北海道Tour22#9
2022/8/18(木) 中川→浜鬼志別-4

中川→雄信内 (以上#9-1)
→本流 (以上#9-2)
→沼川
(以上#9-3)
→浜鬼志別   111km

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 12:00、沼川発。道道138へ。

 小石峠は今回も曇りの峠道だ。しかし前回のように雨じゃないのは有り難い。と思っていると、鉱業所を過ぎたあたりから空気中に水がぱらつき始めた。

 天気予報では雨にならないとのことだし、空の明るさ的にも本降りにはならないだろうとは思う。しかし、標高は低いのにやはり一筋縄ではいかない峠だ。さすがオホーツク沿岸の山中である。

 道端の森はかなり鬱蒼と山深いものの、何しろ峠部分で167mの低い峠なので、谷間から峠へ登り始めるとあっという間に鞍部へ到達してしまう。鞍部で欺し峠が1回あることも、欺し峠から小石峠まで少し距離があることもわかっているし、一昨年雨の中を通ったばかりの道だ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 谷間に残っていた天北線の痕跡は、近年木々と茂みに完全に覆い尽くされ、峠周辺からは伺いにくくなっている。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 峠から谷底へ下り、ほとんど平坦に近い下り基調の道を大分進み、軽い登り返しが現れ始めてやっと小石に着く。この距離感覚は一昨年登りで通ったときとは違う。登りの時の方が時間は掛かっているのに退屈していないから、時間と距離を短いように感じているのだ。
 とは言え、峠も低いが裾も長い、鬱蒼とした大森林とともに大変道北らしい峠であることに変わりは無い。

 小石でコーヒーを飲み、鬼志別でそのまま浜鬼志別を目指しかけ、思い直して牧草地の脇道へ。最短にも程があるというだけあり、この時点で何とまだ14時前。どうせ急ぐ行程ではない、と思って、国土宇237沿いの猿払漁協ホタテ売店への近道へ脚を向けることにした。こちらの方が確か海岸沿いの台地上で無駄にアップダウンがあるのだ。

 小石峠からの長い下りも近道の牧草地での無駄なアップダウンも海岸近くの強風も、夕方で薄暗いと何だか進行が遅いようないらいら感があって焦るのだが、急いでいなければどうと言うこと無くやり過ごし、すぐに通り過ぎてしまうのが我ながら可笑しい。

 台地の牧草地からオホーツク海へ向かって下り、14:15、浜鬼志別シネシンコで国道237に合流。
 やはりというか海岸にはかなり強い風が吹いている。そして宿方面へは向かい風だ。まあ、毎度の事だ。それにまだ14時台。全く支障無く、国道沿いの猿払漁協ホタテ売店へ向かうことにする。確かここからは宿方面だったはず。

 いつもお盆期間と重なってなかなか営業中に来れないこの売店、今回は目出度くお盆明けの営業中であった。まあお休みでも何でも通販という便利なものがあり、ホタテを買うだけなら全国どこでも可能だ。そしてお店には、今年は大きなサイズのものは無く、通販と同じサイズとのこと。それでもいいのだ、さすがは猿払のホタテで通販サイズでも十分以上に大きいし、訪問客としてはやっとこの店に来れてホタテを買える、そのことがとても嬉しい。

 

 お店を出ると国道237の路上では向かい風が強く、時速17km/hがせいぜい関の山だ。立ち止まるとそうでもないような気がする風なのに、走り始めるとまるで身を削るように吹き荒れているのだ。道端に立つ漁村の建物も、風を切り裂き高速で走り去る車も、凄いなと思う。
 こういう状況で4〜50kmも走ることを無駄な行為だとは思わないが、走りたいかそうでないかと言われれば、やはり走りたくない。つくづく宗谷丘陵へ脚を向けなくて良かったと思う。宗谷丘陵はまた晴れる日にでも。でも今回も2日前まで天気予報は晴れだったんだけどな。
 14:30、浜鬼志別着。宿まであと2kmぐらいだというのに、チェックイン開始まであと30分もある。明日の朝食物資を仕入れておく必要があるので、セイコーマートに立寄り、ついでに15時の間食も集中的にこなしておく。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 国道237が鬼志別川の谷間からオホーツク海沿岸の台地上に登ると、もう意外に近くにホテル猿払が見え始めた。何だ、浜鬼志別から2kmも無いんじゃないのか。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 14:55、ホテルさるふつ着。自転車を毎度の如く屋内のロビーに停めさせていただき、荷物を降ろしている間に15時になって、チェックインすることができた。
 さすがにここでは部屋内に自転車を置くことはできなかったものの、さっきまでの暴風が嘘のように静かな部屋は安堵感で一杯だ。明日の朝、この部屋を出るときには風は収まっているのだろうか。毎回そんな都合の良いことは起こらないので、望み薄ではあるものの、一応希望だけは持っておくことにする。それは毎日のことでもある。旅に飽きているわけじゃない。これこそ、11日行程ならではのたっぷり感である。
 とりあえず今この場所での人生として前向きに、温泉へ入って汗を流した後は一寝入り。起きてもまだ夕食まで1時間以上ある。未だ明るいものの夕方なりに多少は薄暗くなってきた。窓の外、国道237方面を少し伺い、この時間になっても宿を目指して走っているなどということになっていなくて有り難い、とまた心から思う。おやじの旅には安らぎが必要なのだ。

 夕食はアラカルト、宿泊のセット定食より何だか好きなものを集中的に食べた気分になれるのである。たとえ実際に注文するのはやっぱり定食だとしても。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 ところで、沼川でお婆さんに頂いたプチトマトと千秋庵のお饅頭はあまりに美味しく、食後だったにも拘わらず瞬殺で、しかも有効にいただくことができた。「貴方にあげようと思って畑で今取ってきた」と仰ったプチトマトは濃厚なトマトっぽい味で素晴らしく美味しかったし、千秋庵のお饅頭もしっかりぽくぽくと密実な餡が大変美味しいお饅頭だった。次回沼川訪問時にはお礼にご挨拶せねば。

記 2023/2/19

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Last Update 2023/4/16
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