私の好きな道 #33
|
|
十勝平野は北海道の東半分のほぼ中央近くに大きな面積を占めるにもかかわらず、そのアプローチは意外に限られます。東からは3本の国道があるものの、西側からは狩勝峠と襟裳岬だけ。そして北側からは三国峠と、この道道88だけです。
これら北側ルートの場合、三国峠が道内最高標高峠なのもあってあまりに有名なのですが、この道道88は峠部分に名前が付いていないのと、標高700m程度と三国峠ほど高くなく、あまり知られていません。
しかし、十勝平野から少し入り込んで山間のムードが漂う芽登から峠まで30km以上、延々と大森林が続き、峠を越えてもまだ大森林が続くその山深さは、十勝と北見を結ぶ道ならではの貫禄です。
標高約200mの芽登から標高約700mの峠部分まで、前述の通り30km以上もかけて、だらだらと緩々の登りが続きます。芽登を抜けると最初は牧場が断続、途中で芽登温泉へのダート分岐を過ぎる辺りからは、辺りはほぼカラマツと広葉樹林だけになります。
そうくねくねな道でもなく、ひたすら北へ向かって直線基調の道が延々続くと、次第に周囲の山々が高くなり、近くに迫ってきます。この辺りまで来ると雰囲気は相当山深くなってくるのですが、それでもまだ峠部分までは10km以上。雰囲気も山深いながら最後まで妙な開放感があるのが北海道らしいところです。
だらだらと続いた緩い登り斜度が次第に増し、最後の標高差100mぐらいからようやく普通の峠風に道が登り始めます。休憩所のある峠を過ぎると、またもや道は大森林の中を下り続けます。
この辺り、北見側から登ってくると、大雪へ続く山々の堂々たる姿が正面に現れます。下る場合でも、振り返ってみて損は無いでしょう。
一度登り返しがあってから、道は常元へ一気に下ります。この先勝山で谷間が拡がると、いよいよ北見盆地の外れに到着。畑や牧草地の間、何とも程良くのんびりした田舎道が置戸まで続きます。
芽登から置戸まで、特に喜登牛から常元まで40km弱は民家も無く、補給はおろか給水ポイントもありません。マイナーな道だけに車・バイクも少なく、距離の長さと程良い標高差と共に北海道を走っている気分に浸れる道ですが、行動は計画的に、天気を選んで通るようにして下さい。
記 2007/1/9
走行記録
2006/8/13-1・2
2000/8/18