北海道Tour02 #2
2001.8/10 音更→養老牛温泉

下士幌→(道道73)鈴蘭公園
→(国道241)帯広
10km

標茶→(道道13)虹別
→(農道・道道885)養老牛
→(道道150・505)養老牛温泉
44km

養老牛温泉

養老牛

虹別

標茶

留真

池田

帯広

下士幌 


 今日はあの道東スーパー林道へ行く日だ。池田→留真経由のアプローチなので、5:00か5:30には出たいところだ。
 起きてみると、4:30。もういい時間だ。同室者を起こさないよう、荷物を持ってロビーで荷造りすることにする。東京の熱帯夜が信じられないほど寒い。昨日は1日中上着を羽織っていたが、今日も上着を着っぱなしになりそうだ。昨日から天気は心配ではあったが、ロビーから眺める外の空は、早朝のせいもあるが、どんよりした冴えない曇り。宿の外には水たまりはあるが、とりあえず出発はできそうだ。

 そんな目論見を余所に、荷造りしている最中雨が降ってきた。
 どうも本降りのようで、待っても止む気配がない。この雨が続くとすると、ダートが約68kmも続く道東スーパー林道へ足を向けるのは危険だ。そもそも、今日は道東まで行かないといけない。比較的開けている十勝平野でこれだけ雨だと、どの道を通っても雨は強くなるばかりだろう。
 あまり迷わずに、道東までの輪行移動を決めた。

 となると、6:20に20km以上離れた池田から普通列車が出発する。地図ではすぐ近くに見える帯広だと、9時過ぎの特急まで待たないと釧路へ行く列車は無い。
 ぱっと見ると悩ましいようではあるが、どっちにしてももう道東スーパー林道へ行けないのだ。車の多い国道38なんて走ってもしょうがないので、道東まで輪行するなら最低限釧路へ行くことになってしまう。もっと言うと、釧路へ行っても天気は悪そうなので、標茶か摩周辺りまで輪行する必要がある。
 それなら、あまり先を急いでも宿に早く着きすぎてしまい、意味は無い。より濡れなくて済みそうな帯広行きに決めた。

 雨が弱まったタイミングを見て、5:45、北帯広YH発。帯広なら特急は9時過ぎなので、もう少しYHでうだうだしていても良かったが、なんとなく気が急いていた。宿から出たら急に雨が上がるんじゃないか、等という根拠の無い甘い希望もあった。
 荷物を積んでいる最中、トップチューブに大きな凹みを発見。多分昨日の転倒時のものだろう。乗るのには問題無いと思うが、これで一気にやる気がなくなった。

 走り出すと、雨が弱まったと思ったのは錯覚だったということがよくわかった。黙って帯広に向かうしかない。
 自転車のダメージ、自分の怪我、雨、道東スーパー林道、みんなそう大したことはないようではある。でも、何か気持ちはぼろぼろである。

 雨の十勝平野の風景の中を、タイヤを滑らせないように注意して帯広へ向かう。台地から音更川の河岸段丘を下ると、周囲は急に新興住宅地っぽくなった。大きな十勝大橋も見える。あれを渡って帯広へ向かうのだと思った。
 6:10、帯広着。駅前には3人ほどチャリダーが寝袋にくるまっていた。
 早速輪行作業を開始するが、時間があって気合いが入らないと、これ程輪行に時間が掛かる物なのか、というのが自分でもおかしい。まあ寒くて動作がのろくなっているせいもある。

 池田行きの普通列車でうとうとしながらとりあえず池田へ向かい、池田から特急でも居眠りして釧路に着いた。全道が雨か曇りだと、当然のように釧路は霧に包まれている。もう選択の余地は無く、養老牛まで最短コースを取るべく、標茶へ向かった。
 標茶へ向かう途中、それでも悪あがきで地図を見ていると、塘呂から面白そうな林道が延びているのを見つけた。降りようと思うと突然雨が降ってきた。こんなのツーリングじゃない。それに寒い。身体は何か固まっているようであり、標茶で降りて本当に走れるのか、等と思った。
 まあそれでも標茶に着いて、10年振りぐらいに駅前で自転車を組み立てる。思えば前回来たのは91年の冬だった。標茶駅の駅前は当時とあまり変わらないようではあるが、「道東鉄道発祥の地」等と駅名板の上に書かれているのが目新しい。
 自転車を組んでいると、また雨が降ってきた。うんざりして、雨宿りと昼食のために近所のセイコーマートへ向かう。

 セイコーマートではもう一人、学生チャリダーっぽい人が雨宿りをしていた。コンビニサラダやパンで食事しながらお話しする。11日間いて晴れたのは3日だけだ、とぼやいていた。これからの旅程への不安が現実になっていくような気がした。しかし、道東は明日は晴れるらしい、とも言っていた。

 13:45、標茶発。なんか雨っぽいので、標茶→虹別→養老牛という最短コースを行くことにした。既知のコースなので目新しさは無いが、これなら養老牛までは大好きな道道885〜150を通ることができる。まあこんな天気では、今日の目玉はこんなもんで精一杯だろう。
 標茶の町がある釧路川の河岸段丘を登ると、次第に路面が乾いてきた。空は厚く暗い雲に覆われていたが、霧は晴れたようで、広がる緑の牧草地に点在するカラマツの防風林、いかにも標茶の牧草地らしい風景を見渡すことができた。
 最高地点からは根釧台地の地平線が見渡しながら走ることができ、さっき目新しさは無いなどと考えた、その気持ちを撤回したくなる。

 虹別の手前で再び雨が降ってきた。どうやら北側の山々から雲がやってきているようだ。
 でも、ここまで来たら、お構いなしに根釧台地の山際1本道、道道885へ入る。この道は北海道の中でも大好きな道なのだが、去年来たときは、標津から養老牛までしかこの道を通っていないので、区間で言うと2年ぶりに通ることになる。何度来ても思うのだが、一直線の道が牧草地やカラマツの中を抜けてゆくだけの道なのに、本当に道東の牧草地を感じる道だ。
 今日のこの道は雨の中で、北側に見える西別岳をはじめとする山々も、ガスがかかっていて全く見えない。しかし、一直線に伸びる道路を眺めているだけで、「またここに来れた」と思う。
 できれば十勝から全自走で来たかった、とも思う。

 養老牛の清里峠への交差点には、いつも立ち寄る「中川商店」がぽつんとある。看板には「中川商店」と書いてあるのに、布庇には2ヶ所に「伊沢商店」と書いてあるが、まあどっちでもいい。今日はそこにチャリダーが一人休んでいた。例によって雨をぼやいており、同じく「明日は晴れるそうですが」と言っていた。

 16:10、養老牛温泉着。いつ電話しても予約できる、いつもの花山荘だ。温泉に浸かると、雨の中で冷えていた身体がほどけてゆくのが気持ちいい。

記 2002.8/10

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Last Update 2003.3/23
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