北海道Tour06 #2-3
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(以上#2-2) |
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丘の上は再び畑・牧草地と防風林の世界で、明倫からは直角に方向を変えて道道503で北上開始。今日はこのまま十勝北部の士幌、下居辺温泉まで北上を続けることになる。
台地の稜線上を進む静かな1本道からは、周囲の畑、周辺の丘陵が良く見渡せる。
早くも赤い色が目立ち始めた日差しに照らされて、手入れの良さそうな畑は雰囲気がいい。
それに丘の上らしく適度に起伏のある地形で、風景にも変化がある。
北の幕別に向けて下って行くこの辺りの丘は、2004年にももう少し西側を通ったが、今日の景色とよく似たのんびりした景色が印象的だった。
この辺りはこういう楽しい景色の道が多いのかもしれない。
しばらく丘の畑が続いた後、新田牧場の辺りで、道は何段かの段丘の森を、台地から十勝川沿いの幕別へ降り始めた。
新和・猿別と、緩やかな下りに意外なぶ厚さの茂みが続く。
今までの開けた道とは違う、なかなか退屈しないい田舎道だ。
16:15、幕別着。途中のセイコーマート休憩を挟み、国道38から242へ。
16:50、池田到着。今度は先日廃止された旧ちほく高原鉄道沿いに北上が続く。十勝から北見へ抜けるこの谷間の幹線道路は国道242だが、その国道242は利別川の対岸側。こちら側の道道237は、牧草地の続く静かな道である。
もう16時過ぎ。そろそろ景色は赤くなり始め、風はだいぶ涼しくなっている。
影が長くなり始めた牧草地のロールを眺めながら、様舞・近牛・高島と、静かな道をのんびり流すのがなかなか楽しい。しかも、ここへ来て風が追い風気味なのが助かる。
高島からは束の間の我慢、国道242の第2高島橋へ。
17:20、いよいよ最後の道道496、下居辺への道へ入り込む。初めて通る道と思っていたが、実はこの道、1999年に通ったことがあったのを、景色で思い出した。
あまり広くない谷間ではあるが、傾斜の緩い平地には、常盤・下居辺と農地・小集落が途切れずに続く。
もう宿まであと数km。夕方ですっかり風が涼しくなった緩い登りの田舎道を、もうのろのろの超のんびりで進む。
思えば朝の出発時、今年の行程はどうなることかと思ったぐらいのしつこそうな雨だったが、走ってみれば熱中症が心配なぐらいの晴れ時々くもりだった。今後も諦めずに頑張って走ろう。
18:15、「山の湯温泉 清渓園」到着。田舎温泉風の私好みの宿だ。鄙びた宿が、パークゴルフ場の白樺並木の向こうに建っていて、そのギャップが面白い。
到着すると、風呂の後すぐに夕食だということになった。荷物を置きに行った部屋の中は、かなり蒸し暑い。ここ数日の暑さで建物に籠った熱気が、もともと通風の悪い建物で外に出ていかないのだろう。2年前に泊まった、ここから比較的近い留真温泉もそうだったが、北海度の民宿や旅館の造りは大体こうなのだ。
以前の経験を活かし、風呂と食事の間は網戸にして扇風機を回し、部屋の空気を全部外気と入れ替えることにした。どうせ客は少ないのだ、扉も廊下へ開けっ放しだ。
宿の値段の割に、食事はなかなか充実していてオイシイ。手描きのお品書きが付いていて、オリジナルキャラらしい緑のカエルのワンポイントがやはり手書きで描かれていた。そういえば風呂場にも部屋にも手書きの案内があり、部屋の案内には
「なんとなく なにげなく 過ぎてゆく時間 ゆっくりと ゆったりと お過ごし下さい」
と描かれていて、なかなか楽しい。きっとさっき部屋へ案内してくれた、可愛らしい娘さんか若女将さんかの作だろうと思われる。
夕食後、ロビーでビールを飲んで涼んでいると、その娘さんのお友達らしい別の娘さんが、日帰り入浴客として登場。ロビーにいたおじいさんが「奥にいるよ」と答えていた。どうやらこのように、徹底的に家族で営業している温泉宿のようである。
20時半、さあいよいよ寝ようという段階になって、突如奥で大騒ぎが勃発。どうも夕食前、夕方に灯りをつけて開けっ放しにしておいたどこかのおばさんの客室で、虫が大量に入り込んでとんでもないことになっていたらしい。最終的には殺虫剤と掃除機でかなりやかましかったが、それでもしばらく寝られる状態ではなかったような。
記 2006/9/3