越後湯沢→(県道351・国道17・町道)石打 |
5:08、通称「画期的な八高線」で箱根ヶ崎を出発。何がどう画期的かというと、これに乗って高麗川で乗り換えると、高崎着は6:47。何と始発新幹線より早いのだ。ちなみに高崎線の始発電車が高碕に着くのよりも早いので、群馬県方面へ行くときには重宝する列車だ。1時間以上まるまる寝ることもできる。
高碕で早朝だけ売っている「朝がゆ」と、有名な「鳥めし」を買い込んで、7:00に上越新幹線の始発に乗り、越後湯沢着は7:25。越後湯沢までたった25分。毎度のことながら、ちょっと感覚が狂いそうになるぐらいに速い。昔の上越線特急からは考えられない。
新幹線の速度が落ちて、大清水トンネルを抜けると、上空には凄い色の青空と元気が良さそうな白い雲が浮かんでいた。典型的な夏空である。日なたの山が原色の緑になっていて、日陰は藍色のシルエットになっている。逆光の谷間がまぶしい。
一目で梅雨が明けたということがわかった。
7:40、越後湯沢発。日なたに出ると異常に蒸し暑い。日陰や風はけっこう涼しいので、谷間には涼しい空気が溜まっているのではないか。と期待する。
道ばたの草むらではキリギリスが鳴き、空にはトンボの姿が見えた。夏のツーリングを実感する。来て良かった。
国道17から石打のスキー旅館街を抜け、国道353で十二峠へ向かう。国道353国道17より段違いに狭い静かな道だ。
上越線をアンダークロスしてすぐに登り区間が始まった。日陰の少ない丘陵区間はともかく、谷間の1本道に入ってもかなり蒸し暑い。魚沼地方の夏の蒸し暑さを思い知らされる。
周囲の森の中では、ニイニイゼミやアブラゼミ、ミンミンゼミなどが賑やかだ。暑くてあまり身体が動いてくれないが、それでも覆道の奥に十二峠トンネルが見え出す辺りまで登ると、明らかに風が涼しくなってきた。そんなに登っていないのに、ありがたい。
冷んやりした十二峠トンネルを抜け、8:30、十二峠から県道560、魚沼スカイラインへ入る。頸城関係者でこの道を悪く言う人がいない。長いこと行ってみたかった道だ。
杉・広葉樹林・棚田の間、8%ぐらいの坂がしばらく続く。狭い道には木陰が多く、時々吹く涼しい風は気持ちいい。しかし、雲の間から時々現れる陽差しは更に勢いを増していた。身体は全然言うことを聞かず、普段にも増して全然ペースが出ない。が、まだ8時台。この後はこんなもんじゃないはずだ。
振り返ると、白い雲の下、太陽に照らされて、上越国境方面の山々が奥の方へと続いてゆくのが見えた。標高が上がったからか、いつの間にかエゾゼミの声が聞こえるようになっていた。
土倉の集落を横目に眺め、つづら折れを過ぎて最後の尾根を巻くと、休憩所に到着。標高約900m、越後湯沢からは約600m。なんだか今日はぼろぼろだが、一発目の登り区間はとりあえず終了。そのまま通過し、栃窪峠まで向かう。
朝露の残りか夕べに雨が降ったのか、木陰の下り道はじっとりニュアンスの良くない濡れ方で、これ幸いとゆっくり下る。路面にはセミの幼虫が羽化場所を探してうろうろしたりしていた。夏だと言うので一斉に出てきたのかもしれない。
下りが落ち着くと、魚沼丘陵の展望が拡がった。広い谷間一杯に拡がる田圃が、700〜500mぐらいの標高差で見下ろせるのだ。右手奥には平野部の田圃が谷間の奥へと続いている。多分清水峠への谷間だろうと思った。途中には反対側の十日町方面へ視界が開ける展望台もあり、まさに「スカイライン」の名前がふさわしい。
下側にも上にも視界が開けた道の真っ青な空の中には、オニヤンマがうようよ飛んでいる。大群と言ってもいいかもしれない。時々目の前で止まって併走してきたりして、黒と黄色の身体に緑の目玉をじっくり観察できるのが楽しい。向こうもこっちを観察しているのだろう。
9:40、栃窪峠発。何度ものつづら折れで一気に高度を下げ、辰ヶ平で谷間に降り、集落の中の道が始まる。木々の多い斜面の集落の中を下り続けるうちに、谷間は少しづつ広がり、田圃の中を十日町の信濃川の平野に下りきる。
記 2003.7/31
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Last Update 2003.10/9