四国Tour23#6
|
|
何故か予定コースのトラックがGPSに表示されないことに気が付いたが、とにかく進みたい勢いに乗り、構わず四万十川に沿って計画通り旧道っぽい回り道へ。
谷間の幅は梼原川より四万十川の方が格段に広いものの、細道の行く手には期待通りこれまでと同じく木漏れ日の森、静かで小さな集落が幅の広い四万十川と一体となっている。空前絶後の絶景などは無いもののこよなく親しげな人里と里山の表情、愛おしい路上空間が続いてゆく。
唐突に国道381に合流した後、2本目の細道の入口を間違え、そのまま国道381を進んでしまった。一度細道を見失うと、車が高速でやって来る慌ただしさに追われて次の入口がわかりにくい。道端に立ち止まりスマホ画面でRideWithGPSを確認し、この後はもうのんびり進もうと思った。今日は全体的に軽めの行程だし、早めの進行になっているんだから焦る必要は無い。それにその方が、今日の体調には都合が良い。
一方で国道381はごく普通の、車がばんばん(という程でもない)通る道だ。しかし所々、開けた大きなカーブなどでぐるっと四万十川が見渡せる。静かな、そして堂々たる、そして親しげな川原と川面が山間を広く大きくのたうって続いてゆく。流石の貫禄に、思わず脚が停まる。四万十川の中流区間、梼原川の谷間とは全く違うスケール感ではあるものの、なかなかいいではないか。
谷間にはJR予土線も通っていて、曲がりくねる細道や国道381と所々でオーバークロスする。開通は1974年、細道がくぐってゆくコンクリート橋梁はいかにも昭和40〜50年代風の佇まいだ。それは石勝線や紀勢南線、そして去年訪れた三江線に共通する。ちょうどあの頃できた、一連の行け行けどんどんローカル線なのだ。等と思いながら見上げる橋梁を突如、東海道新幹線風のデコレーションで有名な単行気動車が、線路から飛び出すのではないかと思われるほどの速度でぶっ飛ばしていった。
昭和手前には小さな丘越えがある。旧道には四手峠という名前も付いている。国道のトンネル手前で予土線を越え、トンネル前を過ぎてこちらは四万十川沿いに谷間をもう一回りしてゆく。
国道381がショートカットする谷間を四万十川に沿って大回りしてゆくうち、空は晴れ、陽差しが辺りを照らし始めた。欲を言えば午前中この天気なら四万川川・梼原川区間で晴れだったのだが、まあ今晴れてくれたことを喜ぶべきだろう。
13:50、昭和通過。町にコンビニか何かあるだろうと思っていたが、あまりそれっぽい店は無い。旅行者がほしがりそうなものは、大体道の駅にあるんだろうな。等と思っていたら国道の脇、道1本裏手に「川の駅」なる施設があるようだ。しかし生憎、大正と同じく何かを立ち寄って食べようという気がしていない。そろそろ休みたい気はしているにも拘わらず。そして国道から道の向こうのその辺りを伺った範囲では、そういうものが有りそうな施設でもないようだ。
記 2023/6/8