北海道Tour11#7-2 2011/8/17 滝上→浜頓別

滝上→(道道137)西興部→(国道239)下川 (以上#7-1)
→(道道60)幌内→(道道49)仁宇布
(以下#7-3) →(道道120)歌登
(以下#7-4) →(道道120)中頓別→(国道275他)浜頓別

202km  RIDE WITH GPS

サンルの元林業?事務所跡で足を停める RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 下川から幌内越峠経由で幌内へ 赤は本日の経路

 せっかく早く下川に着いたのに時間を食ってしまい、更にセイコーマート立ち寄りなども含み、結局9:25、下川発。

  ダム湖畔?への登り途中から下界の森を見下ろす RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 道道60のサンルダム新道は、もうここ数年ですっかり当たり前の下川の景色になった。ある程度山中の森の中を豪快に抜けた後、おもむろに谷間に下り、旧道と合流するのも去年通り。通行止めの旧道に、ダムを造っているのかどうかは全然わからない。いくら登りが緩いとはいえ、そしてたかだか標高差数10mとはいえ、あまり無駄に登って下ってを無理強いされたくないような気はする。
 でも、部分的にでも完成した道が山中に「未完成」としてまるまる放置されているのは、税金を使う以上もっと問題のあることなのかもしれない。公共事業というのも難しいものだ。何年か後は、この辺りはダムの中なのか、とも思う。きっとその折には、かつての旧道の景色などを感慨深く思いだしたりするのだろう。

 旧道は引き続きサンル川の谷を、まだ建設中の新道をくぐったりして遡り続ける。その頭上を高い橋で渡って行く新道は、毎年少しづつ工事が進捗している。去年はコンクリート橋脚の型枠が組み上がったところ、今年は鉄骨の桁が架けられていた。

 いくら橋桁が掛かっても、道はまだ出来ていないようだ。見上げる側からはずいぶん高い橋だが、さっきの新道は、そのまま進めば明らかにこの橋を通ることになるのだ。

 サンル川の谷間は25km、標高差200m強の幌内越峠へ続く。途中には谷底の密森、打って変わって広々と開放的なサンル牧場が代わる代わる現れる。

 「代わる代わる現れるサンル牧場」とは何だか日本語として間違っているようだが、サンルの細長い谷間に断続する牧場が全部公営の「サンル牧場」なので仕方が無い。サンル牧場自体は牧場というより牧草地で、基本的にこの谷間には牧草地と森以外に何も無いのだ。

 サンルダムの建設により、サンル牧場の総延長も以前よりは多少短くなるはずが、何にしても下川外れから仁宇布まで無人区間は43kmも続く。道北の特徴的な道の一つであることは間違い無い。

 その道中、ずっと低かった空一杯の雲は、幌内越峠への登りが始まる峠手前4km辺りから突如切れ始めた。

 朝見たような真っ青な空が現れ始め、原生林の中を少しづつ登る間にその青空はどんどん増えてきた。鬱蒼と深い原生林は明るい緑色、相変わらず低い雲も真っ白に眩しく、空の中を元気よく泳いでいる。こうなると、もう夏そのものの景色だ。

 峠の向こうで木々の向こうにちらちら見下ろす、ピヤシリ越林道の森も、遠目には爽やかそのものだ。

ピヤシリ越林道の森 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9
幌内越峠から仁宇布経由で西尾峠へ 赤は本日の経路

 上幌内で仁宇布への道は道道49と名前を変えて分岐し、今までの道道60はオホーツク岸の幌内へ下ってゆく。一方、こちらのイキタライロンニエ川の谷間は、晴れじゃない日の夕方ならかなり心細そうな程鬱蒼と薄暗い密林で、再び標高差230mの美深松山峠越えだ。

 今度は峠まで8kmと、幌内越峠のサンル側よりだいぶ距離は短い。分岐直後と峠手前で斜度がやや増え、標高も435mと西尾峠より高い。今日下川から中頓別まで辿る私的道北縦貫道中でも、随一の峠である。

 峠までは終始森の中。中間にはやや間延びした、斜度の緩い区間がある。ここでは近年どういうわけか道の上にかなり大きな鷲が、まるで自転車を先導するように、時々こちらの様子を伺って飛んでいるのが何だか非常に不気味だ。今日も1羽、大きな奴が路上の空中にお出ましになって、時々けっこう距離を縮めてきていた。

 その他にキタキツネも登場したり、大きくて真新しく明らかに熊っぽい糞も、舗装道道上に落ちている。もう時間は11時台、これ以上の日中は無いぐらいの時間帯なのが心の救いである。

 峠手前では再び斜度が増し、こちらの速度それまでにも増してがくっと下がる。

美深松山峠手前で離陸してようやく周囲を見渡す RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 まずい、鷲に更に狙われる。と思っていると、その通りに更に少しずつ距離を縮めてきた鷲が、峠直前で森の中へ飛んでいった。助かった。

 美深松山峠を越えると美深町、もうすっかり道北まっただ中だ。

 道は仁宇布まで下る一方、すぐだと思っていると意外に長い3kmである。
▼動画2分31秒 道道49 美深松山峠から美深へ

 11:50、仁宇布着。
 お昼でほぼ半分の行程がこなせたことになる。いや、正午まで10分早着。たった10分だけではあるものの、気持ち的にはこれで余裕が出てきた。

 

 美深へ下ってゆく道道49と、このまま内陸を縦貫して歌登・中頓別へ向かう道道120の交差点には、羊肉カレーが楽しみな軽食喫茶「コイブ」がある。時々羊肉独特の香ばしさが感じられる日もあるが、基本的には羊乳たっぷりでまろやか、店の前のテーブルで仁宇布の雰囲気とともにとても美味しく味わえ、道北の私的有数ピットのひとつである。
 しかし今日は休業とのこと。カレーが楽しみだった一方、下川での遅れもあってこのまま順調に粛々と足を進めたい。ここは「助かった」という気持ちで、下川のセイコーマートで仕入れておいたおにぎりとクロワッサンを、そそくさと立ち食いで済ませる。

記 2011/12/10

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Last Update 2020/3/20
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