天塩→(道道106)抜海
(以上#8-1)
→(道道510)兜沼→(道道1118・国道40)開源
→(道道138)浜鬼志別
(以上#8-2)
→(国道238他)神威岬トンネル
(以上#8-3)
→(国道238他)下幌別→(道道12)歌登
→(道道120)辺毛内
208km
今まで必死でも15kmちょっとでしか走れなかったのが、一気に巡航速度は30km弱に変わってしまった。しかもあんまり頑張ってない、経済ペースでこれだ。
こうなると俄然強気、しばらく追い風に乗っかってどんどん先へ進めばいい。
目梨泊、山臼、問牧、と順調に進んでゆく。今までのペースを何とか挽回したい。
それでもウスタイベ岬の手前、小さなアップダウンではやはりそれなりのペースに落ちてしまうのが何となく悲しい。やはり哀愁の自転車ツーリングだ。
でも、焦っているのも走っているのも他ならぬ自分だ。焦っても焦らなくてもペースはそんなに変わらない。ならば焦らず行けばいいだけだ。
幌内保から枝幸の市街地へ、しばし国道238から分かれてショートカット。国道238は、海岸から斜面を駆け上がる枝幸の街をバイパスするため、ほぼ海岸縁から町の上手へぐわーっと登ってしまうのだ。下から眺めると視覚的に堪えるこのバイパス、幅広の道で車も多目だろう。自動的に市街地の旧道に足が向く。
枝幸はさすがに枝幸支庁所在地だけあって大きな町だ。しかし、広めの町には高層建築は見あたらない。初めて訪れたのは1993年、紋別から浜頓別への北上の日。真夏の盛りに終始10℃台、とどめに遅い昼食に立ち寄った枝幸町中の食堂でストーブが焚かれていた。そんな印象も手伝って、高層建築の見あたらない枝幸の町並みには、大きいと言うより、何かエキゾチックですらある独特の物寂しいムードを感じてしまう。
町中を抜けた町外れでは、ちょっとした斜め分岐でGPS地図を見失い、ちょっと迷走。結局町中ショートカット効果は薄れてしまった。
17:15、下幌別到着。神威岬からの追い風で助かった。浜頓別ではまさかこの時間に枝幸に着けるとは思っていなかった。
ここから再び内陸の道道12へ向かう。歌登の標高は、海岸から20kmとだいぶ内陸なのに15mとかなり低い。その標高の通り、道はずっと平坦で、引き続き海から陸へ吹く追い風に乗って楽ちんで快調に進める。
相変わらず雲は低いが、雨が降る気配は無く、先も見えてだいぶ気楽である。
途中1ヶ所だけ、北見幌別川の河岸がぐっと狭くなる渓谷で、トンネル越えがあった。
いつの間にか、歌登から枝幸へ向かう美幸線の未成線が併行している。川が下に流れているから谷間の底はそんなに標高が上がらないのに、道も元鉄道も仲良く律儀に登らされるのが何か可笑しい。
と思いながら短いトンネルを抜けると、もう歌登の外れだった。
18:10、歌登着。
さっきも思ったが、まさか18時に歌登に着けるとは思っていなかった。夕方で雲が厚いと谷間はもうすっかり薄暗く、店の明かりがそろそろ目立ち始めている。今日の宿がある辺毛内まではここから20分か、30分か。少なくともこれで平和に今日の宿に着き、温かいご飯を時間通りに食べることができることを確信できる。
ただ、宿で明日のおにぎりは作ってもらえないことを予約段階で聞いていた。従って、歌登のセイコーマートでおにぎりを仕入れる必要がある。おにぎりを仕入れるなら、ついでに少し休憩して行こう。休憩するのなら、いつものようにヨーグルトにオレンジジュースに、とどんどん雪ダルマ式にメニューが増えてしまう。
歌登からは道道120へ。山間を仁宇布へ南下するこの道、毎年のように通っているが、この時間に来るのは初めてだ。辺毛内は歌登の平地の外れ。歌登からこの道を南下すると、谷間が何となく狭くなり、そう長くない坂の後、次の盆地の志美宇丹に着くのは覚えている。しかし、谷間が狭くなる辺りの景色、距離感、そして今日の宿「うたのぼりグリーンパークホテル」がある「健康回復村」の分岐付近がどの辺だったか、正確には覚えていない。
そんないい加減な距離感の通り、平地からだらだらと盆地のお皿の縁へ向かってしばらく進むが、谷間は狭くなってもなかなか「健康回復村」の分岐に着いてくれない。
気をもみながら進むうち、辺りがどんどん暗くなり、ライトが頼もしいぐらいになってきた。
結局、いい加減そろそろ歌登の盆地も終わろうかというところで、ようやくライトアップで煌々と照らされた健康回復村の看板が登場。
谷間の一番奥、志美宇丹への登り手前なのだった。
18:50、辺毛内「うたのぼりグリーンパークホテル」着。
元町営、今は民間企業が管理委託を受けている宿泊施設だが、その実態は、3日目のホテルフォレスターに勝るとも劣らぬゴージャスなホテルである。それにしちゃホテルフォレスターより値段はかなり安く、天然温泉もあるのがウレシイ。自転車も屋内、開かずのホール?みたいな室内に置かせてもらえた。
温泉で汗を流した後、夕食は併設のレストラン「函岳」で。函岳というのは、あの道北スーパー林道の加須美峠で分岐し、稜線を400mほど登る、この辺りで一番高い山だ。サロベツ原野に利尻まで見える晴れた日の展望が有名で、道北オフローダーの名所である。良いところを突いてくるね。
食後はとりあえずもう一度温泉へ。
明日はいよいよ最終日。天気予報は例によって道北晴れだが、明日こそ本当に晴れて欲しい。
記 2009/10/8
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