下長谷→平田→平野→横平
(以上#6-1)
→岩松
(以上#6-2)
→宇和島
(以下#6-4)
→吉田→中浦
(以下#6-5)
→明浜→高山
140km
RIDE WITH GPS
岩松川を渡って宇和海沿いの県道37へ。
津島では県道沿いの「南楽園」という観光施設の看板や、道の両側にスポーツ関係・学校関連施設が目立つ。歩道部分にもトロピカルな樹木が並木状に植えられ、全体的にバブル期のリゾート地っぽい雰囲気が漂っている。前回2001年には南楽園近くのアメリカンロードサイド的なカフェテリアでアメリカンな軽食を食べ、それが宇和島以南の宇和海沿岸に続く県道37のやや弱い印象を、ちょっと裁けた印象にすり替えていた。
もうお昼前。これから宇和島まで、宇和海の海岸沿いで食事できそうな店は記憶に無い。前回の訪問から16年経っているので、もしかしたらその後コンビニぐらいはできているかもしれないが、今は昼食のタイミングには悪くない。しかし、県道37沿いに以前立ち寄ったような軽食施設は見つからない。私的に津島の印象はアメリカンな軽食(もちろん実態とは全く違います)なので、軽食そのものの喫緊の必然性とは別に何か肩すかしを喰った気分だ。
しかしここで何か探さなくても、この先の宇和海沿いには小さい漁村が延々と断続する。どこかでじゃこ天ぐらいは食べられるだろう。そもそも宇和海再訪の大きな目的の一つが、揚げたてのじゃこ天を地元漁村で食べることなのだから。
というわけで南楽園近くでは缶コーヒー休憩程度でお茶を濁すことにした。自転車を停めたついでに天気予報を見直すと、宇和島の晴れは15時からに変わっていた。15時に宇和島に行ったら結局雨が降り始めるのかもしれない。まあ、毎日の事だ。
南楽園の先で軽く半島を越えると、景色は津島外れの何でもかんでも南国リゾート風から落ちついた小漁村へと完全に、一気に入れ替わった。
宇和海の入り組んだリアス式海岸に、県道37は続いてゆく。道沿いには漁村が断続し、小さな湾毎に漁港がある。
内海には波が無く、小さな漁船がおびただしく浮かぶ狭い空間も手伝い、池のように静かな親しみやすさが感じられる。時間帯によっては漁船がことごとく出撃し、さぞかし賑やかなのだろう。
小さな漁村の一つ一つは古びてはいるが全く寂れていない。そして海岸ぎりぎりに続く道と小さな漁村の小さく密集した民家、道ぎりぎりまで迫る海面とびっしり並ぶ小さな漁船や海上の船小屋(のような小屋)は一体の生活空間を作っていた。
漁村のひとつ、国永で、「大山かまぼこ店」というお店を発見。お昼時で仕事が一段落しているような静かな雰囲気を醸しているお店構えに、これは絶対じゃこ天を売っているお店だろうと思った。残念ながらお店自体は閉まっていたものの、対面の生協売店に目当ての大山かまぼこ店製じゃこ天が売っていた。
2001年の宇和海訪問時に、八幡浜〜明浜のどこかで食べたじゃこ天が忘れられず、その後いろいろな場所でじゃこ天を探しては食べてみたものの、その時を越える味には会えていなかった。そのため、宇和海の漁村で食べるじゃこ天には大きな期待があったのだ。6枚も買ってしまった大山かまぼこ店のじゃこ天は、果たして独特の豊かな塩味に揚げたて特有のぷりぷり食感が期待を裏切らない絶品だった。ただ、これに味を占めてその後も併せて合計13枚ものじゃこ天を食べた結果、夕食時にはやや胸焼け気味になってしまった。
▼動画28秒 曇りの宇和海
漁村が切れると、海岸から立ち上がる山が道に迫り始めた。山肌は夏みかん系の畑で一杯だ。
空は相変わらず薄暗いものの海は島のような山を映し、そうでなくても入り組んだ海岸線を舐めるように辿るために、ほぼ常に前方か海側に陸地が見える。
基本的に海岸際に続く道には、あまりアップダウンは無い。しかしやはり時々半島越えはあった。
前回の記憶と言ってももう16年前。それに何度か現れた坂はせいぜい40m、最大でも80m弱ぐらい。地形をよく眺めて等高線を数えないと把握しづらいぐらいなのだった。
宇和島までの間、終始天気は冴えなかった。更に宇和島に近づくと、空はやや暗くなってきたような気がした。
もしかしたら、まさかの雨の宇和海になるかもしれない。そうなったら宇和島から伊予吉田へ各停でも使うか。しかし、今日ここまで輪行解体無しでずっと来ているためか、フロントバッグ+サドルバッグだけの軽装でも、なんだか輪行作業そのものが非常に面倒臭く思えた。
それに空は暗く水滴はぱらつくことはあっても、雨具が必要になるような雨は結局降らなかった。
居心地が良い内海の道でも、この天気では事前にルートラボのトラックを準備していた半島ピストンに向かう気はしない。それに時々写真を撮る度に時間を費やしたお陰で、結局半島への分岐ではことごとくそのまま宇和島を目指すことになった。まあ分岐から道が結構登っているのも見えたし。
14:20、宇和島道の駅「きなんせ広場」着。
敷地を贅沢に使い、やや慌ただしい国道56から奥まった立地としている道の駅だ。しかしその入口はが分散していて、更に駐車場が建物の敷地と分かれているためか、直感的に建物に入りづらい面がある。しかも、オープンカフェ的場所が裏手に設けられている。国道56から離して建てた意図は賛同できるものの、ひたすら配置が気になって、更にきょろきょろ人気の無い場所をうろつくあやしいおやじにも気を取られ、あまり落ち着けない休憩となった。
記 2017/7/4