北海道Tour22#10
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11:35、歌登発。そのまま道道120へ。
軽く向かい風気味に風が吹き始めている。しかも道の斜度はかなり緩いものの登りであり、さっきまでの下り基調のペースからがくっと速度が落ちる。
一昨日はこの道を下ってきているので、その下り借金をあまり溜め込まずにここで返しているのだと思えば、仕方無いという気にもなる。
向かい風と緩い登りと暑い照り返しが辛いと思っているうち、歌登の市街地を抜けて1〜2kmぐらいの辺りから速くも空がうっすらと霞っぽい雲に覆われ、日が陰り始めた。そして盆地から谷間に入る辺渓内手前辺りで、雲は完全に空に拡がった。やはり歌登だけ晴れていたのだろう。別に珍しくもない。雨さえ降らなければ、今日は御の字だ。
曇りなので路上の気温が目に見えて下がり、志美宇丹峠への登りはやや楽になって助かる。
しかし一昨日、晴天で牧草地が夢見るように輝いていた志美宇丹の盆地でも、今日は薄曇りのままだった。
乙忠部への道道1023分岐手前ではもうすっかり雲が厚く低い。
そして、志美宇丹と同じく素晴らしい牧草地の風景に出会えた上徳志別では、もはや薄暗くないのだけが救いというぐらいの曇りに変わっていた。
再び谷間に入り、少し進んだ大曲への登りでは、再び空が明るくなって一気に気温が上がってきた。
何と低い雲の合間に、青空まで現れ始めている。今日はこんな感じで天気が推移してゆくんだろうな。
道北スーパー林道分岐から織姫休憩所。天の川トンネルを抜け、フーレップ川沿い区間へと森の中を延々と淡々と進んでゆく。
その後雲は極端に低くならず、雨も降ることは無かった。想定範囲内の穏当な行程となっている。
一昨日とは逆方向からゆっくり登ってゆく道は、地図で眺める以上に延々と、そして鬱蒼と深い森に囲まれている。熊が心配になり始める辺りで車がそこそこ通るので、安心感もある。ただ、キタキツネが例年にも増して馴れ馴れしくなっているのには閉口した。ガリガリに痩せた奴が、白昼堂々もう警戒すらせずに寄ってきたりもするのだ。そういう奴はエキノコックスを持っていそうでコワイので、追っ払う程である。
延々と森が続いた後、道はおもむろに谷底から離陸し、西尾峠周辺の鞍部へ向かってゆく。だまし峠の後登りが一段落し、再び登りとなる登り構成がわかっていれば、その長い距離にじれったくならずに済む。
それに、峠部分には枝幸町と美深町の町界が建っていることを知っていれば、鞍部のどこが峠なのか紛らわしいということも無い。ただ、歌登方面から長い登りを延々だらだらと登ってきた末に、以前建っていた丸太の西尾峠標が完全に無くなってしまっているのは、やはり何だか寂しいような気もしないでもない。峠標を新しく立てないのは、やはり西尾峠の名の由来が故西尾氏から来ているためなのか、などと余計なことを想像してしまう。
記 2023/2/19
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