北海道Tour13#5 2013/8/12 置戸→幾寅-4

置戸→(町道・道道211他)勝山
→(道道1050)常元→(道道88)町界 (以上#5-1)
→(道道88)芽登→(国道274)上士幌 (以上#5-2)
→(道道337・農道・町道他)瓜幕
→(道道593)岩松→(道道718他)新内
(以上#5-3)
→(国道38他)幾寅  166km  RIDE WITH GPS

上士幌から上屈足まではるばる辿った十勝北部横断道 ここまでは何とか曇りで推移してくれたのだが… RICOH GR GR18.3mm1:2.8 新内から狩勝峠経由で幾寅へ 赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路

 新内の下手で遂に国道38に合流、狩勝峠への登りとなる。高速無料化でやや印象の変わった道内幹線国道の例に漏れず、やはり以前より車は減っているが、それでも所詮は幹線国道。何より辺りの雲が厚く濃厚で、峠からの十勝平野展望は無理みたいな気がする。

 14:30、新内着。上士幌から4時間近く掛かったが、まあ思えばそれぐらいのボリュームはある区間で、通過時間としては私的には順当だ。しかし途中の自販機をことごとく通過してきたお陰で、ボトルの水が無くなっている。それに一昨日まで、いや、昨日午前中までいた道東の涼しさから十勝は別世界で、ちょっとした坂で身体中から汗が出る。十勝平野である限り人里は途切れないので、さっきまであまり水の心配は無いと思っていたし、面倒で自販機に停まらなかった。新内の国道合流点辺りで何か一気に仕入れられる気がしていたのだが、記憶、というより期待に反して新内は想像以上に寂れていたのだった。

 

 しかし捨てる神あれば拾う神あり、ちょうど良く登場したSLホテルに、吸い寄せられるように立ち寄ることにした。今まで前を通過するだけだったSLホテル、ひょんなことでお世話になる機会ができたのだった。
 根室本線旧狩勝峠の主役だったD51と、営業車両としての北限は青森止まりで北海道を走ることの無かった20系客車が置かれている元根室本線の新内信号場跡。なかなか注目したい状況ではあるものの、取り急ぎ水問題を解決したいのであまりしげしげ眺め入る気にはならない。なんとなく水を戴けそうな場所を探して広く高低差のある構内を少し右往左往し、結局レンタサイクル置場裏手の給水栓で有り難く給水することができた。

 14:45、新内発。SLホテル敷地の裏手を抜け再び国道38へ、幅広の道とやや高速で素っ気なく通り過ぎる車が、私を待っていてくれた。狩勝峠らしいと言えば狩勝峠らしいし、走り始めてしまえば意外に気にならないものでもある。ただ、ますます雲の色が濃くなっているのが何とも不気味だ。頼む、もうこれ以上降らないでくれ。

 という願いもむなしく、間もなく標高500m辺りで、雲が限界まで低く頭上に近づき絶望的に真っ暗になり、満を持してぱらぱらっと水滴が落ち始めた。と思ったら、もう50mぐらい向こうに白濁したような壁が立ちはだかってにじり寄ってきて、辺りは一気に豪雨に包まれ、すぐに路面は川に変わった。速攻で雨具を着込むが、あっという間に帆布バッグの防水コーティング上に水たまりができているのが凄い。不幸中の幸いというか、帆布バッグの荷物は全部内防水の袋に入れてある。

 峠まで標高差は140m。とぼとぼでものろのろでも、進んでさえいれば残りは確実に少なくなる。峠まであと80m辺りからの盛大なスノーシェッドが、今日は大変有り難い。いかにも幹線国道らしい独特の広いコンクリート覆道の中へ雨から逃れると、何だか前方が湿気で曇っていた。排気ガスの印象もあって、なんだか気分は森下がる一方だ。

 スノーシェッドが峠直前で終わると、峠周辺では雨がかなり弱くなっていてくれた。助かった。しかし前方も頭上も、霧で真っ白だ。50m先の視界が効かない、かなりの濃霧である。弱いものの雨はまだ普通に降っている。計画前からずっと期待していた十勝の展望は、もう望むべくも無い。

 15:45、狩勝峠着。そろそろ空腹も感じ始めていたし、最初からここで何か食べようと思っていたので、お馴染みのドライブインあくつの「展望閣」で蕎麦を戴くことにした。

 蕎麦を食べている間に雨が止んだのは良いが、一方霧は更に濃くなっていて視界は50mを下回っていた。もうこの先北落合の景色も絶望的だと思った。そもそもここまで何度かの雨宿りで時間も押し気味、自動的に幾寅直行である。
 16:15、狩勝峠発。

狩勝峠からルーマ経由で幾寅へ 赤は本日の経路

 どれぐらい茂みに埋もれているか、国道からの眺めを楽しみにしていた狩勝信号場辺りでは視界は50mぐらいに復活した。

 まだ道の外は何も見えなかったが、その先霧は次第に薄くなり、斜度ががくっと一段落する辺りではまあまあ行く手の視界は通るようになった。更に北落合への農道北落合線が分岐するルーマ手前で、空の隙間に青空が見え始めた。

 下ると共に回復傾向で、こうなると北落合に向かう自分をイメージし始めるのが我ながら現金だが、いやいや騙されてはいけない。北落合まで標高差は100m以上、さっきの狩勝峠より高い場所もあるし、谷間のこの辺で雲が高いからと言って、山裾の北落合で霧がこのままだという保証は何も無い。

 

 北落合は明日も訪れる予定だ。こういう場合のための2段構え計画なのである。今日は幾寅に着いてからのミッションもあるし、早めに幾寅に向かうべきだ。
 落合から幾寅までは更に下り。適当に脚を停めたり動かしたりしていると、距離感と印象に比べてあっけなく幾寅に近づいてきた。

上士幌から狩勝峠経由で幾寅へ 赤は本日の経路

 16:50、幾寅着。町の先にあるセイコーマートで、明日の朝食と行動食を仕入れてから、今日の宿坂井旅館へ。

 

 風呂の後は、いよいよ本日最大のミッション、なんぷ亭でなんぷカレーに望まないといけない。
 いつも幾寅で楽しみにして、努めて立ち寄って戴く私的名物のこのカレー。前回食べたのは2年前だった。今回はメニューにお品書きが豪華にお上品に変わっていて、食べる前は何だかちょっと違う方向を向き始めているのではないかとも思ったが、食べてみるとボリュームたっぷりでとても美味しく、充実ぶりに驚いた前回から更にパワーアップしていて、心配は杞憂だったことがわかった。

 

 明日の天気は曇りのち晴れ。行程は北落合経由で美瑛まで、展望ポイント各駅停車でかなりボリュームは少なめだが、晴れの北落合を朝イチで訪問することになっている。狩勝峠で悩まされた雨雲は通過しつつあるような気もするし、予定通り早朝から出発し、余裕ある行程としたい。

記 2014/1/26

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Last Update 2020/3/20
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