チミケップ湖→(道道494)日の出
(以上#6-1)
(以下#6-2)
→(町道・農道)相内→(国道38他)留辺蘂
→(国道242)仁田→(道道1032・244他)遠軽
(以上#6-2)
(以下#6-3)
→(道道137他)立牛
(以上#6-3)
(以下#6-4)
→(道道137)西興部
169km
ルートラボ
夜明けまで雨は降り続いていた。天気予報はやはり6時から9時まで雨、早朝のダート山越えは雨の中かもしれない。他に道は無いし、チミケップ湖の山から北見盆地の日の出に出たら雨は上がるだろう。どうせ知ったコース、のんびり行けばいいのだ。雨具だってあるのだし。
朝の雨は一昨日から覚悟している。しかし、15時以降も雨予報に変わっている。降水確率30%降水量0m。多分その頃は滝上〜西興部、オホーツク内陸の低山地帯。コースのどこも山間だ。基準地でそれぐらいの予報なら、もっと降っても全然不思議じゃない。ただ、さすがに鴻之舞とか立牛ほど山奥ではないし、所詮は降水量0mm予報。小雨じゃなさそうだが雨具を着て走れないという事態にはならないだろう。
だって折角4年振りのこのコースへ、脚を向けるチャンスなのだ。結局雨が降るときは降るし、降らないときには降らない。降るかもしれないと思っている方が心の準備にはなる。朝と夕方に降るかもしれない雨など、そんな程度のハードルでしかない。
5:40、チミケップホテル発。雲が低く薄暗い早朝の湖岸である。
少し北側のキャンプ場で爽やかな朝の定位置写真を撮るため、半ば意地になってチミケップホテルに泊まる計画を続けて3年目。ああ、それなのにキャンプ場手前で、雨がぱらぱら降り始めた。この雲の低さなら順当な展開ではある。
もう定位置の写真も撮る気はしない。訪問の証しとして、キャンプ場の流しで水は頂いておく。昨日曇りだからと言わずに、定位置写真を撮っておけば良かったのかもしれない。とにかく、今年は遂に定位置写真すら撮れなかったのであった。
等と干渉に浸る余裕は無く、雨はやや強くなり始めていた。
今時珍しい程昭和の林間学校の色濃いYMCAの宿泊施設も、今朝は全く人気が無い。湖岸から短い舗装区間に入ると、雨はいよいよ本降りになってきた。
舗装区間が終わると共に森が深くなり、次第に登り斜度を増してゆく。まだ早朝で森の中は薄暗い。なんだかヒグマが出そうな雰囲気が漂っている。ヒグマよ、頼むから現れないでくれ。それがお互いのためだ。というか圧倒的に向こうが強いんだよな。
幸い、登り途中の谷底折り返しから雨は小降りになってきた。そんな都合のいい話は無いぞと思っていると、更に都合良く雨は目に見えて弱まり、そして稜線手前部分で濃霧に替わった。
近くでも濃淡がわかるぐらいに霞みが森の間から押し寄せてきて、一時視界は50m程度にまで落ちた。今回はどうも都合のいい話なのかもしれない。
相変わらずヒグマが出そうな薄暗い湿った林道は不安だ。しかしもう登りが終わった稜線区間、最悪下るという選択肢は取りやすい、と思ってから、流石にダートで35km/h出すわけにはいかないことに気が付いた。訂正、ヒグマだけはやはりとにかく勘弁だ。
まあヒグマさえ出なければ、極上ダートなので路面の心配は無く、幽玄と漂う濃霧が何だか楽しい。
北見市に入った稜線部のピーク辺りで森の霧がすっと消え、一瞬空の青い色まで見えた。
ダートは山腹からポンオロムシ川の谷底へ降り、深い森の谷間の長い下りが区間へ移行。
路面は更に良好ではあるものの、石に乗り上げないよう最低限の注意は必要だ。まああまり調子に乗って速度を上げずに、脚を止めて徒然なるままに下っていればいいだけだ。
谷間が別の谷間と合流し、道も別の道と合流。
舗装区間が始まっても、まだまだ深い森の下りが続く。
舗装路面自体はそう荒れていないのに、道が狭くて苔生していて急なカーブが多く、調子に乗って速度を上げると滑ったり、たまーに現れる対向車とぶつかるような事態は避ける必要がある。
やはりあまり速度は上げられない。
舗装路面が再びダートに替わり、少しは狭くない谷間に出ると、もう北見盆地も間近なはずだ。再び舗装に替わった道幅と頭上の空が拡がって、初めて雲が大分高くなっていることに気が付いた。これなら安心だ。もうこれからどんどん晴れてゆくのだろう。
