北海道Tour01 #6
2001.8/14 尾岱沼→サロマ湖

尾岱沼→(国道244)標津
→(道道863)川北
→(町道・道道975)武佐
→(町道)開陽台
→(町道・道道150)裏摩周展望台
→(道道1034)緑
→(道道805・国道391)小清水
→(道道246)山里
→(道道102)藻琴
→(国道244)網走
→(国道238・常呂自転車道)常呂
→(国道238)サロマ湖
196km

サロマ湖

常呂

網走

藻琴

小清水

裏摩周展望台

清里峠

養老牛

開陽台

開陽

上武佐

標津

尾岱沼


 昨夜じゅう宿の周囲はかなり濃い霧に包まれていて、軒先からぽたぽたと水滴の落ちる音がしていたが、朝起きてもやはり濃い霧が辺りを覆っていた。しかし、空の中には何か青い色も見えるようにも思えた。
 「まきばの宿」は観光牧場併設の民宿で、朝食後に馬に乗せてくれるのだ。宿のおばさんの
「時間があったらぜひ乗ってって下さい」
に、ちょっとコースを見に行ってみた。馬は3頭、ちゃんと人が付いてコースを乗せてくれるのだ。なかなか楽しそうだったが、もう何人も待っている人がいて、出発は際限無く遅れそうだった。
 6:45、尾岱沼発。

 明るい霧の中、海岸沿いの国道244を北上する。けっこう寒いので、化繊Tシャツに化繊ポロを重ね着する。ガスが薄くなると、海の中にうっすらと、細く長く飛び出した野付半島と半島に生えている木々が、逆光の中の薄いシルエットになって見えた。
 ちょっと補給のはずがけっこう時間を食ってしまい、7:45、標津発。ここから川北に向かい、今年も根釧台地の一番山寄りのお気に入りの道、道道975・町道・道道150を目指す。昨日の未済事項でもあるが、昨日と今日の2日連続で走ろうと思っていたほどオキニの道だ。
 標津からしばらく昨日の夕方のような海岸沿いの低地帯の森の道を行く。少し内陸に入ると、雲が切れ、濃い青い空が拡がった。
 川北を過ぎ、そのまま山沿いの道道975へぶつかるまで、斜度は緩いが裾野を山方面に向かって直登になる。ふと振り向くと、根釧台地の地平線が一直線の彼方、道の両側の高いカラマツの間に見えた。

 根釧台地の一番山寄りの道、道道975・150から開陽付近の町道を、まず何しろ開陽台へと向かう。毎年来て毎年思うが、この山寄りの道は最高だ。太陽に輝く牧草と一直線に並んだカラマツの濃い緑の色や、緩やかな起伏を越えてどこまでも果てしない一直線の道路、牧草地の防風林の向こうに遠景から続いてゆく地平線。特に何かありがたい景色ではないのだが、無性に惹かれている風景だ。今年もこの道を走れることが、本当に嬉しい。しかももはや雲一つ無い激晴れになっていた。

 アップダウンの波が次第に大きくなり、ちょっとキツ目になってきたところ、坂のてっぺんに開陽台への登り口が現れた。更に続く激坂、自転車だとちょっとキツ目のアプローチをしばらく登り、9:30、開陽台着。

 例によってしばらく地平線を眺めてぼうっとする。去年もかなり晴れていた開陽台だったが、今年は地平線の上の方に一皮、どろんと半透明みたいな灰色の雲、恐らく海岸部のガスが薄く掛かっている他は、空の中に完全に雲が無い。85年冬の初開陽台以来、過去最高の天気である。
 根釧台地に拡がる無数の牧草地、防風林、道路のグリッドが地平線に消えてゆく。地平線が、大地が本当に丸いのが見てわかる。その中にぽつぽつと農家や牧舎、遠くに光る中標津の町。あそこまで10km強か。直線道路のグリッドは、微妙な土地の起伏を反映して、複雑なメッシュを描いている。カラマツ主体の防風林の日なたと日陰の模様が、何とも精密で柔らかだ。
 太陽を反射しながらジェット機がゆっくり空の中を下降してゆく。着いた先が中標津空港のようだ。なるほど、あそこか、と思ったが、一度目を外したら、もう空港は見つけられなかった。
 ぼうっとしていると時間が経つのが速い。でも折角開陽台へ来たのだ。あともう少しだけ。

