下長谷→平田→平野→横平
(以上#6-1)
→岩松
(以上#6-2)
→宇和島
(以上#6-3)
→吉田→中浦
(以下#6-5)
→明浜→高山
140km
RIDE WITH GPS
14:50、宇和島発。やや寂れた町から山沿いの落ちついた旧市街を経由して県道274へ。ここから明浜までしばらく未済経路となる。
市街地を抜けたところでやっと日が射してきた。と思ったら、急に空の雲が一気にどこかへ飛んでいってしまい、ちょっとした丘越えで汗が噴き出るほど。これを待っていたのだ。
空の青さ、蜜柑畑の緑に、丘越え途中で思わず脚が停まる。
ちょうど15時。やっと天気予報が当たってくれたのだ。
丘の向こうの吉田側、海岸へ降りる森の途中では、宇和海と吉田の町を見渡すことができた。
細道の木陰に木漏れ日が差し、見渡す海の色は晴れた空を映して明るく青く、湾の向こうの山も明るく照らされ、全体的に風景が軽やかで陰影豊かだ。
吉田の町が谷を登ってゆくのも、海岸沿いに漁村が続いてゆくのもよく見える。人の営みで、明るい眺めが更に明るく感じられた。
眺めと居心地の良さに、しばし脚が停まる。
吉田は漁業関係施設やホテルなどが多い。吉田湾に沿った町の栄えっぷりはややノスタルジックな味わいで、岩松から宇和海を辿ってきた身には程良く賑やかだ。宇和島は栄えすぎていて、高速道路やロードサイド店舗の大きすぎて人間生活っぽくない空間感覚、港湾施設の錆や色褪せたペンキがハードボイルドすぎて都会っぽすぎる。それらは間違い無く人間生活に必要な物なのだが、具体的な人の生活というより何か都会という大きな生き物の体臭とか垢みたいなものというか、旅の中では浮いた風景だったな、と吉田の明るい港の風景を前に思わされる。
吉田湾の一番奥で折り返すように県道314へ。道の海側が開け、狭く奥まった湾や建物がびっしり並んだ対岸の営みがよく見える。
気が付くと、もはや空には雲がほとんど無くなっていた。こうなると色彩はひたすら明るく軽やかだ。
赤みを帯びた光が尚更鮮やかで、そろそろ夕方の潮風が涼しく感じられる。
現れては過ぎてゆく漁村は、民家の壁にしても建具にしても、古びてはいるが精密でよく手入れされている。単に風景が美しいというより元気な漁村というか、民家の板壁や家の脇に置かれた網、そんなものののひとつひとつに人々の営みや暮らしが身近に感じられる。
▼動画30秒 青空の宇和海
記 2017/7/4