塩山→(県道38・国道140)窪平
→(県道210)杣口→(杣口林道)柳平
(以上#1)
→(川上牧丘林道)大弛峠
(以上#2)
→(川上牧丘林道・村道)梓山
(以上#3)
→(県道68・林道梓山線)三国峠
(以上#4)
→(村道13)中津峡
(以上#5)
→(県道210)大黒→(林道金山志賀坂線)志賀坂峠
→(国道299)中寺尾→(県道72・国道299他)西武秩父 137km
中津峡の分岐には15:50到着。切り立った岩場からコンクリートで固められたトンネル抗口が飛び出す県道210への分岐はいつもながら物々しい表情で、行ってみたいのは山々なんですが、いかんせん時間が遅い。これから八丁峠まで1時間半はかかるだろう。例えば1時間半として、志賀坂峠へ下ったところで多分日没でしょう。その先は夜の国道299、交通量は少ないとはいえ国道ナイトランになってしまいます。もう少し中津川林道で急ぐんだった。
でも、八丁峠へ向かうなら、考え込んでいる時間はありません。10秒ぐらい考えましたが、折角ここまで来たのだ。西武秩父へ下ってしまうだけなら、多少時間が遅くなったっていいだろう。
というわけでトンネルの向こうへ。
しばらく、弊社GPSだとなかなか電波を拾いにくいぐらいの切り立った深い岩場の底に、神流川と県道210だけが続きます。
長い長い中津川林道の下りの後の登り返しは、えっちらおっちらの速度感覚がやはりしばらく慣れません。うーん、何でこんなに遅いんだろう。
しかし、切り立った真っ赤な岩場と生い茂る木々はまるで水墨画の景色みたいで、一方で午後の陽射しにかっと照らされてその色は鮮やか。さっきまでの中津川林道に劣らないこの道独特の世界をきょろきょろ眺めながら、楽しい登りが続きます。
トンネルを抜けると、上流側にも拘わらず、その向こうは急に谷間が開けてやや穏やかな山間の景色に。八丁峠の峠区間までしばらく続く日窒の鉱山施設も現れ始めます。
すれ違いが不可能な程狭く、ろくな明かりもなく、しかも登りの雁掛隧道を抜けると、いよいよ山肌に張り付く工場が登場。
緩急はありますが、ぐいぐい高度を上げる道には、続いて有名なゴーストタウンが次々姿を現します。
何だか寂しげなその佇まいに、まだ暗くならないうちで良かった、という気になります。
途中で道の名前が県道210から林道金山志賀坂線に変わり、最後のゴーストタウン集落(?)を通過、峠区間へ突入します。
峠区間の斜度はやや優し目。ここまでの日窒施設沿道の方がよほど坂の厳しい印象があります。
気が付いて時計を見ると、まだ16時半過ぎ。八丁トンネルまで登っても、さっきの中津峡分岐から多分1時間ちょっとでしょう。意外な嬉しい誤算でしたがここから安心ツーリングに移行したのでした。
登り区間の最後には、日窒施設の総決算、お馴染み廃(?)鉱山が眼前間近に現れます。10年以上前はこの急斜面に掘削重機やダンプがたむろしていて、唖然とさせられましたが、今では各段々も草生し、夢の跡という雰囲気になっています。
それはいかにもこの山間の夕方らしい景色です。
17:10、八丁トンネル到着。こちら側のトンネル周辺は狭くてとりつく島がありません。というわけで、いつものように中から溜まった霧(?)が外へ吹き出してあやしげなムードの八丁トンネルを抜けてしまいます。
トンネルの向こうは切り立った急斜面。トンネルから抜けると、まるで空の中へ放り出されるように道が張り付いています。
夕方の空の中には、双子山の異形のシルエットが淡いモノトーンで浮かんでいます。
もうこの先は、小鹿野の先まで20数kmずっと下り。少し休憩しておもむろに志賀坂峠へ下り始めます。
稜線を辿って、先っぽで折り返して山肌へ。ジェットコースター度の高いくねくね激下りがしばらく続き、ふと気がつくとさっきの八丁トンネルがもう見上げる位置に。
標高差500mを下りきって、まだ志賀坂峠。未だ開ける谷間の展望に、もういい加減谷底に下ってしまいたいですが、つづら折れはしばらく続きます。
夕闇迫る国道299を、小鹿野へ向けてどんどん下り続けます。小鹿野の先でとっぷり日が暮れますが、もうあとは西武秩父まで時間の問題。
到着目前で曲がる道を間違え、やや迷走しましたが、西武秩父には19時10分到着。毎度のことですが山梨県から長野県、埼玉県を群馬県目前まで回り道した長い1日、今年も楽しく終了です。
到着時刻がやや延着気味なのが少し残念でしたが、デジカメ撮影枚数は遂に530枚以上。まあこういう枚数濫造気味の傾向も毎度のことではあります。
記 2009/12/31