中川→(道道541他)歌内→(国道40)雄信内
→(道道256)幌延
(以上#8-1)
→(道道121他)沼川
(以上#8-2)
→(道道1119他)下増幌→(道道1077)東浦
(以上#8-3)
→(国道238)浜猿払→(村道エサヌカ線・
天北南部広域農道他)浜頓別
158km
RIDE WITH GPS
13:05、東浦着。浜鬼志別まで15km。さっきまで東向きの風だったのが、オホーツク海岸では南南東向きに替わっていて、見事な追い風である。これならレストランさるふつは楽勝だ。
海岸沿いの国道238には、登りも下りも殆ど現れない。道道1007の森から東浦で眼前に海が拡がったときには、「おお!」ぐらいの感動はあったものの、5分も海が続くと、変わり映えしない海の風景にそろそろ退屈になってくる。現金なものだ。▼動画31秒 静かなオホーツク海 寂しげな北の空
空の雲はかなり高いものの、完全に空一杯に拡がって、日差しは完全に消えていた。海岸線の微妙な凹凸や小さな川、丘や、苗大路、知来別、知来別シネシンコ、浜鬼志別シネシンコと独特な地名を時々眺め、交通量はだいぶまばらながらいかにも国道らしく時々通り過ぎる大型車に抜かされたりすれ違ったりしながら、番屋がぽつぽつ並ぶ海岸で脚を回す。ややどろんと、それでも重いというほどでもない色のオホーツク海が、行程の単調さを盛り上げる。幸い今日は追い風基調なので、進むのが楽なのがまだマシだ。
しかし追い風だけあって進行は意外に早く、13:30、浜鬼志別の漁協売店到着。近年ここの前を通るように計画しても、毎回お盆休みだったこの売店。今日はもうお盆明けで営業中だ、やった! と喜んでしまうほど、やはりここの冷凍ホタテは過激に安い。お徳用パックだとホテルさるふつ売店のざっと半額程度。いや、あっちも札幌価格や内地価格より安くて甘くて美味しく、不満など何も無い。こちらが安すぎるのだ。
浜鬼志別のセイコーマートはこの際もう通過、13:50、ホテルさるふつ着。自転車を停めて速攻でレストランへ。やはり昼食営業は14時までだった。せめて15時だと大分来やすくなるのだがとは思うものの、この国道238のまばらな交通量を見ていると、営業合理化としてある程度仕方の無いことのような気もする。とりあえず直近の行動として、全力でホタテフライ定食を食べることに迷いは無い。
14:15、ホテルさるふつ発。走り始めると、ホタテフライ定食で腹ががぼがぼになっていることが実感される。こういう時に追い風なのは、大変に有り難い。
浜猿払まで9km。辺りはまるっきり平野なのに、道端に登場するのは茂みと電線と時々の民家かライダーハウスだけ。
道が海岸からやや内陸へ入り、海の眺めは次第に無くなり、風景を更に単調にしていた。
芦野への分岐、スノーシェッドを過ぎ、浜猿払へ。浜猿払から今日の終着浜頓別へは、近年毎度の村道エサヌカ線を使う。
このエサヌカ線は、浜猿払の集落を外し、少し先で国道238から海岸沿いへ向かう正規ルートが設定されている。しかし一介の自転車ツーリストとしては、少しでも交通量が少ない細道の方が落ち着く。集落経由の細道では、一番海岸沿いの道沿いの民家がことごとくぱっと見築10年以内、いや、その多くは築5年以内の、しかもけっこう大きな住宅ばかりだ。真新しい民家自体は北海道では珍しくないものの、この辺はその傾向が顕著だ。羅臼では海岸の漁村が羅臼御殿と呼ばれていることを思い出した、その羅臼御殿よりさらにゴージャスに見えるこちらの家々も、聞くところによるとホタテ御殿というらしい。
浜猿払の集落を過ぎると、細道は本格的にエサヌカ線に移行する。
▼動画44秒 村道エサヌカ線 北の大地に続く細道
海沿いの牧草地に幅6mぐらいの道が、道幅が1点に収束するぐらい視界の彼方へ一直線に続いてゆく。国道238がもっと内陸へ向かってから低い丘を横断したり、何度か緩く曲がったり、時々低い台地に乗り上げたりして、最終的に海岸沿いの浜頓別へ辿り着くのと違い、こちらは海沿い1本道。浜頓別へ距離はやや短く、海岸近くなので丘の緩い登り下りも無く、何と言っても大型トラックが全く来ない。ただ、風の影響は受けやすい。幸い今日は、オホーツク海岸へ出てからずっと追い風が続いている。
