滝上→(道道137)西興部
(以上#6-1)
→(国道239)下川→(道道60)上幌内
(以上#6-2)
→(道道49)仁宇布→(道道120)歌登
(以上#6-3)
→(道道12)小頓別→(国道275)音威子府
→(国道40他)中川
211km
RIDE WITH GPS
下川以来のセイコーマートで休憩後、15:30、歌登発。
平べったい盆地の外れから谷間に入ると、強い風は目に見えて収まった。目論見ばっちりである。
10年以上ぶりの道には、景色の記憶がほとんど無い。前回通ったのはもう15年ぐらい前、確か小雨交じりで時間も無く、気の急く状況だったため、気持ちの余裕も無く道の印象も薄い。なんだかそう開けることが無い景色だったのと、周囲の山々が一面大伐採で丸裸になっていたことだけを覚えている。
その分今回は、初めて通る道に近い新鮮な気分で通れている。それにしても谷間が地図で眺める印象より意外に狭くなるのにはびっくり。時々現れる平地も狭い。この雰囲気、中頓別へ続く道道120の景色に似ている。まあ思えば同じ盆地から谷間へ続く道なので、景色が似ているのに不思議は無い。
その狭い谷間で、16時前になると日差しが陰り始めてきた。辺りの景色に陰影が目立ち始め、日影の気温がぐっと下がり、寂しい気分と行程への焦りを感じ始めてしまう。
小頓別で国道275に合流。すぐに天北峠までの登りが始まる。
小頓別から天北峠まで距離は大変短いものの、7%の本格的と言っていい登りが続く。標高僅か200m足らずの天北峠だが、こんなところはさすがに名前の付いている峠らしい。旧天北線はこの区間を国道275とは多少離れて、谷間の奥から谷間の奥へトンネルで抜けてしまうのが、登っている間は羨ましい。
そう高くない峠のすぐ向こうでは、更にべたっと低い周囲の樹海が一望できる。
山深い鬱蒼とした雰囲気は、標高からは意外なほど壮観で、やはり曲がりなりにも峠なのである。
峠から谷底の森へ急降下、道北らしい鬱蒼とした森の谷間をしばらくどんどん下る。
上音威子府の看板が出てからもまだしばらく下り続け、森が切れて牧草地が始まるのと、行く手正面に天塩川岸の山々が見え始めるのが同じぐらい。
宗谷本線のコンクリート橋をくぐると、突然前方が開けた。天塩川の谷間である。17:10、音威子府着。いよいよ天塩中川まで最後の区間だ。
国道40に入り込み、突如現れたのが中川まで30kmの青看板。がくっとくるが、まあ途中の佐久まで20km以上だったのはわかっているし、佐久から天塩中川までも隣駅だと思っているとけっこうあったから、そんなもんかもしれない。
日本第3位の大河、天塩川の谷間は、堂々たる川面の両側に切り立つ低山、そしてその両岸に張りついて国道40と宗谷本線が続く。佐久近くまで他に平野のような場所はほとんど無く、筬島で牧草地が現れるだけ。そんな谷間をもうひたすら淡々と進む。
暮れなずむ天塩川は、昨日までの大雨のせいか泥水の濁流で溢れそうになっている。
天塩川を通る度に濁流が溢れそうになっている光景をよく見るような気もするし、時々大雨で宗谷本線のこの辺りが運行休止になるようなこともよく耳にするような気もする。
佐久、中川方面は下流なので下り基調だと思っていると、時々屈曲する河岸を乗り越えるような登りこの道にはあって、この時間淡々と走り続けている脚だとちょっとした登りもかなりつらくなってしまっている。毎回あっち側から走るときに追い風が多いことの報いかもしれない。
狭い河岸が少しずつ広がり始めると、もう佐久だ。
佐久からは対岸に渡って道道541を行こう、と朝は考えていたが、もう18時過ぎ。とにかく最短で宿に向かうためには、もう国道40を続けるしかない。
でも、幸いこの辺りの国道40は、幹線国道とはいえ交通量は少なく、サロベツ原野へ続く平地を大味な線形で進む道の雰囲気は広々と道北らしい。とにかくもう次の町が中川、うだうだ考えずに前に進むしかないのだ。
18:40、中川着。天塩川の対岸に移り、町の北側のセイコーマートで明日朝の食料を仕入れてから、町の南側へ逆走。こういうとき、GPSの経路表示が特に安心だ。
南側の町外れから踏切を渡って山側へ入ると、あった。ホームページで見たサイロ風の円筒形の建物が。19:00、「ポンピラアクアリズイング」到着。
広い温泉施設併設の、ホテルのような宿だ。温泉施設には、夜になっても日帰り客が多い。併設のキャンプ場からのお客さんが多いようではあるものの、人気の程がうかがえる。「ポンピラアクアリズイング」との名前の由来がロビーに書いてあるものの、もはやなんだか記憶できない。しかし、ここも昨日と同じくかんぽの宿とのこと。全国で物議を醸すかんぽの宿だが、経営合理化で利用しやすくなり、自転車ツーリングの途中でツーリスト的にゴージャスな夜を過ごせるようになっていることは大変有り難い。
頑張れ頑張れかんぽの宿!と思いつつ力一杯夕食を平らげ、食後はサッポロクラシックを呷って一気に夢の中へ。
記 2013/1/3
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