越後湯沢→(県道351・国道17・町道)石打 |
高島からは、私の頸城ツーリングの定番コースをそのまま今回も行く。
まだ十日町市ではあるが、急斜面に張り付いた細いくねくね坂道、見下ろす棚田、谷間を遡り、一番上に集落の鉢へ向かう道はいかにも頸城の道らしい。
10:50、鉢到着。1日の一番暑い時間帯に突入していた。万屋で冷たい缶茶を飲んで、小休止する。
去年の「頸城の秋」でくずてつさんが書いていた、「鉢の石仏」に寄ることにした。集落の一番奥に「石仏」はあった。鬱蒼とした木立の中、ちょっとした広がりに小さな仏像と石碑が立っている。緑色の光の中、木陰に溜まった空気が何とも涼しい。
そのまま集落に戻り、中手トンネルへと向かう。近くへ行かないとわからないぐらい小さな孔口が集落上手に空いているその中へ進むと、今までの暑さが嘘のように冷んやりと湿った空気が溜まっていた。
頸城へのタイムトンネルのような中手トンネルを抜け、中手・中平・名ヶ山と、海老まで一昨年秋に通った道をそのままトレースする。98年秋にもこの道を通っているので今回で3回目ということになるが、夏に来るのは初めてだ。生い茂った木々や草が、道の表情をがらっと変えていた。
道ばたではキリギリスがいよいよやかましく、夕方でもないのになぜかヒグラシが大合唱しているのも山の中らしい。
海老の外れ、丘陵を見渡す広場で一休みする。
そろそろ腹が減ってきていた。おにぎりを食べながら谷間を見渡す。以前2度見ているはずの、緩やかな摺鉢状になっているはずの地形は、木々のボリュームが増えていて全くわからなくなっている。
11:40、海老発。そのまま赤倉・五十子平・藤倉と、既知の道を進む。
棚田・畑、風格ある構えの農家、杉の木立、いかにも頸城らしい風景の中、細道はアップダウンを繰り返しながら進む。勢い良く生い茂った草や木の緑、ボリュームのある白い雲の切れ間に見える青空、景色のコントラストが高いのが夏らしい。
雲の多い空には太陽が現れたり隠れたりしていたが、どっちにしても蒸し暑い。陽差しから隠れる木陰が無い坂の途中などでは、写真を口実に足を着いて水を飲んだり周囲を見回してみたり、もはやなるべく疲れないのが最優先だ。
天水島から国道405に合流、深坂・野々海峠から続く尾根へ向かう。集落を抜け、山の中のくねくね細道を登り詰めて尾根へたどり着くと、向こう側の空の下に信濃川の平地が拡がっているのが見えた。
13:20、国道405から、今度は尾根道に乗り換える。ここ2年の頸城OFFでたどり着けていない深坂峠、野々海峠に向かうのだ。多少雲はあるようだが、今日はなんだか大丈夫そうに思える。
最初つづら折れで少しだけ標高を上げた後、やや緩い坂が続く。茂みに囲まれた空が開けた道、木陰の多い道がかわるがわる現れる尾根道からは、時々津南の河岸段丘の展望が開けた。やはり写真を口実に、これ幸いと休ませてもらう。標高は600mを越え、涼しい風が吹き始めてはいたが、いかんせん身体のだるさはこんなもんじゃ抜けないようだった。
山伏山を回り込むと斜度がやや急になり、今までと反対側の北側斜面を進むようになった。空の雲は急に増え、だんだん辺りが薄暗くなってきた。雨の心配こそ無さそうだったが、おそらく北から進んできた雲が信越国境の山々で止まっているのだろう。
更に進んだ大厳寺への分岐では、何と通行止めの標識が立っている。が、ゲートというか簡単なバリケードには、車が通れるぐらいのスペースは空けてある。深坂峠まであと2km強ぐらい、ここまで来たのだ。とりあえず行けるところまで行こう。
今まで道の両側に木々が絶えなかったのに、いつの間にか道は切り立った急斜面に張り付いていて、周囲の木々も無く空中の開けた区間が始まっていた。この辺からの東頚城丘陵の展望はかなり凄いはずである、周囲が真っ白なほど押し寄せる雲さえ無ければ。これだけ雲が多いと期待していたはずの風景は全く見えないが、さすがに気温が少し下がったのはありがたい。
その雲も、道が尾根を巻いたところで何故か一気に少なくなった。展望はまだ遮られていたが、少なくとも奥の方、尾根道の行く手までは全く遮る物がない。
記 2003.7/31
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Last Update 2003.9/23