五島列島Tour19#7
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大宝で国道384から県道50へ。玉之浦まであと8km。
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細長く湾曲して入り組んだ半島と玉之浦湾の海岸と、陸地を登ったり下ったり。
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途中、戸町切に60mぐらいの登りが地形図に描かれていて覚悟していたが、そこにはあっさりと玉之浦トンネルというトンネルができていた。事程左様に1/5万は情報が古い。
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玉之浦トンネルを抜けると、静かな内海の井持浦沿いにもう井持から玉之浦への漁村が見え始めた。赤みを帯びた日差しが、静かな井持浦を鮮やかに濃厚に彩り、なかなか脚が進まない。しかし遠目に見てもやや新しめの井持浦教会は、この際通過させていただく。
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6:10、井持着。玉之浦とは蛭子崎を挟んで一続きの集落であり、もうほぼ玉之浦到着に近い状態だ。多分16:20には確実に宿に着けるだろう。結局これだけゆっくりしても、福江からぎりぎり3時間。当初の目論見通りだったのが嬉しく、せっかく中通島の行程を前倒ししてきたのに、何だかやや拍子抜けでもある。いや、宿の夕食時刻18時に間に合うかどうか心配しながらの3時間とは、やはり質的に全く違うツーリングができたと考えるべきだ。
それにしても夕食まであと2時間。いや、もう行程も7日目だからこれでいいのだ。風呂に入ってゆっくりしよう。
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等と考えていると、道端に「大瀬崎3km」との看板が現れた。大瀬崎には明日行く予定だ。標高差200m超で3kmか。今なら、大瀬崎へ行って帰ってきても、せいぜい17時過ぎだろう。そして明日の朝、天気予報通りに晴れると限らないのは、ここまでのツーリングの通りだ。むしろ明日云々ではなく、西向きの大瀬崎は晴れている夕方の今、立寄るチャンスなのではないか。しかし標高差200m以上。事前のストリートビュー調査では、確かかなり厳しそうな坂だったぞ。どうする。
などと悩ましいのは一瞬、やはり大瀬崎へ登ることにした。
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取付の急坂で高度がすぐ上がり、すぐに斜度は一段落。日差しが傾いてすっかり山影の中に入ってしまった東側斜面から、まだ日なたの中で眩しいほど明るい井持浦を真下に見下ろしつつ、淡々と登りが続いた。
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地図上の距離で最後の1/3強ぐらい、標高80m以上から、道は再びぐいぐい登り始めた。10%を軽く越える、かなりの激坂だ。上の方からロード乗りが下りが嬉しそうに下って来た。そりゃ嬉しいだろう。
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道が尾根を巻いて東側から西側斜面へ移ると、ガードレールの外は底が見えない開けた急斜面となり、日差し一杯の空中から100m下の海まで大空間が立ちはだかった。自分の高さが怖ろしく、海を見下ろさなくても道の外に顔を向けるだけで心許ない。よくこんな所が車道になったな。
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駐車場と展望台を過ぎ、道の最高地点まで登ってみた。標高220m。一応車道の先端、ストリートビュー予習で見覚えがある灯台への入口だけ眺めておく。
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ここから灯台までは標高差100mぐらい、徒歩で下る必要がある。こういうのに立ち寄るためには、自転車行程だけ考えていてはいけないのだ。いや、時間のせいではなく、怖ろしさでお腹いっぱいになってしまっていた。
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折り返して16:50、展望台着。まだ陽差しは夕陽という程低くないが、充分に赤っぽい。
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赤い直射日光をまともに反射した東シナ海の中へ、シルエット気味になった大瀬崎が突き出していた。巨大な岩の柱が集まって海面から飛び出し垂直に立ち上がり、樹木は岩のてっぺんにしか生えていない。てっぺんが先へ下ってゆき、一番先に灯台が小さく見えた。あそこまで100m、徒歩で下るのだ。
そしてこちら側の岸と大瀬崎の岩が海と空を挟み付け、上下に拡がった空間。急斜面の底は見えないものの、柵が無ければ、いや、柵があっても、例によって海を見下ろすのすら怖ろしい。眩しさ、空間ボリュームの迫力、濃厚な物質感、そして怖さで、風景を長い間直視したくないほどの迫力だ。
宿の夕食までまだあと1時間ぐらい。この風景を眺めながら、日が落ちるのを待つべきなのかもしれない。しかし風はどんどん冷たくなっている。風やちょっとの寒さなんて雨具を着れば凌げるのだが、もう満足してしまっている。それ以上に風呂に入りたい。こういう時、結局私は意外にすぐ下り始めてしまうのであった。
でもこの際、少し下の大瀬崎駐車場にも寄っておく。
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さっきは西側の大瀬崎を見下ろしていたのが、こちらは南側、少し遠くのオゴ瀬、赤瀬である。相変わらず海から高く立ち上がった白っぽい断崖。巨大な岩を巨大な力ですぱっと割ったような、力尽くの岸壁が、海のしぶきで霞みながら遠くへ続いていた。外側は真っ青な東シナ海。もう少し北側に振り返って見下ろせる、さっきまでいた井持浦の、静かな内海の風景からは全くかけ離れた味わいだ。どっちも素晴らしい。やはり今日この時間に、ここまで来て良かった。
下るのはあっという間だった。
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そのまま海岸沿いに玉之浦へ。海の向こうの島と島の間に、やっと大きな橋のシルエットが見え始めた。玉之浦から日ノ島へ渡る橋だろう。玉之浦へ行ったら、日ノ島には是非訪れておきたい。どうせ橋を渡って向こう岸に集落があるだけなのだが。でもそれは明日でいいや。
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17:15、民宿たまのうら着。漁村がぐるっと取り囲む入り江の、静かな玉之浦港に面する小綺麗な宿である。
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女将さんには今日は他に他に自転車3名だと言われた。福江島以外でおよそサイクリストを見かけなかった今回、さすがは福江島と思わせられる出来事だ。自転車乗りの中では私が一番到着が早く、風呂も洗濯も最初にできたのは有り難かった。
3名のお客さんは佐賀のロードバイク乗りの方で、とても気さくな方で夕食時には話しかけていただき、時間があっという間に過ぎた。
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記 2019/6/15