周囲に残っていた森が開けて、道は北見盆地の畑の中へ。谷間全体がさっきまでの森に比べて明るい。舗装路面が乾き始めている。そして山の中から平地へ出たのと、急速に晴れていることの両方が影響しているのか、行く手の雲が切れ、青空が拡がり始めていた。
7:30、日の出着。次は相内への丘陵越え区間へ。最大40m程度の丘越えが2回、北見盆地だと思っていると毎回しんどい場所だ。
しかし通る度に思うのは、丘陵に拡がる畑の風景が、いかにも北海道の畑のイメージそのものの風景であるということだ。それはもう文句の付けようが無い程に。
今日はまだ太陽に雲がかかっていて日差しは出ていないものの、行く手の空に大方の雲は消えつつある。遠景が青空を背景にすっかり澄んでいて、丘の風景が尚更拡がるようだ。
もう雨が降ることは無いだろう。と思っていると、路面の色がちょっと変わるぐらいに雨が降ったりして、またすぐ止んだ。部分的に空気中の水分が残っているような状態なのかもしれない。
8:00、相内着。目の前を石北本線の普通列車が通過していった。今日のコースは、2012年以来輪行を余儀なくされていた。やっとこのコースを石北本線に乗らずに済んでいることが、大変感慨深い。
いかにも野菜の産地北見盆地らしく、国道38は瑠辺蘂まで12km野菜畑に続く。やや埃っぽい幅広の路上には交通量、特に大型車が多く、慌ただしく怖くてつらい。しかし、このそう広くも狭くも無い谷間に、連続している道はこの国道38しかない。瑠辺蘂まで辿り着けばセイコーマートで休憩できるし、その先は車が少ない国道242だ。
とはいえ、もう完全に路面も空気も乾いているし、時々メーターを眺めてそれでも勤勉な程度に脚を回していると、意外に早く瑠辺蘂手前の小山が見えてきた。そんなもんかもしれない、12kmという距離は。
8:45、瑠辺蘂着。
以前1989年と2000年に泊まった町営YHの建物が、YH休館後そのまま町民会館となっている。国道38からいつもその建物を眺め、在りし日の瑠辺蘂YHを思い出すのが、瑠辺蘂での私的ミッションとなっている。ちなみに瑠辺蘂YHは、2016年現在まだ廃止にはなっていない。
瑠辺蘂二つ目のミッションは、国道沿いのセイコーマート。一応早朝のチミケップホテルで、昨日津別で買った朝食物資を食べたものの、次のセイコーマートはもうお昼前の遠軽だ。お昼までの中間に何か食べるのに悪くないタイミングでもあり、やや集中的にいろいろ食べておく。
その間、空に残っていた雲がどんどん動いて青空に替わり、遂に日差しが登場。辺りがかっと明るく照らされ景色の掘りが深くなる。気温も一気に上がり始め、途端に暑さを感じ始めた。何も急にこんなに暑くならなくてもとも思うが、北海道の夏の日差しは大変厳しいなんてわかりきっていることじゃなかったか。晴れなら雨より有り難いのだ。
9:05、瑠辺蘂発。
町西側の交差点から国道242に進むと、途端に車が少なくなり、自分の周りにある程度は静かさと落ち着いた時間が戻って来る気がする。
北見方面から遠軽へは、以前はサロマトンネル、ルクシ峠、東峠経由の国道333をよく使っていた。あちらは大まかに中小峠3発、何度か通るうちに、特に佐呂間・安国間で交通量がどんどん増えていった。次はもう瑠辺蘂経由を試してみようと思ってから、その後ずっと瑠辺蘂経由となっている。恐らく遠軽自動車道開通の影響であり、近年はもっと増えていることだろう。
こちらの国道242は、北見からだと国道38込み瑠辺蘂経由でやや大回りに見える。しかし今日は北見からではなく、相内からの合流だ。瑠辺蘂から遠軽まで約40km。最初に標高差140mの金華峠を越え、その先は遠軽まで30km強淡々と単純緩緩下りが続く。遠軽の数km手前、安国で国道333と合流して交通量は増えるものの、その辺りは遠軽の盆地の始りで、もう裏道が選べる。遠軽市街をなるべく車が少ない住宅地で通過できるのだ。
というわけで、瑠辺蘂の分岐からすぐに金華峠が開始。登りと言っても所詮は標高370m、最初から最後まで斜度は緩々だし、今日は雲が多くて更に助かる。
