北海道Tour22#10
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休憩後は道道120へ。まるっきり一昨日通ったの逆走になるが、車が多い国道275へ向かう気はしないし、他のどの道も大回りで過去に通ったことがある。この道が最短距離で車が少ない、一番穏当なコースなのだ。
しかし、今日は空がやや暗い。薄暗いと、兵知安峠区間では深い森から熊が出てきそうで心配なのである。一昨日は確か、峠から谷底に下った辺りで拡幅工事していたはずだ。車の少ない道を選んでいながら、自分で車の通行を頼りにしている。
兵安で道道647が、国道275の秋田へ向けて分岐していった。兵知安峠が嫌なら、今ここで道道647へ向かうという選択肢がある。ただ、個人的に見かけた熊出没実績としては、より山深いこちらの道道120より、里に近い道道647の方が多いようにも思う。単に道道120が山深すぎて、人間向けの看板が立っていないというだけの話かもしれない。何にしても、どっちも山深いというのが適切な捉え方なんだろうな。
牧草地を通り過ぎて谷は一気に狭くなった。そして森の谷底区間へ入ると、空が暗いだけあって雨が降ってきた。
しかし雨は降りつつも陽差しが現れたりもしている。天気予報では雨の兆しは全く無いので、あくまで山間毎度の現象だと自分に言い聞かせ、雨具を着てそのまま先へ。もはやここまで来たら、夕方には仁宇布に着くためにそれしか選択肢は無い。
標高差たかだか200mも無いのに長い登りなのと、その登り斜度が段階的に上がってゆくのは一昨日下って来たばかりだからわかっている。低い峠なので、離陸したらもう峠は近い、等と思っていると肩透かしを食うのも毎度の事。
標高は低くても何かと侮れなくて存在感があるのは、道北の峠に共通した特徴だ。
兵知安峠を越えて歌登側へ。
稜線部分から急降下し、斜度が緩くなって谷底に降りたと思っても、まだまだ見上げる稜線部は谷底の道から遠くない。密な森も笹原もいかにも山深く、道北最北部ならではの険しい表情が漂っている。そんな土地にもちゃんと地名があり、川や山には名前が付いている。
よくこの地に人々は住み着いたものだと思う。思えば宗谷丘陵の道道884だって、全通してまだ20年経ってないんだよな。
しばらく下り続け、谷底が拡がり始めると陽差しが現れ始めた。例によって路上が途端に暑くなる。拡がった谷底の森が切れて牧草地が現れ、牧場が現れ、やっと人里に帰ってきた気分になった。
11:05、歌登着。セイコーマートで休憩しておく。
兵知安峠区間では雨まで降ったのに、ここ歌登では多少雲は出ているもののよく晴れている。そしてかなり暑い。山間が曇りか雨で歌登だけ晴れるのも、毎度の現象で珍しくない。この先、山間で再び雨になっても驚くようなことではないものの、穏当な過去実績の範囲で天気は推移してゆくだろう。そしてこのまま着々と進めば、穏当な時間に仁宇布に着けるだろう。
まあ、毎度のパターンから外れることは無いでしょう。
記 2023/2/19
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