北海道Tour10 #9-1 2010/8/14 仁宇布→旭川

仁宇布→(道道49)辺渓
→(道道252)更正→(市道)日進
(以下#9-2) →(道道939)名寄
→(市道・上川北部広域農道他)風連
→(道道729)瑞生
→(道道850)士別
→(国道239)添牛内
(以下#9-3)
→(国道275)幌加内
(以下#9-4)
→(道道48)沼牛
→(町道)下幌加内
→(道道72)共和
→(道道915)嵐山
→(道道98)江神橋
→(旭川サイクリングロード)旭西橋
→(国道12他)旭川
 172km

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路 赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路
ファームイン・トントの朝 雨の牧場 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 朝が来ても雨は降り続いていた。5時頃からは近くで雷まで鳴り始めた。これだと6時出発どころか、一番近い美深に下ってしまえるかどうかすら危うい。まあ美深までは22km、雷さえ鳴っていなければ雨でも出発はできる。いくら何でも1日中雷が鳴っているということは無いだろう。
 天気予報では今日は午前中から晴れ。もう晴れてもおかしくない時間ではある。もちろん大雨が急に上がって晴れる、などということもよくあるが。

 今日は美深に降りて、母子里から国道275に入り、朱鞠内湖と幌加内のソバ畑を見たい。このコースだと、朝食後はなるべく早く出発しておきたい。しかし、6時になっても7時からの朝食中も、雨は降り続けた。
 朝食中、雨煙に霞む牧草地に羊たちが登場。この「ファームイン・トント」の元締め「松山農場」は羊乳を生産しているのだ。ころころと可愛らしい羊たちに、家族連れのお子さんは大喜びだ。しかし、一方でその羊たちの肉を、昨夜のジンギスカンで我々はたっぷり戴いている。しかもとても美味しかった。人の営みとはそういうものかもしれない。

 朝食が終わる7時半ごろから、ようやく雷は収まってきた。それでも雨は止まず、8時になっても止む気配は無い。いい加減に出発しなければと、とりあえず荷物を積み始めると、何とか雲の中が明るくなってきた。もうこうなったら行ってしまえ。美深まで下ったら、天気も変わるだろう。

仁宇布から道道49経由で辺渓へ 赤は本日の経路
 

 8:40、仁宇布「ファームイン・トント」出発。
 牧草地の細道を下り、道道120と道道49の交差点を通過。美深松山峠方面を眺めると、案の定たっぷりと雲が溜まっている。やはり美深方面へ下るしかないのだ。

 盆地上手の「ファームイン・トント」より、むしろ下手の交差点から道道49の方が雨が激しい。仕方無い、もう出発してしまったのだ。滑って転倒しないように気を付けて、美深の盆地外れまで行けば、さすがに何か新しい展開があるだろう。耐えるのだ。
 交差点から走り始めると、突如道ばたの茂みの中に、エンジン音とレールのジョイント音が近づいて去っていった。有名な仁宇布のトロッコである。旧国鉄美幸線の線路跡を、地元有志の方が大変な熱意で維持管理されて、夏に運転しているというものだ。その甲斐あって、仁宇布と言えばまずトロッコ、というぐらいに有名になっている。旧国鉄美幸線は日本一の赤字路線として有名だった程。もともと住人が少ない仁宇布で、線路の保守を続けてゆくのは大変なご苦労である。道端に人気が無くなって更に少し下ると、転回所が現れた。路線終端部が円を描いている。下ってきたトロッコが向きを変え、仁宇布に向かって出発してゆくのだろう。転回所の道路側は高広PAとして、小綺麗なトイレが設けられていた。前回来たのは2002年だったが、その時には見覚えがない施設である。ということは、自治体もこのトロッコをバックアップしているのかもしれない。今後も頑張って欲しい。

 

 仁宇布から美深まで標高差200m、22km。谷間は狭くて森も茂みも深く密、景色は山間そのものだが、斜度自体は北海道の谷の例に漏れず、極めてだらだらだ。緩急ある緩い下りに、時々微妙な登りが登場して鬱陶しい。まあ全体的に下り基調、あまり考えずに悩まずに下ってしまえばいいのである。
 谷間を流れるペンケニウプ川は、泥水の濁流で溢れそうになっていて、橋から眺めるだけで怖い。雨が少ないらしい道北でこの有様。ここ最近の雨で、道内の川がとんでもないことになっているのを理解できる。

