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10:50、広尾着。セイコーマートで補給にする。涼しい海岸沿いから高台の広尾の町に上がると、もちろん霧は跡形もなく完全に晴れ、まあ予想通りに気温は恐ろしく上がっていた。
あまり長居しないようにと思っても、すぐ時間が経ってしまい、11:20、広尾発。
町外れで国道336はまたもや通行止めになっていて、大規模に舗装工事を行っていた。今回は最初からここで道道1037に入り込む予定だったので、とりあえず関係は無い。
十勝平野の一番海寄りの道、道道1037では、今まで海と岩とコンクリートのスノーシェッドだけだった周囲が、一気に輝く緑に変わった。牧草地、森林、川、程良いアップダウンと風景がころころ変わって楽しく、ギーギーとエゾゼミの声も目新しい。前回広尾方面から十勝へ向かったのは98年春だったが、その時にはまだこの道道1037はできていなかったはずだ。
特に途中で野塚川、紋別川を河口近くで渡るが、鬱蒼とした川原の森に澄んだ水、去年の水害の痕跡も所々で見られ、なかなか見物だった。川で右側の森が切れると、かなり近くに今まで意識していなかった太平洋も見えて、改めて地図を思い出す。
国道336、通称ナウマン道路でも、芽武の牧草地、美成までの湿地帯と森林等、ナウマン道路のナウマン道路らしい雰囲気が集中的に入れ替わる区間で、短い経由だったがなかなか楽しめた。
道道657も牧草地と森の丘陵を抜ける道だったが、そろそろ十勝の内陸に入りつつあり、ちょっとした日陰ぐらいではどうしようもないほど暑くなってきていた。
13:20、忠類着。そのまま今度は道道15で、一目散に北上、池田の少し西の幕別を目指す。
しばらく続く谷間の森林は涼しく、登り基調ではあったが随分助かったように思う。しかし、10kmほど進んだ駒畠手前でピークを過ぎてから十勝の農村風景が拡がると、再び暑くて仕方無くなった。まず確実に32、3℃ぐらいあるだろうと思っていたら、この日帯広では34℃を越えたとのこと。
じりじりと暑くはあったが、十勝らしい防風林のグリッドに囲まれた小麦、ジャガイモ、甜菜、トウキビ等の野菜畑、そして牧草地と、ただでさえ風景は表情豊かで、強烈な太陽光線の中で強烈になった色彩のコントラストは高く、ぼんやりとした頭で印象的な風景の中をだらだらと下っていった。
前方に現れた幕別の町で国道38に合流。すぐに国道242に分岐し、十勝川を渡って15:50、利別着。池田にはセイコーマートが無いので、明日のおにぎりを仕入れ、いろいろ補給を行う。水を500ml程一気飲みしたら、汗が一気に吹き出てきた。まだ国道周辺は暑かったが、これでだいぶ頭がはっきりしてきたと思う。
16:20、利別発。
池田からは道道236に移り、そろそろ赤い光に染まり始めた畑の中を進む。あまり広くない谷間はもう涼しい風が吹き始めていて、だいぶ身体が楽になっていた。
道道974へ入ると、留真へのダート峠越えになる。ダートに入ると、昨日の道道ダートと同じくしつっこいゴマフアブが大量に寄ってくる。
あまりに多いゴマフアブに、止まられたぐらいではあまり気にならなくなったぐらいのところでようやく峠を越え、あとはそのまま下りきる。
2001年に浦幌から遡った道道56から看板の通りに道道947に入り込み、18:15、留真温泉着。前回通ったときには、まさかこんな山奥の温泉なんか泊まる機会はないだろうと考えたものだったが、何しろ明日は道東スーパー林道なのだ。留真温泉の入口から始まって奥へと続くダートと、「道東林道」の看板を眺めながら、ちょっと緊張した。
汗で全身べとべとだったが、到着したらとりあえず食事にしてくれとのことで、まず夕食を先行。食事は骨付きソーセージ、野菜等、十勝オールスターズ。なかなかいける。有名らしいトマトのフライも食べることができた。
温泉は湯加減程々、泉質は硫黄臭漂うぬるぬるで、洗い流しのお湯もぬるぬる。シャンプーが落ちたかどうか全くわからない。その後部屋で寝ようとしたが、このところの暑さのせいか室内がとにかくやたらと暑い。この辺は普段は夏でも寒いぐらいなので、あまり風通しのことなんか考えて建物を造っていないのだ。仕方ないので、一つだけ倉庫に残っていた埃だらけの扇風機を借りて寝た。
記 2004.8/21