泥除け日曜大工 #1
寸法設定

繊細な表情の民家には繊細な泥除け車がよく似合う RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

2006.1/29 埼玉県行田市埼玉 さきたま風土記の丘にて


 私が使っている泥除けは、本所工研のNH30-26Nという製品。丸型(このガードの形状にもいくつかの派閥があり、これについては稿を改めます)のバフ仕上げ、幅は40mmでランドナーとしてはやや細めです。
 泥除け端部の高さや突き出しは、水の跳ね上げや輪行時の取り回しを考慮して決めています。時々タイヤと泥除けの間隔が広いのでは、と言われることもありますが、落ち葉・泥詰まりの問題と、フレーム自体がそういう寸法設定になってしまっていることから、自分ではそう問題とは思っていません。

 この辺りの自転車の雰囲気や泥除け機能の兼ね合いを考えると、寸法を思い通りに追い込んで好みの形に仕上げる方が、何かと便利で楽しいことと思います。
 ランドナー用泥除けの完成既製品としては、本所工研から取り付け金物や分割部分、ガードステイまで加工済みセットになったものが発売されています。しかし、その完成既製品も、取付け時にフレームに合わせて穴を空ける必要があります。おまけにちょっと太めだったりごつかったりする、という問題もあります。

 また、太い木の枝などを巻き込んで、泥除け自体がひしゃげてしまうことがあります。私の場合でほぼ2年に1回程度、前回の失敗を忘れて、不用心に路上の木の枝を巻き込んでしまう頃に起こっています。こんな時にも、折れた部分だけ新しく作り直せると便利です。

 買ってきたままの泥除けを加工するとなると、まず取り付け位置を決めないといけません。実はこの泥除けの位置や各部長さ・形状などについて、こうやる方が格好良いというような不文律が厳然と存在しますが、あまりに大きなテーマのため(笑)か不勉強の為か、これに関する文章を読んだことがありません。
 そこで、超我流ですが、私が泥除けの位置決めに当たって気を付けていることを書こうと思います。


1.前泥除けの位置決め

 上記の本所工研泥除けは、ガードステイを含めた前後セットで販売されています。このうち短い方が前用。私の場合は特にこの長さ自体を変える必要は感じていませんが、一般的にも泥除けを特に長目に作りたい意図が無ければ、必要充分な長さだと思います。
 前端部の突き出しは、私の場合はだいぶ短め(中央写真)。これは、輪行時に泥除けが飛び出しすぎるのが不便なのと、かつて乗っていた片倉シルクランドヌーズが若干鼻先短めのセッティングで、特にこれを変えずにいます。
 一般的には、もう少し前端部の突き出しは多めのように思います。

 位置決めから少し話は逸れますが、前泥除け下端部には、本来の泥除け下端部を延長するソローニュの長谷川マッドフラップを併用しています。この下端部は路面から3cm程度に設定、小さな水たまりの多い時や、土埃の巻き上げなどにも非常に有効です。

買ってきた状態の本所工研泥除け 鼻先短め 先端折り返し部は少し残して剛性を確保 ソローニュの長谷川マッドフラップ けっこう大型

2.後泥除けの位置決め

 やはり跳ね上げ防止と、全体的なシルエットの観点で、まず後ろ下端をハブ軸基準の高さで決めています。
 一般的には、この下端がハブ軸高さより低いのはあまり例が無く、高いと軽い印象になると思います。一方、跳ね上げ防止効果は、泥除けが長い方が有利なことは言うまでもありません。
 私の場合は軸とほぼ水平に泥除け後端高さを決めているつもりなのですが、どうもいつも脳内自動補正が掛かって、1cm強高めになっているようです。
 既製の長さだと、この状態でチェーンステイのブリッジから泥除け前端がやや下に出ますが、BB側の水や泥の跳ね返し防止に都合が良いので、前泥除けと同様、長さは成り行きです。

 後泥除けの位置を決めると、シートステイブリッジ部泥除け取付位置により、泥除けの分割位置がほぼ自動的に決まります。私の場合はブリッジ取り付け部に補強金物があるので、この補強金物端部で泥除けを分割しています。

泥除け後端 わかりにくいアングルではあるが下端は軸中心よりちょっと上かも… シートステイから下に突き出す泥除け前端 分割線は補強金物の直後

3.ガードステイ角度決め

 泥除けの位置を決めてから、ガードステイの角度を決めます。ガードステイの角度は、泥除けの長さや先端の位置と同じぐらい、自転車のシルエットや見てくれのキャラクターに大きな影響を与えると思います。実際の作業としては、加工が終わった泥除けを自転車に取り付け、ホイールを填めてからの方が確実で簡単でしょう。

2002年秋の2号車 赤線は水平線 ガードステイの角度に注目

 1本ステイの場合、上の写真のように後が上向き、前は下向きとなります。
 考えてみると、後泥除け先端はあまり下に持って来たくないので、後ガードステイは自動的に水平よりも少し上向きになります。一方、前ステイ角度は機能上は後とは関係ありません。全体的なシルエットを考えると、無理に前後で傾斜角度を関連付けるより、泥除け先端位置とステーの位置関係が前後で揃っている方がすっきり見える場合が多いように思います。というわけで、前泥除け下端からステー位置を決めると、自動的に下向きに。
 もしここで前も上向きにすると、前泥除け下端が跳ね出しすぎて、多少とっぽい印象になってしまうことでしょう。
 上写真の車軸位置の赤い水平線と較べてみると、この写真撮影時の2号車のステイ角度は後に対して前はやや浅め。一般的に言えば、後も前もステイ角度は少し深め。もう少し浅くても、落ち着いた印象になるかもしれません。

 なるべく線を揃えて自転車をすっきり見せるため、スポークのどれかと並行にガードステイの角度を設定する、という方法も聞いたことがあります。各スポークは前後左右からリムを編み付けるので、リムとスポークの角度は4種類。泥除け下端とガードステイ取り付け位置の関係も睨みつつ、ホイールを回しながらなんとなく良いだろうと思われる角度を探す、ということになります。

 ガードステイの取り付け位置が決まったら、タイヤと泥除けの隙間が均等になるよう、ステイ長さも調整する必要があります。

記 2006.1/30

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Last Update 2006.2/2
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