途中に目立った展望も見所も無く、石北本線の常紋信号場も、もはや人気の全く無い寂れた佇まいぐらいが目印程度に登場するだけだ。一ツーリストとしては、SL時代常紋信号場と言えば石北本線の名だたる難所で名撮影地、泣く子も黙る存在だったことを思い出すのが、名撮影地へのせめてもの敬意である。
清里で金華峠からの下りが一段落。
その後次第に拡がってゆく谷間の畑に、更に安定した緩下りが遠軽までひたすら淡々と30km以上続く。
今日のような追い風だと、絵に描いたような経済走行が可能だ。かつてかなり強い向かい風の日もあったので、毎回この追い風を期待するわけにはいかない。
小山に囲まれた盆地が一気に拡がり、10:10、生田原着。遠軽まで20km、11時前の遠軽着が見えてきた。強追い風のお陰でなかなか好調だ。
安心したところで、生田原の町中にまさかあると思っていなかったセイコーマートを発見。幸先がいい。用も無いのに緊急缶コーヒー休憩としておく。
安国で漸近線のように国道333が近づいてきた辺りで、狙い定めてGPSトラック通りに裏道へ。北海道にしてはやや珍しい、内地のような普通の農家の集落を少し経由し、道道1032でやや屈曲しつつ遠軽へ。
市街地裏手で遠軽を通過するこちらの経路は、多少ジグザグ過ぎる嫌いはあるものの、遠軽市街を抜けるまでどうせ大した距離じゃない。それに前述のように、大型車が多い遠軽市街の国道242を避けることができる。
10:55、遠軽着。湧別川東岸住宅地のセイコーマートで休憩とする。
11時までに遠軽に着けた。なかなか順調な進行だ。一方、生田原から遠軽に向かう間にまたもや空に低い雲が増えていた。というか、いつの間にか空に青い部分が全く消えている。しかも何だか遠景の山が霞みっぽい。空気中には時々水滴も感じられる。明らかに雨が降る可能性が高まっている。
そういう状況下で遠軽から10km足らずの千代田から、峠を二つ越えた立牛までは結構な山奥が続く。海岸からの距離は30km、全くの無人地帯で峠は標高460mの上原峠と400mの狐沢橋越え。立牛の先にも標高300mのトンネルがある。実際にも、かつて上原峠・狐沢橋間の逃げ場が無い鴻之舞で雷雨に降られて、とんでもない目に遭ったことは忘れもしないというか、雷雨の恐怖をまだ身体が覚えている。今回もそういういやな雰囲気が漂い始めている。
予報は少なくとも15時まで曇り。それなら立牛の先の滝上まで行ける。何と言ってもこの区間に通行止め情報が無く、2012年以来4年ぶりの訪問チャンスなのだ。ぎりぎりの選択、という言葉を思いつつ、今回は天気予報を信じて行ってみることにした。行って「みる」、とはいえ撤退は効かないんだけどね。
11:20、遠軽発。
学田から道道137へ入り込むと、途端に周囲は畑に替わり、車が殆どいなくなった。
低く丸い山沿いにくねくね谷底の平地を進んでゆく道に、4年振りに来たという印象は全く無い。そして、「道道137」と描かれている六角形の看板に、この道に来れていることを実感し、嬉しくなった。いろいろと悩んだものの、帰ってきた感一杯の、道道137なのだった。
しかし一方、展開はやや不安だった。進むにつれて谷間の雲はますます低くなり、社那淵では早くも空気中の水滴が雨と酔えるぐらいに密度が上がり、路面の乾いている部分が少なくなってきた。雨具を着込みつつも、まだ大丈夫、山々がくっきり見えていると自分を安心させる。
最後の集落、千代田の自販機で、ポカリスエットを飲んでおく。まだ遠軽で食べたお昼が腹にがぼついている気はするが、30km以上先の立牛まで完全無人地帯だし、立牛には民家はあれど自販機は全く無い。もう濁川の道の駅まで45km、商店はおろか自販機、いや、給水可能な小学校的なものすらひとつも無い。ボトルにはちゃんと水が入っているので、これは先行きの見えない展開に向かうための、気持ちのスイッチなのかもしれない。
千代田の畑が終わると、上原峠の峠区間だ。
谷底の森から山肌へ、次第に淡々とトラバース気味に6〜7%ぐらいで、そして一気に高度を上げること無く標高を上げてゆく。
