下畑野川→川口→中黒岩→七鳥
(以上#3-1)
→蓑川
(以上#3-2)
→長崎→二箆
(以上#3-3)
→とろめき→日野浦
(以下#3-5)
→森→長者
72km
RIDE WITH GPS
県道210に戻って森の中を更に下り、いよいよとろめきへの分岐へ。
意外にごく普通の林道同士の分岐っぽいその場所には、「トロメキ稲村林道」という表示があった。稲村とは下手の山腹の集落のようだ。地図上ではその稲村との間で線が描かれていないので、多分道は未開通なのだろう。
森の中を谷底へ下る途中、舗装道路の分岐が登場。谷の下手方面に向かう道だ。地形図にはこんな道は無い。もしやこれは県道33方面へ直接下る道なのではないかと思った。帰りにでも通れれば、登り返しが少なくて済むのかもしれない。
一度谷底へ下ってから、反対側を10%で登り返し、おもむろにとろめきに到着。集落手前の激坂の一番上には林道開通記念碑があった。
山腹急斜面に張り付いた畑、田んぼ、そして石垣の農家。ごく小さい集落ではあるが、前後上下方向へ土地を使いこなしているため、変化に富んだ景色が拡がっていた。そして今日は曇りのためか静かではあるが、農家も石垣も畑も田んぼも、ここまでの他の集落と同じく生き生きとした生活感に満ちている。
集落の一番奥まで行ってみた。まあ奥と言ってもすぐそこではある。
林道の折り返し、再び10%を越えそうな斜度で山中へ登ってゆく手前から振り返るとろめきの拡がりが、狭い谷間の急斜面から空へ開けていた。それはまるで下界と空の接する場所であるように。
現実には、谷間下手の上空にますます濃い雲が次第に高度を下げてきているようだ。もう11時半過ぎ。念願のとろめきに訪問できたことだし、次は国道33沿いに適当な昼食場所を探すか。確かツーリングマップルに何か書いてあったし、何か食べられる店があるといいな。
帰り道はさっきの分岐で迷うこと無く下り方面へ。
途中ところどころで森が切れ、今日ここまで眺めたどの集落より急斜面の田んぼ、そして黒藤川の集落が現れた。
見事な急斜面への貼り付き度に脚が停まる。有名な長野県の秋葉街道方面、日本のチロルと呼ばれる下栗に勝るとも劣らないようにも思えた。というより、これがこの辺りの山里の、普通の住まい方なのだ。
しばらく中腹をやや緩めの下り基調で横切っていた道に、上から県道210が降りてきて合流し、そのまま民家、畑や田んぼの間をどんどん降りていった。
途中から空気中に水滴を感じ始めた。相変わらず、というか前方南側の山々にかかる雲の色はますます濃くなっていて、頭上も雲の動きが結構速い。間違い無く雨が降りそうだというより、いつ頃から降り出すのかという次元に推移しつつあった。
12:00、下りきった日野浦で朝に通った国道33に合流。私にとって16年間の懸案を達成した七鳥からとろめき経由の寄り道は、国道33ではわずか数kmだ。まあ、私的な寄り道というのはいつもそんなものかもしれない。
記 2017/6/11