補強板の隙間からボンドが見える

分割泥除け #1
一体式か分割式か

 2号車の泥除け分割部。
 分割部固定用の環付ダルマとボルト固定孔周りの補強板が見える。


 ランドナーを始めとする泥除け付ツーリング車では、「輪行時に泥除けをどうするか」が大きな問題です。車輪とほぼ同じ径の円弧でフレーム外形から飛び出す泥除けは、荷姿の大きさを直接決定する要素の一つだからです。特に飛び出しが多いのが後ろ泥除け。
 輪行時の後ろ泥除け着脱には、下の表のような2つの方法があります。かつてのメーカー車に採用されていた輪行対応泥除けも、メーカーによって多少詳細の違いはあれ、この2種類のどちらかに分類できます。

 

泥除け一体式 泥除け分割式
方法

 泥除け全体をフレームから外す。

 泥除けの後ろ半分だけを分割して外す。

長所

 分割式に較べて泥除けの分割が無く単純な構造なので、破損の心配が少ない。

 外観がシンプルになり、ほんのわずかだが自転車全体が分割式に比べて軽量になる。

 輪行作業が一体式より簡単、作業時間も短くできる。

 輪行作業時でなくても、行動中に泥除けの調整がやりやすい。

短所

 輪行時に泥除け全体を外す必要があり、しかも車輪を外してからでないと泥除けを外せないので、輪行作業がやや煩雑。

 泥よけを裏側から固定する場合が多く、走り始めてしまうと締め直しや調整がしにくい。

 一体式に比べて分割部がどうしても複雑になり、分割部の工作に無理があるとそこから破損しやすい。

 分割部を補強すると、シンプルな外観が損なわれやすい。

 どちらの方法にも長所と短所がありますが、一体式の長所はそのまま分割式の短所、分割式の長所は一体式の短所です。どちらが決定的に優れているとは言えず、どっちの方法を選ぶかは、ショップやユーザーが既成パーツ利用や加工、使い方によって、それぞれの短所をカバーするノウハウ次第でしょう。

 私の場合、本所の丸型を分割泥除けに加工して使っています。何と言っても自転車をひっくり返してホイールを外さないと泥除けが外れない一体式と違い、袋に入れるまでならいつ泥除けを外してもいい気楽さが気に入っています(いや、いつ外すかきちっと決めておけばいいだけなのはわかってます)。決して輪行作業が早くない私が、4サイド輪行時に最速わずか12〜3分で作業を完了できるのは、キャリア装着で収納できる門岡式輪行袋と、この分割式泥除けのおかげでしょう。

記 2003.12/29

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Last Update 2006.2/6
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