北海道Tour11#7-1
2011/8/17 滝上→浜頓別

滝上→(道道137)西興部
→(国道239)下川
(以下#7-2)
→(道道60)幌内
→(道道49)仁宇布
(以下#7-3)
→(道道120)歌登
(以下#7-4)
→(道道120)中頓別
→(国道275他)浜頓別

202km  RIDE WITH GPS

ニューサイ写真 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 夜が少しづつ明けてきた。辺りは霧が立ちこめていて、小雨もしとしと降っている。しかしそれでも無理矢理希望を持って粛々と荷造りをしていると、5時頃には明らかに雨が弱くなってきた。いいぞ。

 

 荷物を玄関に運んで表を伺うと、雨が上がったところだった。何となく辺りも、朝日っぽく明るくなっている気がする。出発するべきだ。女将さんは「うーん、どうでしょうねえー、何とも言えませんねえー」と不鮮明な反応だが、もう知ったこっちゃ無い。
 今日の宿は浜頓別のトシカの宿。夕食のジンギスカンに遅れないように、毎回予約時に「なるべく17時半までに着くように、と言われている。走って5分時間を稼ぐのは骨が折れるが、出発や休憩で5分詰めるのは簡単なことなのだ。出発するなら早いほうがいい、どうせ毎朝のことではあるが。もう速攻で自転車に荷物を積み、5:40、滝上発。

滝上から札久留峠経由で西興部へ 赤は本日の経路

 滝上からサクルー原野の分岐まで、道道137は上紋峠へ向かう道道61と併用である。

サクルー原野を朝日が照らす RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 山に囲まれた谷間の滝上市街を出ると、谷間は広々と拡がるが、辺りは一面畑となる。谷間を囲んだ山々の裾は未だ雲の中だが、頭上はすっかり雲が切れ、真っ青な空が拡がっている。いいぞ。

トロンとした雨雲がちぎれて山々の蒼いシルエットが登場 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 天気には希望が持てるものの、今日は浜頓別まで、しかもジンギスカン対応のため、さすがに上紋峠へ向かう気にはならない。

 上札久留でいよいよ道道137は北へ分岐し、背の高いカラマツの間を札久留峠へ向かう。

 峠とは言え標高差120mちょっと、少し登って丘の縁を越えるというぐらいのボリュームだ。しかし北海道の峠の例に漏れず、それなり以上に峠の雰囲気たっぷりである。広い道幅ではあっても。
▼動画1分1秒 道道137 札久留峠の下り

 札久留峠の向こうは藻別川の谷間。藻別の「もべつ」が紋別とビミョーに重なるのが興味深いといつも思う。距離的にはそう近くもなく離れているわけでもないが、その意味するところはそう遠くないのだろう。その藻別川沿いに、上藻、中藻と牧草地の谷間を約10km。

 峠区間の森が終わった後の、牧草地の開放感が感動的だが、谷の中へ着陸後はあまり風景がドラマチックに変わることは無い。

 しかし、今日の谷間は、雨上がりで空気が澄み、明るく強い朝日の中で、静かに瑞々しく輝いている。

中藻から天北峠経由で下川へ 赤は本日の経路

 藻別川の谷間から興部川の谷間へは、敷居の山が一番低くなったところの、標高差80mぐらいのまたもや小さな瀬戸牛峠を越える。

 峠の下りで拡がる西興部の谷間は、朝のまだ静かな空気の中で、もうすっかり明るい朝の日差しに照らされ、模型のように精密に輝いていた。それは間違い無く雨上がりの、晴れの景色であった。
▼展望180° 瀬戸牛峠下りで西興部を見下ろす

瀬戸牛峠下りで西興部を見下ろす RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 パノラマ合成

 7:10、西興部着。滝上以来やっとここでセイコーマートが登場するので、予定通り休憩。出発前、荷造り中のおにぎり軽食では摂りきれないサラダやヨーグルトなども頂け、大変助かるのだ。

 西興部からは国道239で下川へ。

 標高差180mの天北峠までは12kmぐらい、またもや距離にしちゃ標高差の無い峠だ。それだけに道は少しづつ段階的に登り始め、その度に標高差も斜度も少ないのに少しづつ負荷は増え、そうでなくてもどういうわけか元からけっこうな向かい風で、それらが寄ってたかってがくっとペースが落ちる。

 昨日国鉄の廃止路線を思い出したせいか、いや、そうでなくても西興部辺りへ来て思い出すのは、旧国鉄名寄本線だ。奥興部へと谷間が次第に狭くなり、天北峠へは少しづつ斜度が増え、峠を越えてするするっと一の橋へ降りていくその線形は、非力な気動車の運転ダイヤ設定に露骨に影響していた。特に森の谷間の天北峠周辺では、線路脇の1本道と緩いピークを仲良く一緒に越えていったのが印象深い。その道が国道239である。奥興部の特徴的な拳骨山の姿と、天北峠への登りでペースががくっとおちる我が脚力に、いつもそんなことを思い出す。

 天北峠は標高300m。登りも下りも斜度は緩めのこの道だが、下り始めるとペースが別人のように一気に上がり、我ながら可笑しい。

 それでも下川まで17kmの下りは長い。山間に集落が現れ、とりあえず峠の下りが一段落すると一の橋。ここも道の両側に並んだ集落がまるで西部劇の町のようで、印象的だ。

 二の橋、三の橋と、下川へは緩いながらもまあ下り基調が長く続く。ここは行程の稼ぎどころだが、牧草地の中をやや大味な線形で下ってゆく国道239の雰囲気は悪くない。しかし、天北峠を越えてからから空には雲が出始めていた。せっかく晴れたので、この後晴れの道道120を通りたい。やきもきしてペースを上げる下川への道だ。

 

 9:00、下川着。何とか市街外れに9時に着けた。とりあえずこれなら、というぐらいに時間を稼げている。安心した途端、路面からぼこぼこぼこっと連続する硬い感触が。路側帯の白線上に付けられていた、自動車はみ出し防止の凹みに乗り上げたのだった。嫌な感触だな、と思う間もなく、カーブでずるっと転倒しそうにスリップ。何とか踏みとどまったものの、転倒したら間違い無く擦過傷でスプラッターだし、大型車が通過していたらそれどころじゃない。危なかった。しかし、見事に前輪がパンクしてしまっていた。
 道がこういう危ない状態に造られていて、またそれが放置されているのは、道路管理者の責任じゃないのかとも思う。どこかの通行可能な通行止めより、余程こういうのの方が安全上問題があるんじゃあないのか。その辺を一体どのように考えているのか!えっ!!
 などとテンションは上がるが、今は誰に文句も言えず、とりあえず大人しくパンク修理するしかない。

記 2011/12/10

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Last Update 2020/3/20
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