宇津俣→(林道他)府殿→(市道他)山口→(国道405・市道)日和町
→(県道13)寺→(県道186他)直江津
(以上#3-1)
→(県道216)虫生岩戸→(久比岐自転車歩行車道
他)有間川→(県道269)横畑→(県道269)土口
(以下#3-3)
→(林道土口東線他)東蒲生田→(県道245)東飛山
(以下#3-4)
→(県道245)桂谷→(広域農道高倉線)高倉
(以下#3-5)
→(市道)下倉→(市道)能生
89km
9:20、直江津発。西頸城へ、まずは県道216で町中を抜ける。
陸地が狭くなって市街地が消え、虫生岩戸で県道216が国道8に合流。そこが久比岐自転車歩行車道の始まりである。
この久比岐自転車歩行車道、実際には県道542という県道番号の付いた道なのだが、ところどころで国道8の歩道を間借りしている。直江津側のこの辺りも、しばらく国道の歩道の白線の中が自転車道ということになっている。
▼展望240° 久比岐自転車歩行車道 谷浜 画像上でマウスをドラッグしてください
切り立った丘陵がすとんと海へ落ち込む日本海岸際。その裾に張り付く道は、明るい紺緑色の5月の海を常に眺めながら続く。
時々河口部で平野が少しだけ拡がって集落が現れると、そこには新緑の木々や草が元気に生い茂り、春も盛りを迎えていた。
▼動画1分10秒 久比岐自転車歩行車道 有間川へ
有間川から内陸へ向かう県道269へ。今日はこれからこの有間川の谷間、そして隣の名立の谷間の奥へ向かってみようと思っていた。
西頸城は今回で3回目だが、前2回とも狭い谷間を遡って現れる、意外な程の山深い景色に驚かされていた。いつかまとめてこの谷間遡上をこなさないといけない、とずっと考えていたが、今回はその未済の谷間2本を一気にやっつけようという魂胆だ。残雪と新緑の競演が期待でき、しかもこの晴天で気温も上々。これ以上のチャンスは考えにくい。
内陸に入ると、有間川の集落外れからとたんに道が狭くなった。狭い谷間には田圃が拡がり、水を張られたばかりの田圃では、農家の方が田植えで忙しそうに働いている。ちょうど一気に暖かくなったこの連休中ぐらいに、一気に田植えしてしまうのだろう。
そこいらじゅうでカエルの声も軽やかに、かなり好調そうだ。
▼動画2分19秒 県道269 大渕
▼展望360° 大渕 画像上でマウスをドラッグしてください
谷間を遡ると共に次第に狭くなっていた谷が、大渕の先で急に拡がった。いや、少し谷間が拡がって盆地っぽくなっただけなのだが、休耕田っぽい草原には草が芽生えて茂り始め、山の新緑と合わせて緑の谷間みたいになっている。一方景色の奥には、こちらの春の景色とは雰囲気が違う、残雪輝く巨大な山が控えていた。妙高山のすっきりしたシルエットとは異なる、どっしりした形の山である。
道を進むと共にあちこちで桜も登場。もはや終盤、葉桜状態で、最後の花吹雪が辺りに舞っていた。こういう状態では、景色を眺めてしまってつい足が停まり、なかなか進めない。
ところでこの先谷間を奥に進んでから横畑まで行ってから道を戻り、土口から丘を横断して、西側の東飛山の谷へ行こうと思っていた。しかし、地図には問題無さそうに書いてあるこの道が、本当に通れるかどうかはわからない。そこで地元の方に林道南葉山線の状況を聞いておく。というより、人を見つけたときに尋ねておかないと、後で戻ってきたときに人がいるかどうかわからないのである。
何人かに聞いてみると、通ったことがない人やきっぱり「多分ダメです」と言う人、逆に明快に「ああ、大丈夫です」とのことだったり。かなりあやふやだが、こういう時は行けそうな答えを信じてしまうものなのである。
谷間どん詰まりの横畑はそのすぐ奥。正面の谷間がどんどん狭くなり、少し先できゅっと折れ曲がっている、その辺りだろう。と思いながら進む矢内、皆口と、何とものどかな雰囲気の景色が続く。ここまでと同じように田圃や庭先には農家の方が働き始め、谷間は鮮やかな緑に彩られ始めていた。
最後の横畑でも、狭い広がりに平べったい田圃、辺りを囲むぽこぽこの丘、そして萱葺の民家。今時これだけ典型的な田舎も珍しいぐらい、絵に描いたような田舎の風景があった。
11:10、横畑一番奥の「くわどり湯ったり村」着。
谷間の里はここで一応終わりである。この先にも道は続いていて、大きなつづら折れで300mほど登り、そこで行き止まりになるようだ。そこまで登ってみるべきなのかもしれないが、まあこの季節、どこかで行き止まりになるかもしれない。それに春の里の楽しい景色もここでもう終わりなのだ。ハイリスクローリターンの寄り道より、今日は予定の行程を粛々とこなすことにしよう。
記 2010/7/24