2003.11/3 ランドナーOFF13th 阿武隈 #1 |
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ウッディハウスとうわ→(県道40)太田 |
目が覚めてから何度か寝直したが、朝食を7時からお願いしているので、いい加減に6:00起き出す。窓の外に、ほわんとした淡い空と、出てきたばかりの陽射し、それに里山に囲まれた風景が見えた。
しばらく宿の中や外をうろうろして過ごした後、30分ぐらい経ってみんなが何故か一斉に起き出したタイミングを逃さず、誰かの寝床の奥にあった荷物から1/5万を取り出し、今日のコースをチェック。
昨日の宴会では、予定のコースが果たして適切かどうか、ボリューム的に多すぎるのではないか、という意見が多数出ていた。
実をいうと、一昨日に昨日と溜まってしまった疲れが抜けていない。それ以上に、昨日阿武隈を少しかすめてみて、当初のコースに多少不安を感じ始めていた。
不安の原因は細かいアップダウンと、想像以上に早くなっている夕暮れだ。坂の数だけ見ると行って行けそうにないことはない。特に今回のメンバーは、誰か心配という人が全くいないのが心強い。等と考えている自分が一番心配なぐらいだ。
いわき市までの予定コースを全部こなし、時間的に14時台に着けるかというと疑問だが、16時台にはまず着くことは十分可能だろう。ただ、それだともう少し早く東京に帰りたいという気もしないでもない。
なにしろ14時半を過ぎると、もうそこいらの景色が真っ赤っかなのである。途中でメカトラが何回かあったら、たちまちナイトランになってしまうだろう。
自分としては、昨夜も疲れがとれなかったように思える。腿の中に、まだだるさがかなり残っていた。ふと鏡を見ると、顔が異常にむくんでいてぎょっとした。疲れか、昨日食べたラーメンの塩分か、田舎道の野草の影響か。おそらくその全てだろう。
その上、昨夜の食事の後、デジカメ大会で見たみんなの写真が目に焼き付いて離れない。それは田圃や畑、農村を縫い、狭い川沿いの谷間や森の中を抜ける、迷路のような細道だった。「どこどこへ向かう」ということに拘っていると、そういう道を見逃してしまうのではないか。
そういう気で地図を眺めると、前半に丘陵のアップダウン、後半は下る一方の高瀬川渓谷で浪江終着、というコースがまるで準備されていたようにすぐにつながった。朝食でそのコースを発表すると、幸い誰からも文句は無いようだった。
朝食後、みんな旅慣れていて準備が早いのが素晴らしい。8:10、ウッディハウスとうわ発。ここでHiSさんとてんてんさんが離脱。
太田、下田、不川田と里山と農村が断続する。紅葉、丸坊主の田圃、赤い柿、秋の田舎道の全ての要素が、次から次へ登場する。そんな風景の中、道は頻繁にアップダウンを繰り返す。集落の中を通っていた道が裏山の林をきりきりっと登り始め、登ったところがまた別の集落だったり、あるいは棚田の中の緩い登り下りだったり。
県道ぐらいの道をつないで行くと、道は広くなったり狭くなったり、新しい道ができている箇所も何ヶ所かある。そういえば昨夜は、曲がらないといけない細道を見落として、拡幅された別ルートを行き過ぎ、注意深くGPSを眺めていたτ.κさんが「ここちがうんじゃない」なんてこともあったのだ。
丘陵の中にふと谷間の平地が開けたり、その中心の川に沿った道では、下っているのに谷間がいきなり狭くなって丘陵になったり。幹線道路が丘を越えたり、集落間の細道みたいなのが谷間に張り付いていたりする。
普通の土地で見られる山・谷・平野という序列からは考えられない展開で、風景は次々変わってゆく。拡がりは感じられないが、コンテクストが読めない地形がとても面白い。こういう地形は阿武隈の特徴なのか。
田圃が拡がった谷間を下ると、谷は道1本しかないぐらいに狭くなった。しばらく木々の中を抜ける狭い道がくねくねと続き、やがて再び少し拡がった谷間に町が寄り集まったような堂内に到着。すずさんwakaさんが昨日立ち寄ったという、「町」という町の外れ、集会所の脇のちょっとした広場で休憩する。
想定よりも順調なペースだ。このまま順調に行けば、当初のいわきコースでも大丈夫じゃないか、とも思えるが、ここでしばらくコースを確認。地図を広げていると、みんなが集まってくる。
気が付くと、出発時に雲一つ無かったはずの空が、いつの間にかすっかり雲に覆われていた。9:40、町発。
紅葉の里山に続く迷路のような細道を登って下り、10:30、根岸着。ここでさんぽさんとすずさんwakaさんが離脱。
空の雲はそう低くはなさそうだったが、何と無く空の色が暗くなってきた。意識し始めるぐらいに風も吹きはじめて、比較的開けた県道50の風景が、薄ら寒く感じられる。
しばらく登り坂が続いた。少し冷たさを感じる向かい風の中、門岡さんがぐいぐい力強く先行するのはさすがである。
峠部分というか船曳町と葛尾村の境、最高地点は標高600m強。「これが福島県の浜通りと中通りの境でしょう。ここからはほとんど全部下りです」と門岡さん。いい加減そろそろ疲れた脚は売り切れ気味で、心の中で「助かった」と思う。何と門岡さんは今日のコースの大部分を昨日走ってしまったとのこと。すいません。
記 2003.12/1
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Last Update 2003.11/30