特徴的なのは登りが比較的長いことだ。斜度は緩いし峠の標高は460m、麓から400mの標高差は、北海道、特に道北の峠では高い方である。内地だと400m登りなんて当たり前なのだが。
山肌の道はいつの間にか谷底を、周囲の山々を見渡し、そしていつの間にか周囲の稜線を見下ろしてゆく。ずっと遠景は澄んでいて山々がよく見えていた。霞んでいる印象は全く無い。
登るにつれ雲は次第に高くなり、もうこれ以上深刻な雨にはならないだろうという確信を、次第に持て始めていた。
上原峠通過まで水滴だけは僅かに感じられていたのものの、案の状、峠の向こう側で下り始めると水滴は全く消え失せた。
気温はぐっと冷え込んで肌寒いほど、そして空はやや薄暗い。しかし、雲自体は相変わらず高く、遠景も澄んでいる。
谷底に降りると、頭上に大型の猛禽が一羽、低空飛行で先行しはじめた。飛び方自体はふわふわ舞っているぐらいののんびりしたもので、先行しては遠くの先の路上で停まり、こちらが近づくとまた先へと道路上空を飛んで行く。こういうのはもっと北の仁宇布周辺や道道120辺りで見かけることが多かった。だいぶ南のこの辺りでも出るようになったか、と思う。
13:05、鴻之舞着。谷底の道道305と離合、再び道道137単独で狐沢橋越え区間へ。併用区間は、かつてのほぼ交通量皆無だったこの道の記憶よりは車が増えていた。2011年、ダートだった金八峠が金八トンネル開通で、この道に車は確実に増えているのだ。
道道137の私的通称狐橋越え区間は、どこからどう見ても峠なのだが、この区間のピーク部分に峠の名前は付いていない。
国道のちょい峠に名前が付いていて、こういうマイナー道道の峠に名前が付けられないのは何だか不条理だとか、交通量が多い場所に名前が付くのは当たり前のことだとか、とにかく今は曇っているがこの道が通行止めじゃないこと、天気の条件が揃ってここへの訪問が成立していることに感謝したり、いろいろなことを考えてこの展望が少ない登りをこなしてゆくことにする。
そう考えれば、峠部分の急斜面を一気に飛び越す狐橋だって、今日は崩落していないし何とか雨も降っていない。至って平和な久しぶりの訪問だ。
谷間が狭く森が深い立牛への下りは、ヒグマが出そうで早く終わって欲しいと思っていると、やや長く感じられた。
たかだか標高差200m程度なのに、北海道の峠の例に漏れず斜度がとても緩いのだ。
谷が別の谷と合流、谷底の1本道が別の下って来た道と合流し、辺りが開けた牧草地に替わると立牛の谷間だ。ここまで無人の大森林が延々続いてきたので、拡がる牧草地に何だか里に下りてきた気分で一杯になるものの、興部の海岸部から遡ればここだって実は相当な山奥なのだ。2001年、未開通だった道道137の代わりに通った上古丹4号沢林道・ウチャンナイ林道白樺峠への道を聞いた酪農農家は、今回は納屋が荒れ放題となっていた。あれももう15年前のことなのだ。
14:10、立牛着。集落中心でも民家は廃屋が目立ち、前述のように自販機は無い。静かな集落には、しかしながら人里の安心感が感じられ、水を飲んでパンを食べておくことにする。
更に少し写真を撮ったり地図交換をしているうち、あっという間に20分ぐらいの時間は過ぎるのであった。
滝上まで最後の峠は西立牛トンネル越え。
標高差180m未満、地形図だと短い道なのだが、山腹1回折り返しで直線トラバース気味の登りは毎回意外にしんどく感じられる。
トンネル向こうの滝上側も、谷間に下りきって畑と集落が始まってが意外に長い。
しかしこちら側に降りてしまえば、もう濁川まで下ってしまえば滝上に着いたも同然なのだ。もうこっちのものだ。
15:15、濁川着。集落や道の駅の自販機はもうそのまま通過、15:25、滝上着。念願のセイコーマートで休憩とする。ここまで天気はまあまあ安定しているし、時間もたっぷりある。もう何があっても、今日は余裕を持って西興部まで行けるだろう。西興部にもセイコーマートはあるのだしここで休憩しなくても何の問題も無いのだが、まあ折角のセイコーマートだし。
15:40、滝上発。
