北海道Tour11#8-4 2011/8/18 浜頓別→仁宇布

浜頓別→(道道84)本流 (以上#8-1)
→(道道785・645)上問寒→(道道583)中問寒
→(道道785)上駒→(国道275)中頓別 (以上#8-2)
→(道道120)歌登
(以上#8-3)
→(道道120)仁宇布  176km  RIDE WITH GPS

志美宇丹の盆地 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 歌登から志美宇丹経由で大曲へ 赤は本日の経路

 15:00、歌登発。

 のびのびと拡がる歌登の谷間は、この辺りでようやく標高が高くなる道北の山々に向かってゆく。

 辺毛内で谷間に入り込み、2年前泊まった「うたのぼり健康回復村」辺りでは谷間はもうすっかり狭く、丘の縁をぐいっと越えて次は志美宇丹の盆地だ。

志美宇丹到着 昨日とは打って変わって雲が厚く低く暗い PENTAX K-5 SIGMA30mm1:1.4EXDC

 旧志美宇丹小学校脇のバス停で、今日最後の自販機給水をしておく。この先上徳志別、大曲と、仁宇布まで自販機すら無いのだ。

志美宇丹から西尾峠経由で仁宇布へ 赤は本日の経路

 私的道北縦貫道道の全区間中でも、仁宇布と並んでこの志美宇丹・上徳志別の谷間は私的ハイライトである。どこか淡いトーンで「北」を感じさせる道北の空の下、整った表情の山々に囲まれて緩やかに起伏しつつ拡がる牧草地、そして盆地の空間感覚と景色全体に漂う、優しさだけではないきりっと厳しい表情が毎回印象的だ。それ以外の森区間が、あまりに鬱蒼と人気が無いのも、上記各盆地が癒しスポットとなっている理由でもあるが、まあとにかく道道120〜49・60は楽しい道である。

 昨日の快晴とは打って変わって、今日はその盆地も雲の下。雲は午前中のようにすぐに落ちてきそうな程低くはないが、昨日通ったばかりで空があれだけ真っ青だと、どうしても比べてしまう。しかし曇りの下のちょっと寒々しい表情にも、それはそれでこの谷の拡がりが感じられる。何より、晴れも曇りも雨も、低温の日も全部あって、始めて道北の夏なのだ。

 歌登からの丘の縁から志美宇丹の盆地へは、ずっと僅かな下り基調。それが乙忠部へ向かう道道1023の分岐からは、上徳志別へ向かって僅かに登り基調となる。この分岐から、徳志別川が枝幸の少し北へ下ってゆくが、川と道で全然行く先が違うのは、オホーツクの山々が険しく、谷をそのまま下れないからだろう。ちょうど分岐の辺りも、両側の盆地に挟まれて、ここだけ谷間が狭くなっている。

徳志別川 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 狭くなった谷間では、国鉄美幸線未成線の遺構が道道に離合しつつ、茂みの中へ埋もれつつあるのがよく見え、この辺りの景色に漂う厳しい雰囲気を助長している。道道1023も2001年に通った時にはまだダートだったが、いつの間にか全舗装されているようだ。また再訪せねば。

今度は上徳志別 静かに拡がる山間の盆地 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 上徳志別は、先の志美宇丹に比べややフラットだが、やはり山々に囲まれて牧草地が拡がる盆地である。

 もうこの先は仁宇布まで20km、鬱蒼とした森の中。途中にはいつも誰もいない、あるいはもう営業していない雰囲気の「かみとくツーリストキャンプ場」もある。いかにも廃校跡らしいその佇まい、ツーリストなら一度は泊まってみたいネーミングなど、興味深くはある場所だ。

 点在する廃屋と共にそういう寂しさや、最後の平地の緊張とともに印象にある、上徳志別の景色である。

徳志別川 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 谷間に道が入り込むと、大曲へ向かって道は登りとなる。

 この後標高385mまで登る西尾峠へ向けての取り付きのような区間だが、この道の中では斜度は意外に厳しめだ。淡々とゆっくり登れば、昨日通ったばかりの景色も全部記憶に新しい。

 大曲でほんの少し拡がる隠し田のような離れ牧草地(?)を眺め、織姫駐車場で道北スーパー林道の分岐を眺め、天の川トンネルを抜けていよいよフーレップ川の谷間を西尾峠へ。

 ところが15時を過ぎ、山間の空は再び暗くなり始めていた。

 空が暗くなると辺りの景色が、いや、辺りの森が一気に圧迫感を増してきた。森全体、森の動植物全体に睨まれているようなこの不気味で不安な感覚は、今朝道道84で感じたのと同じ感覚だ。

 実は去年、同じコースを晴天で、もう少しだけ遅い時間に通った時にも感じている。今日は去年より時間が早いから多少は安心だと思っていたが、いやいやいや空と森の暗さは去年以上である。

 茂みでは時々何かががさっと音を立て、奥の方では何か低い鳴き声が聞こえる。茂みの音も低い鳴き声も、明らかに熊じゃなさそうなのだけが救いだ。しかし、昨日見かけなかった大きな糞が、また路上に落ちていたりもした。昨日は下りでささっと通過してしまったから見逃してしまったのかもしれない。

 そんなことを考えていると、ほんとに時々通過して行く大型トラックの存在が心強い。山の中に見え隠れする未成線の遺構が、人の営みを少しでも感じさせる。いや、舗装道路そのものが人の営みの証なのである。

 びくびくしながらフーレップ川の谷間をまあ順当に登り、峠手間の平坦区間を順当に通過。

 「西尾峠」の文字が描かれた丸太を眺めると、あとはもう下ってしまうだけだ。

 道の先に牧草地が見えてきたときは嬉しかった。やはり薄暗い雲の下ではあるものの、ようやく仁宇布到着である。

 16:50、仁宇布着。思いの外早く着けた。何だか疲れているような気がしていたが、3時間弱掛かった去年よりもずいぶん早着である。途中で休んでいないのが効いているのだが、理由はどうあれ、あと2日残っている行程に希望が持てるようになった。

 集落中央の交差点から牧草地の細道を、オホーツク沿岸境の山裾へ。「ファームイン・トント」はその山裾の一番上手に建っている。

浜頓別から歌登経由で仁宇布へ 赤は本日の経路

 17:05、「ファームイン・トント」着。

次第に暮れる仁宇布の谷間 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 ここも料金は安いのに、一人旅には勿体無い綺麗な部屋・風呂と、ボリュームたっぷりのオイシイ食事が自慢の宿だ。何より食堂の大きな窓からは、木製デッキのテラス越しに緑の牧草地が一望に出来るのが自慢で、次第に暮れゆく夕食時、そして最高に爽やかな雰囲気の朝食時、道北山間の景色を目一杯味わえる。

 今日は旅行者は私一人、その他は工事関係者が数名とのこと。お盆休み中もお仕事で何となく後ろめたい一方、今年の旅行者の少なさを感じさせる。
 工事関係の方が早朝出発されるとのことで、5時過ぎから朝食も頂けることになった。朝からしっかり食べられて、あの景色を楽しめる。こんなに有り難いことはない。来た甲斐があったというものだ。

 夕食はいつもの羊づくし、サラダに羊乳グラタンにジンギスカン、デザートに羊乳アイスクリーム。昨日眺めた松山牧場が経営している宿なので、ジンギスカンのお肉はやはりオイシイ。壁に貼ってある愛らしい子羊たちの写真を見ると、済まない気もするものの、やはり美味しく残さず感謝していただいておこう。

記 2011/12/4

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Last Update 2020/3/20
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