北海道Tour16 #8
2016/8/18 中川→浜頓別-1

中川→(道道541他)歌内→(国道40)雄信内
→(道道256)幌延
(以下#8-2) →(道道121他)沼川
(以下#8-3) →(道道1119他)下増幌→(道道1077)東浦
(以下#8-4) →(国道238)浜猿払→(村道エサヌカ線・
天北南部広域農道他)浜頓別
 158km  RIDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 昨夜時点で天気予報は夜明けまで雨、6時から晴れだった。4時に起きて一度外を眺めると、夜明けの明るい澄んだ空が見えたものの、しばらくいつものように出発準備とながら朝食を進めて5時頃もう一度外を眺めると、いつの間にか空一杯に厚く低く薄暗い雲が拡がっていて、荷積み中に雨まで降り始めた。これだと天気予報の通りではある。

 

 今日の宿は浜頓別「トシカの宿」。宗谷本線沿いに道道を乗り換えて幌延、内陸の道道121を周辺の未済裏道主体で内陸を宗谷湾数kmまで北上し、宗谷丘陵南の道道1119でオホーツク海へ半島横断、最後は静かなエサヌカ線で浜頓別へという予定だ。特に通行止め情報は無い。
 似たようなというより、今日とかなり似たコースを2012年に訪れている。天気に恵まれて何とか走れそうな今日も、一昨日に引き続き2012年のコースと似た道を通るのは何だか因縁を感じる。
 今回は前半の幌延以北で、道道121周辺の未済脇道をいくつか通る点が目新しく、楽しみだ。ちなみに内陸の道道121は、仁宇布から中頓別までやはり内陸ど真ん中の山中を延々北上する道道120の1番違い。ともに道北内陸の基幹道としての位置づけが感じられる。

 荷積みが終わったところで、ちょうど雨が止んだ。幸先がいいようではあるものの、山の谷間にはまだ低い雲がとっぷりしつこく貼り付いて溜まっていて、いつ再び降り始めても何の不思議も無い。大丈夫、これから晴れるという天気予報を信じて、多少降られても希望を持って進もう。

ポンピラアクアリズイングから歌内経由で雄信内へ 赤は本日の経路

 5:50、中川「ポンピラアクアリズイング」発。案の状、町外れから再び水滴が空気中にぱらぱら感じられ始め、そして町を出るとあっけなく雨に替わった。
 一方、空の南半分は見事に晴れ渡っていた。これから向かう北半分はどんより雲、まるで冗談みたいに分かれているのである。雨雲と晴れの境界が南からやってきて、北上する自分のいるところが境界なのだ。雨雲と晴れの境界よ、早く追い越してくれ。等と思っていると、また雨が降ってきた。
 雨は勢いは弱いが密度が濃く、雲の低さとどんより具合を見てもなかなかしつこそうだ。こういう雨は、意外とすぐに服がずぶ濡れになって身体が冷えて動けなくなってしまう。出発したばかりで何だか前に進もうという気が削がれるものの、仕方無い。立ち止まって雨具を着込む。

空の半分が見事に晴れ PENTAX K-1 smcPENTAX FA31mm1:1.8AL Limited

 雨雲と晴れの境界はなかなか動いてくれないようで、雨はなかなか途切れてくれない。弱まったと思うと道の向きが変わっただけでまた強くなったりしていた。そして空は意外に明るいような気はするものの、劇的に明るくなり始めるということは無い。まだしばらく基本的に雨が続くのかもしれない。今日のように雲が低くて密度が濃い状態では、山裾では当たり前のように雨っぽくはなるのだろう。

 

 歌内から私的基本パターンで国道40へ。途中、歌内大橋から濁流の天塩川を眺めてみる。というより、ざーっという重低音に、橋の上で思わず脚が停まった。流速がやや速い泥水が、川幅一杯に溢れそうだ。川面には水煙が漂っている。息を呑んだ。そもそも近年の訪問では道北の天候が不安定で、穏やかな天塩川を眺めた記憶が無いが、これまでで最大級の迫力だ。恐怖を感じるほどだ。

ど迫力の天塩川 空もどす黒い RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 今、今回の大雨が過去の北海道Tour中最大級であることを実感した。道東の中標津からここ、道北まっただ中の歌内まで、大雨による行程への影響としては最悪の事態からは逃れることができていたことがよくわかった。

 国道40では、雨が止んだり大雨だったり。

 こちらの雨具は上下ばっちりだし、バッグも防水スプレーでこてこてに防水済だ。ほんの少し追い風気味なのが有り難く、安定しない道路際路面のスリップを避けるために25km/h制限で進むほど。

雄信内大橋から天塩川を望む 相変わらずの凄い水量 RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
  雄信内から南幌延経由で幌延へ 赤は本日の経路

 しかしやはり雨だと辺りは暗く、風景の色は全体的に灰色っぽく、何より太陽の光を浴びることができない。思考は自然と内向きになり、対照は目の前にあるものと全く無関係に、そして自分の中だけを回り続けてゆく。もしこの場所で今晴れだとしても、暑すぎればやはり身体を動かすのもつらいし、思考だって鈍る。自転車で走っているだけのことなんだが、どうもあまり自由ではない。つくづく人間なんて弱いものだと思う。

 雄信内の先から道道256へ。

再び宗谷本線沿いへ RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 南幌延の手前で雨が消えるようにすっと止んだ途端、軽いというか乾いた風が吹き始め、空気が一気に軽くなった。見る見る路面も乾き始め、急に空の雲が明るくなってきた。天気が回復基調に移行しつつあるのだ。

 

 7:50、幌延着。宿でちゃんといろいろと朝食は摂ったものの、今日はこの先オホーツク海岸の浜鬼志別までセイコーマートは無い。せっかくのセイコーマートだし、雨も一段落着きつつあるので、少し休憩することにする。その間、雲の中は眩しく明るくなり、ところどころ雲が切れて青空が見え始めていた。いいぞ。

記 2017/2/18

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Last Update 2020/3/18
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