北海道Tour20#7-1
2020/8/12(水)浜鬼志別→中川

浜鬼志別→沼川
(以下#7-2) →豊富
(以下#7-3) →雄信内
(以下#7-4) →中川

127km  RYDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路と航路

 起きようとすると腰が痛い。いてててて、などとそろそろと少しづつ身体を起こさなければならない程痛い。昨夜何となく感じていた腰痛が、パワーアップしてしまったようだ。
 2日続いた輪行の荷物が重かったのか、それとも疲れのせいか。歳で疲れが腰に来ちゃったのかもしれない。そうだとすると、来年以降北海道Tourで気を付けないと、今後旅程をどうるすのか、という話ではある。或いは阿武隈他でも感じている、温泉当りかもしれない。どうも私は温泉成分が効きすぎる傾向があると自分では思っている。温泉宿であまりのいい湯に一晩で温泉に何度も入り、温泉成分が効き過ぎて(?)腰痛になることがあるのだ。思えば、根釧台地や津別峠である程度疲れたところに、生田原のホテルノースキングで集中的に温泉に入っちゃあいて、更にその後2日連続で輪行だったから、全ての要因に可能性がある。
 こういう体調で、今日は一体どうしよう。ひょっとして中川まで3日連続で全輪行になってしまうのか。そんなまさか。いやしかし現実に、ちょっと身体を起こすのも一苦労だ。今日夕方までに、中川に向かうことそのものを諦めるべきなのではないか。
 しかし身体を起こすときに腰がかなり痛むものの、その後とりあえず朝食を食べたり荷造りしている間、一旦腰を動かした後は痛みがどんどん和らいでくることにも気が付いた。調子に乗って身体を動かすと、更に腰痛を強める原因になsる可能性はある。
 でもまあ、とりあえずこのまま準備を進めてみよう。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 5時までに身体は多少ましに動くようになり、まとめた荷物もなんとか1度に1階ロビーまで運ぶことができた。そして多少腰に気を遣いつつも、あまり難儀せずに自転車に荷物を取り付けることができた。
 ならばこのまま、出発できるのかもしれない。
 途中どっかーんと痛みが襲ってくる可能性はあるかもしれない。道北内陸の密林やサロベツ原野のまっただ中で途方に暮れる自分を想像してしまう。中川までの全区間を通し、標高はかなり低いとはいえ、一応曲がりなりにも峠越えだってある。朝っぱらから志賀直哉城之崎状態だ。これがおやじツーリングの実態というものかもしれない。
 でも志賀直哉は、最後は大丈夫だった。そんなことは判断の根拠にはならないことはわかっちゃいるものの、今は良い方の可能性を信じて行動しようと思える。折角、北海道に来れているのだ。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 缶コーヒーを飲んで雨具を着込み、5:30、ホテルさるふつ発。
 今のところ、雲がかなり低くて霧っぽいものの、雨は降ってない。天気予報通りなら今は雨、この後6時台に雨が上がり、そのまま曇りから午後の晴れに推移するはず。そしてやはり、自転車で走っても腰の痛みは気にならないし、多少身体をひねったりしても大丈夫そうだ。出発してみれば天気も行程も不安は無く、自分もいつも通りである。出発して良かった。
 風向きは北西でかなり強い。ホテルさるふつから浜鬼志別の交差点までほんの短い間ではあっても、国道238を進む分には追い風なのが大変有り難い。ただ、出発してすぐ、さるふつ公園の北側に内陸へ向かう舗装細道を発見してしまった。というより、これは去年道道1089から通ってきた道だ。
 こちらへ向かえば、道道1089を経由し、この後小石峠から沼川へと向かう道道138に直接出ることができる。浜鬼志別の道道138交差点まで国道238で向かうのに比べ、鋭角二等辺三角形の長辺と長辺+底辺の関係に近い(やや無理はある)。というより、国道238で台地上から一度海岸の浜鬼志別へ下り、再び台地へ乗り上げるのを丸々回避できるのが有り難い。
 というわけで、あの何か出そうな雰囲気一杯の道道1089を、この早朝に通ることになるな、と思いながら他人事の様に農道細道へ向かってみた。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 牧草地では強めの横風に飛ばされそうだったものの、道道1089は去年通った区間ほど鬱蒼とした雰囲気は無く、早朝であっても時々通る乗用車に安心感があった。それに何と言っても元国鉄天北線。線形の優しさが朝一サイクリング向きだ。

