北海道Tour23#14
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12:05、サンルダム下で道道60に合流。いよいよ今日も道道60というこの場所でまだ12時ちょい過ぎ。夕方が早い秋の午後、この心の余裕が大変助かる。つくづく風連ローソンのお陰だ。
普通谷間に入ると盆地で吹いていた風が弱まるのに、今日は向かい風が意外にも強い。そしてまだお昼だというのに、早くも陽差しが赤くなり始めている。広葉樹の森や道端の茂みがそこはかとなく、しかし明らかに夏より色付き始めている。
こういう風景を見ると、いつも早く宿に着きたくなってしまう。あまり焦らないようにと思いつつ、ダム堤への直登、ダム湖区間の森から牧草地の丘、秋まっただ中の山間を着々と脚を進めてゆく。
12:40、サンル大橋着。
今回のしもかわ珊瑠湖は水量が多い。過去の訪問で一番多いかもしれない。橋の下から遠くの水面まで、なみなみと水が満ちている。
遠くの水面は、雲が日を隠している間はが濃い緑みたいな茶色みたいな色なのに、日が当たり始めると打って変わってほわんと、しかしすごく明るく白っぽく空を映し始める。その色の温度がとても低いように見えて仕方が無い。そしていつも夏に見られるように、何か浮世離れしたように非現実的な色でもある。
秋の陽差しの白い色が、この後とても早く進む秋の夕方を想像させる。後で暗くなって後悔しないように、淡々と足を進めねば。
12:55、サンル大橋発。
サンルダムの外周付け替え道として作られた幅が広い新道で、谷閧フ山裾を北上してゆく。道幅が広いと、道を囲む森の頭上が開けていて、谷間も広々と開放的な印象を受ける。頭を揺らす梢の緑が、日なたの中で鮮やかだ。しかし紅葉にはなっていなくても、確実に、夏とは違う色に変わっている。
少し道幅が狭くなる旧道区間では、周囲の森が道に近づき、木々の背も高い。頭上の空が少し狭くなっただけで路上には森が影を落とし、木漏れ日が斑に道を照らしている。
道道60に入ってから、雲は強い風に乗って空を飛んでゆき、次から次へとやってきた。風は森の木を揺らし、時々近くの森が全体でざーっと音を立て、木の葉が風に飛んでゆく。その度、谷間と森に「晴れだからって甘く見てんじゃねえぞ」と言われているような気がして、心細くなった。木立の中は明るいものの、それならそれで遠くにいるクマが見えそうな気がする。遠くの切り株をよくクマに間違えてしまうほどだ。
サンル川の川原が近づく場所でも、熊が鮭など捕っていないか不安になる。
車は時々2〜3台続けてやって来た。全体としては車は殆ど来ない道なのに、これはどういう現象なのかとも思う。まあしかし今のところ、こういう森に呑み込まれてしまいそうな状況では、間違いなく心強い存在だ。
13時、14時と、陽差しはどんどん赤く低くなってゆく。つくづく、早めに脚を進めておいて良かった。
幌内越峠を下って、上幌内のパーキングエリアに狐の親子がいないのを確認し、道道49の交差点へ。
記 2024/2/18
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