旭川→(道道90)西御料
→(国道237)西政和
→(国道452)旭
→(農道・町道)美瑛
→(農道・町道)清富
→(道道291)上富良野
→(道道298)東中
→(町道ベベルイ1号線・農道)布礼別
→(道道253)麓郷
→(農道・林道)西達布
→(国道38)幾寅
→(道道)町道
→(道道)落合
→(道道1117)串内
→(道道136)ニニウ
164km

ニニウ

占冠

トマム

落合

北落合

幾寅

麓郷

布礼別

東中

上富良野

美馬牛

美瑛

西政和

旭川

北海道Tour01 #11 2001.8/19 旭川→ニニウ


 昨日はあんなに晴れだったのに、起きると厚い雲が空を覆っている。旭岳が裾野の下の方しか見えず、知っててそれとわかるという程度。何これ、と思ったが、陽が出ると何とかなるかもしれない。

 今日は美瑛・麓郷・北落合のトリプル攻撃と超豪華コースだが、宿泊地は占冠のニニウなので、そんなに距離はない。8:00という朝食は頼んでいなかったが、ちょっと出発までゆっくりと過ごす。
 7:15、旭川YH発。旭川のバイパス、片側2車線で大型車ばんばんの環状線、道道90を国道237へ。美瑛を通って富良野盆地へ向かう国道237は交通量が多い。西政和の分岐まで、しばらく我慢が続いた。道路の交通量は多かったが、南下するに連れ雲が切れ、日差しを感じるようになってきた。

 国道452号で、美瑛の丘の一番端の旭から、おもむろに農道を遡って北瑛方面へ向かう。森の谷間の道をしばらく遡る。道ばたは北の国からで有名になったオオハンゴンソウで一杯だ。やがて登りがちょっとしんどくなり始め、森の先が開けて坂の上に丘の畑が見えてきた。ちょうど現れた農家の庭先、無人販売のゆでトウキビを食べる。
 もう空は青空の中に雲が漂うという具合で、農家の方に今秋のポテトチップのCMで使われたという丘の風景を見たり、途中の売店でソフトクリームを食べたり、ゆっくりと美瑛を目指した。
 マイルドセブン、スカイラインなど、いろいろなCM撮影に使われたというエリアを過ぎると、美瑛の街らしい屋根の集まりが見えてきた。白金街道の向こう側の丘も見える。あっち側もなかなか素朴な感じで良さそうだなどと思った。
 再び谷間へ降り、国道237を横切る。

 美瑛の町中をそのまま通過し、南側へ抜ける。水沢ダムの脇を通り、福富から常盤へ、更にそのままダート丘越えが2回あり、日新ダムの上流側の清富へ抜けた。
 砂利の深いダートは結局ほとんど押しになり、でもまあそれも美瑛の外れの楽しい田舎道で、森の中ではシカの声が聞こえたり、キタキツネの姿を見かけたり。結局日新ダムの脇の道道353を上富良野の街へ降りてきたのは11:30前になってしまった。ちょっとのんびりしすぎで、そろそろ出発の遅さを後悔し始めたが、何か今日は先を急ぐ気にならない。

 富良野盆地へ出ると、盆地の外周の山々が見事だ。上富良野の街から、今度はベベルイ1号線で麓郷へ向かう。個人的は昔の1/5万に出ている名前、ベベルイ基線で呼ぶ方がしっくりくるのだが。
 上富良野から出ている道道298の行く手に、富良野盆地の北外れの東中から一直線に開けた斜面を駆け上がる道が見えた。おもむろに登り始めると、決して急な勾配ではないのだが、少し標高が上がるだけで面白いように盆地の展望と一直線に盆地の反対まで続く道が見通せる。広がりのある盆地の風景は見事で、何度も振り返った。一方、富良野岳の雲は完全に晴れて、十勝岳の奥へと続く山上の緑の楽園がこんなに下の方から見通せるようになっていた。こんなに富良野岳から十勝岳が眺められるのは、記憶には無い。
 2/3程度登ったところで、麓郷から布礼別へつながる台地の北端に出る。波打つ丘に拡がる畑、にょきにょき一列に立ち並ぶ、高いポプラの風景が何とも独特だ。

 一度登り切ってから、ベベルイ一号線は再び布礼別へ向けて少し下降するのだが、登り切って数百mの区間はカラマツ林の間のフラットダートになる。この道も今年の10月には舗装が完了するようで、最後の区間が工事中のようだった。時々通る車の白い砂煙に顔をしかめつつ、かつて大型の石ごろごろの激ダートだったこの区間で島野ハブのシャフトが折れてしまったのが完全に昔話になってしまうのか、などと感慨深かった。