北海道Tour20#7 2020/8/12(水)浜鬼志別→中川 北海道宗谷郡猿払村鬼志別にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 鬼志別には自販機があることを知っていた。自販機があるとわかっていると、何となくコーヒーが飲みたくなっていて、また立ち止まってコーヒーを飲む。
 やはり起きてすぐより腰痛は大分和らいでいる。身体を動かしたのが良かったのかもしれない。となると、腰痛の要因は寝過ぎなのかもしれない。何にせよ今のところはこのまましばらく、全く問題無く走れそうだ。少なくとも小石峠を越えて沼川、最悪でも駅があって宗谷本線で中川へ行ける豊富へショートカットするぐらいの最低限。このまま先へ進んでしまえ。

 鬼志別から谷を遡って小石へ。小石から鬼志別へ下ってきた時の印象より、時間の感覚が短いのが助かる。実際には下りより時間はかかっている。それに時間を短かく感じることそのものに何か実利がある訳ではない。単に気持ちが紛れるというだけの話だ。小石から小石峠までが本格的に山深く不安な区間であり、実際に距離が長いこともよくわかっている。

 極限まで低くなっていた雲は、内陸に入るとともに目に見えて低く、暗くなった。

 そして小石の集落の先、防災休憩所に辿りつく手前で、遂に限界を超えて雨に変わって落ちてきた。こういう時の常で、一気に辺りはびしょ濡れぬらぬらに変わってしまったので、もう上下雨具を着込んでしまう。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
 

 これだけ雲が低いと、小石峠手前の丘陵には雨雲がみっちり溜まってるんだろうな。少なくとも曲淵に下りきるまで、我慢しなければならないかもしれない。上手くいけば小石峠手前からけろっと晴れるかもしれないが、まああまり期待しないでおこう。

 広葉樹も針葉樹も梢から足下の茂みまで密度が濃い道北っぽい密林が、進んでも進んでも高度を上げない平地に延々と続いた後、おもむろに7%位でちょっと高度を上げた途端、辺りは内地の高山帯みたいな雰囲気の開けた笹原に変わった。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 登りは早くも一段落し、道道138は波打つような笹原の背中を乗りこえてゆく。小石峠手前の欺し峠地帯へ移行したのだった。廻りの森が無くなるとともに、かなり強い向かい風が霧みたいな雨を吹き付け、心が折れそうになる。風景は堂々たる峠ではあるものの、ちょろい峠で大変に助かった。

北海道Tour20#7 2020/8/12(水)浜鬼志別→中川 北海道宗谷郡猿払村小石 小石峠にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 GPS画面の猿払村・稚内市界を通過するとともに、見覚えのある小石峠周辺の風景が過ぎてゆき、沼川側の欺し峠区間も思っていたより下り基調で終了。道道138は一旦勢いよく下り始めたものの、多少下っても沼川側はやはり雨なのだった。むしろ小石側より雨粒は目に見えて大きく、路面に水溜まりが現れ始めていた。

 それでも標高90mぐらいまで下った採掘所から、雨は多少弱くなってくれた。やっと天気予報通りの展開に近づいてきた。何とかこのまま沼川まで降りれば、雨も収まるだろう。
 気を良くして曲淵から地元車が多少増え始めた道道138を逸れ、少し北を経由する農道へ向かってみた。沼川まで同じ丘を越えるにしても、沼川に近づいてから丘があるこちらの方が、より早く雨が止むという期待もあったのだ。

 
北海道Tour20#7 2020/8/12(水)浜鬼志別→中川 北海道稚内市声問村沼川にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 しかし農道に入り込むと、雨はむしろ強くなってしまった。そして丘に登ると、雨は更に強まった。もはや普通に本降りである。

 そして沼川側へ下り始めても、一向に雨は止んでくれなかった。結局、農道経由で単純に登り総量を少し増やした結果に終わってしまったのであった。そして猿払村から稚内市に入ったからと言って、雨が全く止まないことも、そろそろ事実として認めざるを得なくなっていた。農道の方が道道138より車が少ないのだけは大変有り難い。

記 2020/12/26

#7-2へ進む    #6へ戻る    北海道Tour20夏 indexへ    北海道Tour indexへ    自転車ツーリングの記録へ    Topへ

Last Update 2021/3/13
ご意見などございましたら、E-Mailにてお寄せ下さい。
Copyright(c) 2002-21 Daisuke Takachi All rights reserved.