北海道Tour15#14 2015/9/22
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夏と違って、ツーリング中でも4:00に起きる必要は無い。しかし、5時前に起きて、辺りはやや薄暗い。霧が掛かっているようだ。そしてかなり肌寒い。昨日まで2泊したセキレイ館は海岸沿い、ここ鹿追は内陸で狩勝の山々が近いからかもしれない。
朝食は6時からというのも、6時には車のお客さんが朝食を食べずに殆ど出発してしまっていたのも、いかにも町の宿らしい。決して居心地の悪い宿ではないが、お客さんも短期間で工程をこなすのに必死なのだろう。自転車と事情はあまり変わらないのかもしれない。私にとっては、走り始める前のこの時間、朝食を食べておけるのが大変有り難い。10時頃に何か食べなくてもお昼まで体力が保つので、朝食のお陰で1日の行動全体が変わるとすら言えるほどなのだ。
6:45、鹿追福生館発。朝食は食べたものの、まずは補給食を仕入れに町の南のセイコーマートへ。続いて給水のために再び町中心部の役所・公園施設を蛇口を探してうろつくと、オートキャンプ場でも何でもない広めの駐車場がオートキャンプの車でぎっしり一杯であることがわかった。やはりけっこうな数の人々が、この連休中十勝に繰り出しているのである。昨日の鹿追福生館だってごく普通の町の宿なのに、かなり探して何とかやっと確保できたぐらいなのだ。そして、ここには以前確実に訪れたことがあるのを思い出した。2008年、計画ミスで大幅な下方修正を余儀なくされた日だ。朝9時台にしてそろそろ「なんだかやばそうだなあ」と思い始めていた、そんな不安な印象と共に、この景色には記憶がある。もちろん鹿追自体には何の問題も責任も無く、今は実に平和で静かな秋晴れの朝である。もうああいういい加減な計画だけはしないように心がけねば、と思いながら給水を完了。なんだかんだで出発までに25分もかかってしまっていた。
7:10、鹿追発。まずは道道416で町中から北上。
町外れで同じ直線上のまま、道は道道から町道9号に替わる。交通量皆無の静かな細道沿いには、畑や牧草地、牧場が続く。空気は爽やかを通り越してやや冷え込んでいて、時々指を首筋で温めなければならない程だ。防風林の西側に沿いなので、道は朝日でまともに木陰の中で、レッグウォーマーが有り難い。
空は真っ青、木陰や防風林の影が青く見えるほど。こういうのんびりした道が人里にある安心感が、十勝のいいところだとつくづく思う。
こういう道はのんびり進みたいものだ。今もけっこうのろのろだ。のんびり進みたいものというより、緩い登り基調のため前に進みづらいのが現実なのだった。開けた場所なので視覚的には全く上り勾配が感じられず、ペースが全然上がらないのに身体に負荷を感じていて、俺はかなり疲れているのだなどと焦ってしまう。落ち着け、「自分のペースでのんびり進みゃあいいんですよ、自転車なんて」といつも語ってるじゃないか。一昨日、セキレイ館でのライダーとの会話を思い出せ。
笹川北で自衛隊鹿追駐屯地の脇を過ぎ、北向きから東向きに曲がって町道北14号へ。
ここまで森の影の中を走ってきたのから一転して、真正面の太陽が大変眩しい。そして標高200mの鹿追から笹川北では290mまで登ってきていたのが、一転して下り基調に変わった。
笹川まであんなにのろのろでしか進めなかったのに打って変わって快調ペース、毎度ながら大変に現金である。
道の両側には、十勝を象徴するような風景が続いていた。北側は十勝外周の山々と山裾へ続く牧草地に畑、南側は拡がって下ってゆく牧草地と畑、そしてこれらをグリッドで区切る防風林。
相変わらず真っ青な空の真っ正面に日差しが眩しく、風景全体が鮮やかで、何が現れてもばっちり決まる。
町道北14は厚生で道道771に合流。名前が替わっても相変わらず同じ直線上の道ながら、いつの間にか、というより厚生から、風景に見覚えがあるような気がしていた。そういえばコーヒー休憩した厚生にも、なんだか以前立ち寄ったかもしれない。
消去法で検討してみると、朝の鹿追同様2008年の可能性が高い。確か鹿追から厚生まで今日の経路と四角形の左上二辺と右下二辺の関係で別ルート、厚生から先は確かに今通っている道だ。思えば2008年の経路は、一昨日昨日のコースとも被っている。アドリブで選びやすい道を選んでいると、こういうことになるのだろう。
この先向かう町道中音更9は、セキレイ館で同宿の方に教えていただいた道だ。
「一直線で他の道から完全に独立して南下する細道がある。車でそこを走るのが大好き。他にちょっとない、道なので、近くに行ったら絶対行ってみてくれ」
とのこと、昨夜眺めた地図には、確かに十勝種畜牧場の中、周囲のグリッドに並行して南下する道が描かれていた。この道で広大な十勝種畜牧場を南下し、帰りは少し東から、やはり十勝種畜牧場の中を南東から北西へ、斜めにたすき掛けに遡る道を使えば、とりあえず一筆書きはできあがる。
特に帰りの斜めの道は、十勝を区切る直行グリッドのど真ん中に描かれた線を地図上でかつて意識したことが無く、とても興味をそそられていた。しかし手持ちの地図はやや古く、往路の町道中音更9号はともかく、黒単線より少し太いぐらいの白道で描かれた斜めの道は、現地での現状確認が必要だと思われた。
案の状、道道771終盤の交差部分で偵察すると、その道は畑の向こうで茂みの中へ消えていた。そして、どう考えてもその先へ道が続いているようには見えない。昨夜は町道中音更9号線とセットでかなり良い道を発見したと思っていたが、こりゃあ諦めた方がいい。
町道中音更9でも、序盤で前述のたすき掛けの道との交差がある。こちらも、やはり入り込むのはためらわれる程度に、難儀しそうなかなりあやしめの泥道っぽい道が茂みの中へ消えていた。恐らく牧場の中で道が消失しながら断続しているのかもしれない。
記 2016/3/6
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