エサヌカ線は最初は岸壁の端から海が見えるほどの海岸沿いに、次は海は見えにくいがまだ波の音が聞こえるぐらい、というように少しずつクランク状に内陸へスライドしてゆく。クランクで内陸側へ移ってから最初のうちは次のクランクが見えることが無い程度に、それぞれの区間は結構長い距離で続く。
そしてクランクを経由し、内陸側へ移ると共に、前方にうっすら低く見えていた歌登の山影が、少しずつ大きく、色が濃くなってきた。▼動画46秒 何とか正面に森が登場
再び空の雲が流れて、日差しが現れていた。さすがに牧草地で脚を止めるとすぐにゴマフアブが寄ってくるものの、天気も風も時間的にも全く心配が無い今日のエサヌカ線である。途中で猿払村から浜頓別町に入ると、道の名前は村道エサヌカ線という名前じゃなくなるが、そんなことはどうでもいい。浜頓別まで17km、1本の道なのだから。
山影が次第に大きくなってきた。坂皆無で追い風という好調要因と、写真を撮ったり草原を眺めて道端でパンを食べたり、どうしても時々立ち止まってここにいたいという気持ちがせめぎ合った結果、浜頓別までは2時間かかった。
まあ、幸せなのんびりペースである。思えばルートラボで計画精度が抜群に上がり、ドコモ回線で現地の天気予報をほぼリアルタイムで収集できるようになって、無理な計画をしなくなった。
16:10、浜頓別着。
セイコーマートに立ち寄って、お金を下ろして明日の朝食にHotchefの(豚丼)とクロワッサンを買ってから、16:40、「トシカの宿」着。
夕食は待ってましたのジンギスカン。同じテーブルの方々がジンギスカンを熟知した方で、野菜と肉を焼く順番、食べるタイミングにペースなどなど事がスムーズに運び、大変有り難かった。
乗り換え地点 | パターン1 | パターン2 |
浜頓別BT発
宗谷バス 音威子府着 |
7:17
↓ ↓ ↓ 8:40 |
13:57
↓ ↓ ↓ 15:28 |
音威子府発
JR宗谷本線 美深着 |
13:04
↓ 普通 ↓ ↓ 13:42 |
15:46
↓ 特急 サロベツ ↓ 16:12 |
美深発
美深町営 デマンドバス 仁宇布着 |
14:10
↓ 第4便 ↓ ↓ 14:40 |
タクシー 輪行 |
明日の天気予報は、朝の予報からかなり悪化して午前中雨に変わっていた。その後曇り時々晴れである。仁宇布までの行程をどうするかが問題だ。
仁宇布まで行くなら、道道120の歌登から先の山奥で雨に降られたり、そうでなくてもなるべく17時以降に仁宇布に着くような行程を組みたくない。そして、仁宇布まで公共交通機関で辿り着くためには道道120経由ではなく、音威子府・美深経由となる。
つまり、雨の降り方や明朝の午後予報次第では、道道120での自走仁宇布到着ではなく、本来の経路とは全く離れた大回り経路で、音威子府から輪行に切り替える必要がある。このため、予定コースを進みながら仁宇布自走と音威子府アクセスの両方を藪睨みする必要があるということになる。更に決断の時刻をなるべく遅くできるようなコースの方が、結果的に無駄の無い行動ができる可能性が高い。
もし明日朝の時点の天気予報が今より悪化して雨が午後まで延びそうなら、もう朝からバス輪行に切り替える必要がある。浜頓別からの音威子府行バスは、朝の次はもう14時前だし、仁宇布へはタク輪になってしまうからだ。
そうでなければ、コースは国道272で小頓別→歌登の一拓だ。国道272は道そのものが音威子府へ向かっているので、このコースなら小頓別、最悪歌登まで決断ポイントを先延ばしにできる。仁宇布までフルコースで走った場合の走行距離は120kmとかなり短めではある。天気が不安定なので、こればかりは仕方無いかもしれない。中頓別から直接歌登へ向かう道道120の兵知安峠は通行止めという情報だし、とにかく朝雨が降っていて、お昼以降も曇り予報なら、知駒峠経由のコースを選ぶ余地は全く無い。
そして更に明後日。天気予報だと、何だか夕方から大雨らしい。かなり大型の低気圧が着々と脚を進めてきていて、天気図を見ればその確度は一目瞭然なのだった、悲しいことに。明後日夕方、美瑛の自走到着と翌早朝の旭川空港アクセス手段を何か考える必要があるかもしれない事態もありうる、と思った。そして実際の展開はそんな簡単なもんじゃなかったことは、この時まだ知る由も無かった。
記 2017/2/18
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