北海道Tour23#13
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12:35、江丹別発。次は江丹別峠だ。町外れで裾野の台地に乗り上げかけて、北進方面へは裏道のGPSトラックを描いていたのを思い出した。
出戻りで蕎麦屋の旭川側まで戻って裏道へ入り直す。かなり前に通ったことだけ憶えているこの道、畦道が舗装されているというだけ、というぐらい細く静かな道だ。道道71沿いに建っていたソフト小屋と濃厚なこちっと美味しいソフトを思い出す。今日はソフトは逃しちゃうなあと思うものの、美味しい江丹別蕎麦を食べたばかりだしソフトはこの先政和のルオントでも食べられるし、人生欲張り過ぎちゃあいけない。今は先に進みたい気が勝っている。
江丹別峠へ登り始めるすぐ手前で道道71に合流。こういう小ネタにもGPSトラックでの計画が効いている。裾から山腹へトラバースして北進の畑を見下ろし始める辺りから、かつて地形に忠実に貼り付いていた線形が直線化されている箇所が散見されるようになった。道幅も拡がり、いかにも今時新道っぽく変わっている。そういう箇所が、前回2019年秋の訪問で工事中だった箇所より多い。地形の入り組んだ部分はショートカット気味に直線になっているので、5〜6%ぐらいだったの登り勾配は、ところどころで7%になっているようにも感じられる。馴染みの道に、久しぶりの訪問でよそよそしくされているようにも思え、ちぇっと思うものの、時々展望ポイントにかまけて写真を撮るためには都合がいい。そして展望ポイントから見下ろす北進の蕎麦畑や牧草地は、かつて何度も写真に撮った北進の眺めそのものだ。道の線形なんて、風景の中じゃ小さい要素なのかもしれないとも思う。
妄想とは無関係に、例によって登りは遅い。でも新しくなった表情の道を眺めながら全体の展開を思い出し把握しながら、何となくするするっと登れているように思えるのも、時間が前回より早いからだ。
13:30、江丹別峠通過。ここから今日終着地の朱鞠内湖までずっと幌加内町というのが凄い。
以前峠周辺でちらっと眺めることができた西里の谷間と幌加内の盆地は、訪れる度に道端の森が成長し、もはやほとんど見えなくなってしまっている。この木々が伐採されてまた眺めが良くなるときに、私は江丹別峠を登ることができるだろうかなどと思う。最近はどこでもこういう事を考える。時の流れに抗えない残念さはあるものの、むしろ風景の長いサイクルに自分も入り込めている、という嬉しさも感じられる。そういう風に思っておけばいいのかもしれない。
それ以外、幌加内側の景色はあまり変わっている印象が無い。道路改良工事はこちらの幌加内側、登り始め一番下手の方が早かった。今後も優先順位を付け、江丹別峠全体が順次改修されていくんだろうと思う。
盆地に降り、ソバ畑の真ん中に続くいつもの裏道へ。
前回の秋の訪問と同じく夏には盆地一杯のソバ畑が一面緑っぽい白に彩られるソバ畑が、大分赤っ茶色ぽく変わっている。でも、晴れだとやはり風景の鮮やかさや空の高さの方が印象的だ。枯れた雰囲気は全く感じられない。それに、まだ白い花が咲いている畑もある。
晴れていると下幌加内の風景は、秋でもやはり広々と素晴らしいのであった。
気を良くして夏にいつも訪れる時よりもう少し裏道を大回りした後、熊牛から道道72に復帰。
幌加内盆地の山裾で、粛々と落ちついて印象的な風景を味わうことができた。最近経由することが多かった下川経由のコースに比べ、やはり勝るとも劣らない魅力がある、道北有数のいい道であることを改めて実感した。
今のところ食料も水も全く不足は無い。蕎麦は江丹別で食べたばかりだし、バスターミナルの蕎麦屋「せい一」は多分お昼のオーダーストップ後だろう。久しぶりの幌加内市街に脚を向けたとしても、多分バスターミナル手前の自販機で脚を停め、缶コーヒーを1本飲んで通りを眺めるだけになると思われる。それに前回よりかなり早めの進行になっているものの、薄暗くなって朱鞠内湖に着いた前回の記憶があり、今のところは引き続き早めに脚を進めておきたい。この際幌加内市街はパスして、市街東側、雨煙内の畑を経由してみることにした。
初めて通る丘の畑。道端に樹が1本、絵になる場所で脚を停めて少しパンなど頂く。空中を行き交う赤トンボなど眺め、先行きの不安は全く無い。いいツーリングになっている。
この先もうひとっ走りして、政和手前のルオントでソフトを食べよう。
記 2024/2/17
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