北海道Tour19#12
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北海道Tour19秋#12 2019/9/21(土)朱鞠内湖→仁宇布 北海道雨竜郡幌加内町母子里 道道688 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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母子里から道道688で狭い谷間を160m、登り返しにやや汗をかいて名母トンネルへ。
北海道Tour19秋#12 2019/9/21(土)朱鞠内湖→仁宇布 北海道雨竜郡幌加内町母子里 道道688 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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トンネルを抜けるとそこは名寄盆地側に開けた山の中腹で、道道688は山裾を巻いて高度を下げてゆく。途中に名寄盆地の眺めが時々拡がる箇所があるのを楽しみにしていた。
北海道Tour19秋#12 2019/9/21(土)朱鞠内湖→仁宇布 北海道名寄市瑞穂 道道688 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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北海道Tour19秋#12 2019/9/21(土)朱鞠内湖→仁宇布 北海道名寄市瑞穂 道道688 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
道の向きにより士別方面や名寄方面、どちらも母子里からの登り量が少ないのに、地形の変化と名寄盆地への下り量が多いことによるお得感が一杯の眺めだ。陽差しがぽかぽか暖かく、クロカンスキーの練習団体も見かけた。
北海道Tour19秋#12 2019/9/21(土)朱鞠内湖→仁宇布 北海道名寄市瑞穂 道道688 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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名寄盆地へ下りきる前に道道688から南へ分岐、軽めの丘陵を縦断して弥生で谷底へ。
北海道Tour19秋#12 2019/9/21(土)朱鞠内湖→仁宇布 北海道名寄市弥生 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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下りきってもまだ谷間は広くないものの、ここまで森が続いた周囲に畑や牧草地が拡がり始めた。陽差しに照らされて緑が何かと鮮やかで、何ということは無い風景にしょっちゅう脚が停まる。風景がというより、ぽかぽかで自分の気分がいいのだ。
道端に何か看板が掲げられた木造家屋が現れた。何か軽食ネタかと思っていると、そこは元天塩弥生駅の建物なのであった。確かここで宿もやっていた筈である。そうか、名寄・母子里の道道688と深名線は全然違う経路を通っていることを理解してはいたが、こっちが深名線だったことは意識していなかった。トンネルの名前も道道688は名母トンネル、元深名線は名雨トンネル(雨は雨竜郡の雨と思われる)である。
10:50、天塩弥生通過。この分だと盆地を横断して国道238から下川に着くのは13時前になってしまうかもしれない。朱鞠内湖をはじめ、けっこう寄り道したしな。
谷間が盆地へ向かう途中、やや大きな線形で山裾を田んぼの端、森、農家の脇から畑の中へ続く裏道へ逸れて間もなく気が付いた。この道、さっきの天塩弥生駅から続いている。ひょっとして元深名線なのか。それは大変懐かしいことだ。
深名線には、1985年の鉄旅行(ちなみに当時既に旅行の私的名称は北海道Tour85だった)で初めて乗った。名寄本線で1日上興部周辺を撮影した後、15時台の深名線に乗り、朱鞠内、或いは深川までのどこかで駅寝するつもりだったのだ。しかし朱鞠内すぐ手前の湖畔駅で「しゅまりの宿」のポスターを見かけ、旅人ホイホイに引っかかるように下車してそのまましゅまりの宿で1泊。旅人宿の濃厚な魅力に引き込まれ、その後しゅまりの宿が閉館するまで2〜3年ぐらいの間、何度か深名線としゅまりの宿を訪れたのだった。
初めて乗った深名線には、ほとんど等高線と森林記号、まばらな道と地名だけの、内地と全く違う地形図から想像できなかった更に驚くべき風景が一杯だった。
非力なキハ22が30分エンジン回しっぱなしで密林を登った名雨トンネル越えでは、宿泊場所として全く情報が無い朱鞠内への不安と共に、一体これからこの列車はどこへ向かうのかという気になった。しかし、トンネルを抜けてすぐ打って変わって周囲は一気に開け、母子里の明るい緑の牧草地と人なつこい里の風景に衝撃すら受けた。私が母子里に一目惚れした瞬間だった。
その後は延々20分以上、森と高い茂みと立ち枯れが異様な朱鞠内湖畔の風景が湖畔まで続いた。初めてまともに眺めた、北海道ならではのローカル線の風景、というものだったと思う。
深名線での天塩弥生の印象は、異様な迫力をまとう密林と桃源郷母子里の入口、15時前の陽差しが眩しい端正な駅舎に優しく長閑な農村風景である。だから今日ここまで過去の記憶を辿るような旅の最後、突如深名線の痕跡が現れ、なんだかとても懐かしい気分になったのであった。
盆地の真ん中へ下りきり、刈り取り前の稲穂の中、名寄盆地を横断してゆく。こういう平地の裏道は、本来GPSトラック頼みの区間である。
今日は昨日の旭川市街と違い、コースの要所は名寄盆地中程で天塩川を渡る橋一つだけ。その両側は田んぼのグリッドなので、地形図と現実の風景を眺めながら迷うこと無く通過することができた。ただ、東向きの向かい風がややしつこく鬱陶しい。
11:35、風連通過。
国道40と宗谷本線を横断、集落外れから突如細くなった道で下川への台地へ乗り上げる。段丘部の森を登り切って、再び開けた畑の外れには、もう風連の営みの影も形も無い。
森や畑や茂みをアドリブ気味に国道239へ。やや分断気味の細道は迷走気味に屈曲してゆくものの、迷っちゃいないはずだし国道239はすぐ近く。最後は国道239の名寄手前ちょい坂の、夏の国道239訪問時に見覚えある分岐だった。
国道239でも、名寄盆地と同じくやや横風気味の向かい風に悩まされた。日影・朝日・上名寄と、下り基調の追い風で一気に通過できた夏と同じ風向きである。夏の追い風借金(?)の返済だと考えることは可能かもしれない。
向かい風に加え、普通の田舎国道ぐらいに車は多いのが精神的にじわじわつらい。一方、国道275や道道688と比べて交通量は多いものの車が全く途絶えるような瞬間も無いでも無く、夏に通ったとは言え風景ものんびりと悪くない。
山の形と裾までの距離感、川の位置、道の線形を地形図と比べ、名寄まであとどれぐらいと想像しながら脚を進めてゆく。
最後のカーブを曲がって突然セイコーマートのオレンジ色が見えたときは嬉しかった。
12:20、下川着。セイコーマートで目出度く仕入れることができた豚丼を、例によって軒下でいただくとする。流石北海道の秋、9月の12時台で早くも日が赤い。日没までに着けばいいというより、ちゃちゃっと食べて早め早めに行動せねば。
記 2020/1/31
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