 だらだらの下りを進んでも進んでも、行く手には次の山が現れた。長い谷間である。と思っている間に休耕地が現れ、谷間が拡がって畑に変わった。美深盆地に着いたのだが、いつまで経っても雨が弱くなる気配は無い。美深に下っても、結局雨だったのだ。というより、むしろ雨は強まっている。

 9:30、辺渓着。名寄までは国道40ではなく、宗谷本線沿いの市道へ向かう。以前ナイトランで名寄から美深に向かったとき、この道を目論んでいたのに、途中で曲がる道を間違えて、闇夜の丘越えになってしまったことがあった。それ以来の、長年の宿題のリベンジなのだ。

 

 まず道道252で智北の丘へ。丘に拡がる畑は北海道らしい普通の畑で、昨日の景色の浜頓別から豊富までの無人の森や、サロベツ原野や歌登の広々とした牧草地とはまた違う、逞しい農業の営みを感じる。それは道北最北部とは明らかに違う、美深〜名寄盆地の景色のニュアンスでもある。

 途中で知恵文の駅に避難するが、無人駅の駅前には何も無い。駅前の商店でとりあえす自販機と短い軒を借りて休む間に、雨は弱まり始めていた。雲もかなり早く動いている。進めるときに、少しずつでも前に進んでおかなければならない。9:50、知恵文発。

濁流の天智橋 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 天智橋で天塩川を渡ると、昨日と同じような泥水濁流が迸っている。このまま宗谷本線沿いの道へ向かえるのか心配になってきた。

辺渓から更正経由で名寄へ 赤は本日の経路

 雨は降ったり止んだりで、更正の観光ひまわり畑でまたもや雨宿り兼ソフト休憩。もう10:20。ああ、まだこんなところでもうこんな時間である。地元の方に尋ねてみると、とりあえず宗谷本線沿いの市道は、通行止めにはなっていないとのこと。先へ進まねば。
▼動画18秒 更正の観光ひまわり畑

 更正で道道252と分岐、ここから目的の宗谷本線沿いの市道である。

更正橋へ やはり泥水迸る天塩川 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 美深盆地から天塩川の谷間に入ったところで急に雨が止み、少し進んだところで青空まで一瞬現れた。美深盆地と名寄盆地の違いを見せつけられた気になった。

2001年から懸案の市道 天塩川の谷間へ RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 市道は一旦丘に登ってから、再び宗谷本線沿いまで下って、宗谷本線と天塩川の間の狭いエリアに続く。

 天塩川は相変わらず水量が多いものの、今すぐ溢れそうという程でもない。しかし、市道のところどころに何か泥水が流れたような後と、枯れ葉や枯れ草が散らばっていた。あるいは一瞬天塩川は溢れたのかもしれない。

 市道自体は、時々地元の軽トラがやってくるぐらいの大変静かな細道だ。軽トラがすれ違うのに場所を探すような道だが、自転車ツーリストには間違い無くいい道である。

 天塩川沿いから日進の畑に出ると、再び頭上は黒い雲に覆われた。どうも名寄盆地なら晴れている訳でも無さそうである。でも、さっきの一瞬の青空を見ると、雲自体は低くて重いが、晴れ出すと一気に晴れてしまうパターンだろう。それなら、とにかく晴れるその時へ希望を持って、粛々と進んでおかねば。

日進到着 いよいよ名寄 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 パノラマ合成

▼展望360° 道道939 日進橋
 11:00、日進到着。
 朝の計画では、ここで名寄盆地北側沿いに西へスライドし、道道688で名母トンネルを越え、母子里に向かうつもりだった。しかし名寄盆地でも雨はさっぱり止まず、西の山々には厚く重そうな雨雲がねっとり絡みついている。わざわざ雨の名母トンネル越えに向かう気はしない。
 時間的には過去お11時に美深発で、旭川に18時過ぎに着いたことがある。今日は旭川泊だから、時間的にはまだ余裕がある。母子里を諦めれば、名寄よりもう少し南の風連から道道729で朱鞠内湖に出るか、あるいは士別から国道239で添牛内に出るという手もある。西側の山が晴れた時西側に向かえばいいのだ。今日の予報は基本的には晴れなのだから、いつかは晴れるだろう。でももうお昼前でもある。そもそも予報自体が大外れなのかもしれない。
 等と煮え切らない気持ちで、日進橋を渡って名寄市内へ。

記 2010/9/28

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Last Update 2019/8/1
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