出発すると町中で雨が少しぱらついて止んだ。ぱらっときたかなと思っていると、町外れを過ぎて再び雨が降り始め、意外にも次第に密度が濃い。これまでの水滴を感じるというようなものとは次元が違うかもしれない。大丈夫、すぐ止むはずだ。
と思って山方面を観ると、何と山々がいつの間にかかなり霞んでいる。いつの間にか路面もしっとりと色が変わり始めていた。結局、立ち止まって雨具を着込んだり道道137単独区間分岐までのあっという間に、本降りになってしまった。もう雲も遠くの遠景だけじゃなく、近くの山を霞ませるほどに低く降りている。あまりに急な展開に驚きつつ、思い返せば朝の天気予報では15時から雨マーク。順当に、天気予報がばっちり大当たりなだけなのである。
今日終点の西興部まで、あと20km余り。峠も小さいものだけだし、時間的には余裕を持って西興部まで行ける。焦るような出来事ではない。
標高299mの札久留峠へは、しばらく正面に稜線の凹みを眺めながら少しずつ登ってゆく。確か峠はあの凹みの辺のはず。意外な近さになんだあんなもんかとも思う。標高差はたったの130m、登りの少なさは計画時に物足りなく、実際に走ると毎回とても助かっているのが我ながら可笑しい。過去の訪問で逆方向から夕暮れ間近にこの峠を越え、サクルー荘到着と同時に辺りが真っ暗になったことを思い出す。
等と思っていると、路上の端の方に大きな泥みたいな塊を発見。ヒグマの糞だとすぐわかった。そして、これほどでかい糞も珍しい。うーん、やはりこの辺にはいるのだ、と思った。森があればヒグマがいて不思議じゃない北海道。いること自体には驚かないが、今は出てこないでくれ。
一喜一憂する間雨はいよいよ強くなり、路面はぬらぬらになってしまった。
峠の向こう側も、雨が止む気配は全く無い。西興部到着目前にして、ぬらぬらの路面で滑らないように気を付けながら慎重に脚を進めてゆく。幸い、下り一方の緩緩斜度は、楽にのんびり下るにはもってこいだ。
雨は瀬戸牛峠分岐手前でかなり弱くなり、峠に登るまでに完全に止んだ。まだ雲はかなり低く薄暗く、このまま晴れるという気はまったくしない。
しかし、今回も瀬戸牛峠から西興部を見下ろすことができて、感謝感動である。
17:05、西興部着。セイコーマート中に、またかなり強い雨が降り出し始めた。最後の最後で雨やどり、それでもホテル森夢着は17:15。夕食の前にお風呂に入って一息付ける、余裕の到着だ。
明日の天気予報予報は道内どこもかしこも1日じゅう雨、降水量は1時間1〜4mm。自転車にとってはしんどい、というよりやや危険なほどの大雨だ。予定コースの道北縦貫道道は山まっただ中、この天気じゃ走れない。天塩中川まで全区間運休の輪行で決まりだ。
乗り換え地点 | パターン1 | パターン2 | パターン3 | パターン4 |
西興部発
名士バス 名寄着 |
6:37
↓ ↓ ↓ 7:40 |
8:22
↓ ↓ ↓ 9:27 |
11:17
↓ ↓ ↓ 12:22 |
12:52
↓ ↓ ↓ 13:57 |
名寄発
JR宗谷本線 音威子府着 |
7:50
普通 稚内行 ↓ 8:52 |
10:08
特急 スーパー宗谷1 ↓ 10:52 |
12:33
普通 稚内行 ↓ 13:34 |
14:13
普通 稚内行 ↓ 15:09 |
音威子府発
JR宗谷本線 天塩中川着 |
9:20
普通 稚内行 ↓ 9:52 |
10:53
特急 スーパー宗谷1 ↓ 11:21 |
13:55
普通 稚内行 ↓ 14:28 |
16:31
普通 稚内行 ↓ 17:03 |
輪行経路は、西興部から名寄まで名士バス、名寄から天塩中川へはJRの一拓だ。バスの時刻は6時台、8時台、その次は11時。名寄での列車の連絡先は全て良好だ。11時に西興部を出ても天塩中川着は14時半だが、8時台発だと天塩中川着は11時21分。駅での自転車組立時間込みでお昼にホテルに着くことになる。これだと温泉に入って昼食が食べられるだろう。特急スーパー宗谷にも乗れるし。こっちで行こう。
とこの時は軽い気持ちで思ったが、この決定は間違っていなかったことを翌日思い知ることになる。2016年の北海道Tourは、とんでもない方向に進み始めていたのだ。
記 2017/2/5