四国Tour23#2
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少し商店で休憩してから、ここから淡々と登ってゆく国道438へ脚を進めてゆく。
皆瀬川向から少し幅広の道が続いた国道438は、すぐに朝下って来た国道492とよく似た表情のかなり細い道となった。
旅館や民家が谷間に賑やかな長瀬で一旦道は拡がったものの、その先は再びかなり細くなった。
貞光川の切り立つ深い谷底に、新緑の森と国道438が延々と続いてゆく。ところどころで現れる集落は、道端と切り立つ斜面に密度濃く張り付いている。四国の細道国道のイメージそのものの風景が、入れ替わり立ち替わり現れていた。
今日は貞光川が昨夜の雨で迸り、相変わらずしっとり濡れる路面と共に渓谷全体の印象を厳しくしている。
そして少なくとも見ノ越への山肌に取り付いてからおもむろに登り始めると勝手に思い込んでいた道の斜度は、長瀬を過ぎると少し上がった。それは私のペースを想定より遅めるに十分な斜度であり、この先見ノ越への1300m以上の登りにおいてプロフィールマップの斜度変化の通りなら、かなり手前から段階的に想定外の斜度が待ち構えていることが確信できる斜度である。
予想通りに11:40、谷底に役場や民家が集中する一宇で、道に迫る民家の佇まいとは裏腹に斜度は5〜6%位ぐっと増した。そして12:30、河内で斜度は更に上がった。
道が次第に渇き始めているのは有り難い。そしてたまに、雲が薄くなっているのか、何となく陽差しの色を思い出すような明るさが風景全体に現れ始めていた。
記 2023/5/28