの森が次第に赤みを帯びてきた。

高倉の棚田 RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4 13
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 明らかに海岸寄りやさっきの高田方面と較べて、紅葉が進んでいる。登って下ってばかりだが、標高自体はほんの300m程度だというのに。

次第に辺りは晩秋の装い ススキふさふさ RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4 13
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 ちょっと記憶もあやしい林道の分岐から分岐を伝って、更に高倉へ向けて遡り続ける。相変わらず入り組んだ山肌の集落、棚田、そして登り基調の道が続いた。▼動画3分43秒

 途中から空の向こうにいきなり大きな権現山、鉾ヶ岳、そして遠くの正面にスキー場のある火打山、一番奥に素晴らしく整ったシルエットの妙高山が姿を現す。

 こういう展望ポイントの全てで、τ.κさんがことごとく喜んでくれるのが幹事冥利に尽きる。

 高倉の集落から坂は更に一段と厳しく、道は細くなり、途中から路面はコンクリート舗装となって田んぼの端っこをするする登り始めた。

 この辺り、確か去年何度か道を間違った辺りだ。あやしそうな方向に進むのが正しいという記憶があるが、そんなことをつぶやいていると、τ.κさんがちょっと心配そうだ。

 さっきの高倉から、τ.κさんのGPSでも私のでも、画面から道は切れてしまっていたのだ。

高倉から矢内への裏道へ 秋の細道 RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4 13
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 杉林の中で細道のコンクリート路面は更に荒れ、きりもみ状態のような急つづら折れで下り始めた。何と無く景色に記憶があって、自分のHPの写真で見ている景色も時々現れるが、森やら茂みの中をのたうち回る細道に、もうあまりどこがどこやら確信が持てない。

 途中からコンクリート舗装すら切れてダートが始まると、不安が更に増す。私は去年ここを抜けているから、その事実だけで「道がある」と思えるが、τ.κさんはきっと心配だろう。「大丈夫かな」と後ろの方で声が聞こえる。でも、道の雰囲気には、何と無く記憶があった。確かこんな感じの、ブレーキが心配なほどのがたがた下りだったはずだ。

 何となく心配な、それでも何とかなるだろうという甘い観測で下り続けると、やがて唐突に民家の廃屋の影が見えた。無事に谷内到着である。と思うと同時に路面に舗装が復活。多少あやしい道だったが、予定通り下りきれて一安心。

記 2006/12/9

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Last Update 2007/7/16
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