北海道Tour11#7-3 2011/8/17 滝上→浜頓別

　今日のような晴れの日は、実に明るく伸びやかな仁宇布の牧草地。

　草原の他にも、交差点近くの小中学校、旧国鉄美幸線の未成線遺構、さっきの｢コイブ｣や明日泊まる｢ファームイン･トント｣を経営する松山農場、それぞれ毎回楽しみな景色の一つになっている。

　牧草地を抜けると、すぐ西尾峠への登りが始まる。仁宇布の標高は300m、西尾峠は標高400mで、仁宇布から峠までは8km。例によってかなり緩めの峠だ。

　西尾峠の向こうは、またもや無人の長大森林が上徳志別まで17kmも続く。
▼動画1分1秒　道道120　西尾峠の下り

　いつの間にかオホーツク沿岸まで山一つだけに迫っていて、夏らしい景色の中にも、いかにも道北内陸らしい寂しく厳しい雰囲気が漂う。

　途中の大曲まではほぼ下る一方。大曲から牧草地が拡がる上徳志別まで、そして上徳志別から歌登までも途中登り返しはあるものの下り基調で、今日の行程の3/4が一気に進む。

　ましてやこの晴天、鬱蒼と深い森の緑と木漏れ日が、きらきら輝くように眩しく明るい。ほぼ毎年訪れているこの道の記憶中、有数の景色を楽しめているのが嬉しい。

　天の川トンネルを抜けた織姫橋休憩所で、少し休憩とする。非常用電話ボックス、駐車場、便所にあずまやと、チェーン装着所に毛が生えたぐらいの休憩所はもちろん無人で、いい感じに舗装ブロックの隙間から夏草が生い茂っている。

　あずまやに自転車を停めるとゴマフアブが寄ってくるが、ムシペールのお陰で気にせず、道北スーパー林道が下ってくるフーレップ川の谷間の森を眺めて一息付く。道北の山々に囲まれた深い森も、午後の日差しの中でやはり明るく拡がっていた。

　大曲から少し森の中を登り返し、だだっと下ってあっという間に上徳志別へ。

　谷間が一気に拡がり、鬱蒼とした無人の密森が広々と開放的な牧草地に変わる。
▼動画1分1秒　道道120　上徳志別

　点在する牧場農家、やや草生したかみとくツーリストキャンプ場、何とか人里に戻ってきた安心感が嬉しい。

　上徳志別から途中短い谷間を挟んで志美宇丹へと続くこの山間の盆地は、この道の中でも毎回楽しみな景色なのだ。

　空間が拡がった分、今日の晴天で回りの景色がいつにも増して明るく伸びやかだ。草の明るい色に、起伏も雰囲気も優しく明るく見える。

　志美宇丹の小学校跡を過ぎ、牧草地の外れで盆地の縁を乗り越えると、次はもう歌登の盆地だ。

　辺毛内の谷間を抜けて拡がる平野が、午後の日差しに照らされて早くも赤っぽく色付き始めている。

　自転車を停めると僅かに感じる風も涼しく、だいぶ北上したことと、夕方の時間帯に変わり始めているのを感じる。思えば西尾峠からだいぶ下って来た。海岸から20kmの内陸だが、何ともう標高10m台なのだ。

　14:40、歌登着。
　まだ補給食が残っているし、さっき織姫橋で補給休憩してからまだ余り時間が経っていない。次の休憩ポイント、セイコーマートがある中頓別までは28km。標高差200mの名無し峠は、何度も通ってボリュームがわかっている。もう行ってしまえ。

記 2011/12/10