 10:25、開陽台発。これも毎年思うが、だんだんこの道は有名になっているようで、去年よりも自動車がかなり増えているように思う。
 けっこう長居した。今後の行程にも多少は影響がありそうだが、まあいい。とは言いつつも、この時間ではこれからサロマ湖まで行くのに、楽しそうな津別峠経由は絶望的だろう。とすると、峠的な面白さには欠けるが、清里峠+裏摩周展望台しかない。
 11:30、養老牛発。中標津・計根別が名残惜しいが、清里峠への道を曲がる。

 あっけなく着いた峠から、裏摩周展望台への道が緩やかに延びていた。展望台までは2.5km、標高差は100mちょっと。去年は夕方遅くてあきらめたが、今年はどうもさぼる言い訳が無さそうだ。
 展望台への道は、最初は清里峠から伸びているとおりに緩い傾斜だったが、いきなり途中から激坂になった。おまけにゴマフアブが多い。寄ってくるのをはたいているうち、気が付くと20匹ぐらい周りをうろついている。たまらんと思って虫除けを取り出すが、停まったとたんに一斉に襲いかかってきた。まあ、しかし虫除けのおかげで危機一髪で助かった。
 12:10、裏摩周展望台着。少しの間、外輪山に囲まれた静かな紺色の湖面を見下ろす。ここを訪れるのは実ははじめてだ。清里峠も展望台までも全区間ダートだった昔は随分秘境のような印象があり、長い間来てみたかった場所のひとつだった。しかし、何かアプローチが舗装化されて随分あっけなく着いてしまったように思う。

 峠の下りは去年登った通りだらだらで、気が付くと樹海が切れて緑に着いた。緑の先から国道391に乗り換え、小清水へ。
 降りてきた網走地方も天気は激晴れで、小清水のセイコーマートで休憩していると、無茶苦茶に暑い。暑いと言うより熱い。太陽光線が厳しい上に気温まで高い。店の前で休んでいるだけで干上がりそうだ。
 14:20、小清水発。
 オホーツク海へ落ちて行く台地を、斜めに突っ切る県道246で藻琴へ向かう。台地の上の開けた畑・カラマツ林、低地の広葉樹林の風景が印象的だ。台地を何本もの川が横切っているため、アップダウンが繰り返され、どうしてもペースは落ちる。しかし、畑、森の中を吹き抜けてくる風が涼しく、静かな風景・静かな道はとても楽しい。逆光の坂道の向こうをキタキツネが素早くよぎっていった。

 藻琴で台地を降り、オホーツク海沿いの国道244に乗り換える。
 16:10、網走着。そろそろ時間が無くなってきた。交通量が多いのであまり気は進まないが、この先サロマ湖まではいつもの国道238を使うしかない。16:55、網走発。

 それでも常呂までは悪あがきし、国鉄涌網線跡の常呂自転車道を使う。夕方の湖沿いは何かウンカが大量発生しており、何度も口や目や鼻に虫が入って閉口した。しかし、夕方の穏やかな光の中、湖や湖畔の林、なだらかな丘の風景が、何とも楽しい。

 18:35、サロマ湖畔YH着。確かJYH直営のYHだったか、建物の作りがいかにも隅々までYHそのもの、と言う感じのちょっと古くて広めのYHだ。
 昼間あれだけ晴れただけあって、最高の星空だ。なんとか流星群が来ているからか、大小の流れ星が見えた。

記 2001.8/18

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Last Update 2004.1/1
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