 ベベルイ一号線の真ん中辺りまで進んでから、ちらちら見える東富丘方面の丘の道に惹かれ、そちら方面へと足を進めた。左側にどっかーんと聳える富良野岳とやや左前方の大麓山の、強力な太陽光線でビロードのような濃い緑色になっている樹海に覆われた姿が、見事としか言いようがない。その手前のなだらかに続く丘陵地の畑の風景。

 布礼別からいつもの麓郷からの道に戻り、中畑木材の前を通って麓郷の交差点へ。13:10、麓郷着。交差点のA-COOPが何と改築されて新しくなっている他は、いつもの麓郷の通り。おまけに今日はなぜか自動車が少ない。
 腹も減ってきたし、思えば西政和のセイコーマートからまともな食事はおにぎりだけだ。いつもの「麓郷そば」の小野田食堂を見るとすぐに入れるようなので、腹の鳴りを信じることにした。
 これが大間違いだった。店内は実は混雑していたのと、慣れない店員が運ぶはずの物を運んでくれなかったようで、そばが出てくるまでに50分もかかったのだ。

 14:10、麓郷「小野田食堂」発。
 麓郷からダートの西瓜峠へ向かいながら、今日のダメ押し「北落合」に向かうかどうか、悩んだ末、幾寅15時、北落合16時、占冠18時という大雑把な目安を考えた。つまり、幾寅着が大幅に狂ったら、北落合は行けないことになる。
 果たして西瓜峠を越え、国道38号の樹海峠を越える手前で15時。行ける。昼食後1時間で早くも腹が何だか寂しくなっていたが、道の駅「南ふらの」のゆでとうきび2本を走り食いすることにした。

 谷間の1本道を登り切って急に周囲が開け、16:00、北落合着。小学校で水をもらう。北落合もやはりなだらかな丘にソバ・ジャガイモ・ニンジン畑が拡がる、この辺の典型的な風景が拡がる。エリアが狭く全く観光化されていないのと、周囲の山が近いのが、美瑛や麓郷などと違うところだ。でも、麓郷の片田舎の布礼別とか富丘辺りとは、ちょっと似ている。
 今日は時間が無いので、一番奥まで登るのは断念せざるを得ない。でも、この小学校のある北落合の中心地まで来れたことが嬉しい。もうそろそろ赤みが増してきた太陽に照らされるソバ畑、逆光の中の一直線のカラマツ林、遠景の落合岳・トマム山、日高山脈…。
 結局、今日は朝の出発の時間に小野田食堂でのアクシデントが響いて、時間的にちょっと厳しくなってしまった。しかし、美瑛に麓郷に北落合、程良い晴天、これ以上一体何が要るのか。

 景色のそれっぽい道ばたで休憩し、16:20、北落合発。
 下り基調の道を一目散に下る。登りは遅いくせに、下りとなると途端にペースが上がるのが何とも情けない。落合へ向かう途中、十勝岳を遠望できる場所があり、何度も振り返った。あとは落合からトマムの直角カーブまでちょっと登りになる他、基本的に下りだけだ。
 17:10、トマム発。夕暮れの山の中の1本道を先を急ぐが、わずかな向かい風や微妙な登り返しにペースが落ちる。夕方の風が冷たいのがいかにも山の中らしい。

 18:25、占冠発。ここから先は初日に通った道の逆走だ。が、夕方遅くのダートになる。あと2・3kmというところで、話を聞いてわざわざ迎えに来て下さった、宿の温泉帰りの地元の方の自動車にお世話になってしまった。
 19:00、「ニニウサイクリングターミナル」着。深い森の木立の中の村営施設である。

 初日のレポートにも書いたニニウにあるサイクリングターミナルということで、以前から興味があったこの宿だが、地元の木材らしい木がふんだんに使われた内装は公共宿泊施設と思えない。ちょっと古くなっている箇所もあるものの、オリジナルらしい家具なども凝っている。何より食事が充実しており、温泉があり、極めつけで朝食抜きだったが1泊\4600と安い。
 夕食後、風呂に入ってから外に出てみた。空に星が見えたが、灯りに集まるガの多いこと。山の中からは、何か野犬の遠吠えのような声が、遠くから響いていた。

記 2001.8/21

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Last Update 2004.1/1
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